鉄道ファンはその楽しみ方によって「乗り鉄」(鉄道に乗るのが楽しい)「撮り鉄」(鉄道写真を撮影するのが楽しい)などと分類されている。将棋ファンも同様で「指す将」(将棋を指すのが好き)「撮る将」(イベントなどで棋士の撮影を好む)「描く将」(棋士のイラストなどを公開する)などと分類されているが、観戦を中心に将棋を楽しむファンのことを「観る将」と呼ぶ。自分ではあまり将棋を指さないが、将棋専門チャンネルやAbemaTV(アベマTV)、ニコニコ生放送などネット放送で対局を楽しむファンはまさに「観る将」だ。
観る将がより楽しく将棋を観戦するには、対局または解説する棋士の人となりを知るのが一番だ。観戦が楽しくなる棋士の情報をどこから得るといいのか確認した。
【棋士データベース】
日本将棋連盟のサイトには棋士データベースというページがあり、ここから棋士のプロフィールを確認できる。生年月日や出身地・師匠・関連記事などが分かる。
【ネット系の将棋番組は棋士の個性が出やすい】
応援する棋士の対局姿も美しいが、解説などで登場した際には人柄が分かるのが楽しい。テレビ将棋やインターネット配信の将棋がある場合には、対局する棋士だけでなく解説する棋士にも注目だ。
AbemaTVなどのネットによる将棋中継とテレビのトーナメント棋戦で大きく異なる点は、解説する棋士と聞き手の「リラックス度」だろう。NHK杯では真面目なシーンが多く見られるが、ネット系の将棋番組ではリラックスした雰囲気で進行することが多い。そのため、棋士の本音や交流関係・裏話を聞くことができる。完全に偏るわけではないが、そうした傾向を把握して見てみるのも楽しいものだ。
【Twitterは要チェック】
棋士の日常を知ると応援にも力が入るというもの。その有力な手段がTwitterだ。近頃は多くの棋士がTwitterを活用し、情報発信やファンとの交流を図っている。原則的に棋士は本名で活動しているため、検索をかければ活用する棋士のアカウントは発見できる。対局や解説でのスケジュールもわかるので、中継サイトを見る参考にもなる。女流棋士のアカウントであれば将棋イベントでの華やかな姿の写真も楽しめるし、趣味のつぶやきが多い棋士もいる。棋士がより近しいものになりそうだ。
棋士の個人アカウント以外でお勧めのTwitterアカウントは、関東の若手棋士グループの東竜門(@wakate_shogi)、関西の若手棋士ユニットの西遊棋(@kansaishogi)、羽生善治三冠夫人・理恵さん(@usaginoheso)。東竜門・西遊棋はファンに楽しんでもらえる視点でのツイートが多い。羽生理恵さんのツイートはアヒルをはじめとしたペットの画像が多め。たまにつぶやく羽生三冠の情報は身内だからこそのネタもあり見逃せない。
ネットを使えば手軽に多くの棋士の情報を得ることが出来る。一方、時間的に余裕があり気になる棋士をより知りたいと思うようになったのであれば、タイトル戦の大盤解説会や棋士が登場する将棋イベントに参加してみるのもいいだろう。生で見る棋士から得られる情報は多いし、なにより応援したくなる気持ちが大きくなるものだ。応援する棋士が決まると観る将はさらに楽しくなる。ぜひ、推しの棋士を作っていただきたいものだ。【奥野大児】
(C)AbemaTV