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 自衛官を弟に持ち、「僕は国よりも自分のことが好きなので絶対に戦争が起きても行きません」「徴兵制をやるべきだと言う人から順に戦闘機に縛りつけて飛ばしましょう…」などとTweetしたことから、ネット上で"反戦芸人"とも呼ばれているウーマンラッシュアワー・村本大輔。21日放送のAbemaTV『AbemaPrime』に出演した元防衛大臣の中谷元・衆議院議員に疑問を激しくぶつけた。

 8月11日に放送されたテレビ朝日『朝まで生テレビ!』では、司会の田原総一朗氏の「僕はやっぱりね、はっきり言って国民には国を守る義務があると思う」という発言に対して「それをね、絶対に戦争に行くことのない年寄りに言われても、何もピンとこないわけですよ。絶対に行かないでしょ」と反論。

 さらに田原氏が「だったら聞きたい。自衛隊ってなんだよ。好きでやってんのか」とまくし立てると、「自分たちで志願してやってるわけじゃないですか。僕の弟は自衛隊を志願して。趣味じゃないけど好きでやってるんじゃないですか」と切り返した。

 番組の終了後、田原氏は自身のTwitterで「金曜日の朝生、村本さんの素直な疑問、考えが新鮮でした。ぜひまたゆっくり議論したいです。僕は戦争を知ってる最後の世代なので、若い村本さんと色々話ししたいです。よろしくお願いします」とコメントしていた。

 自衛隊のPKO派遣についても疑問を持っているという村本は「僕の弟が命を落とす可能性がありますよって言ったら、みんな結構簡単に『はい』って言ったんですよ。そのPKOに自衛隊が行かないといけない理由っていうのをちょっと教えてもらいたいんですけど」と疑問を投げかけた。

 これに対し、国際政治学者の三浦瑠麗氏は「日本人はあまり重視しないが、多くのリベラルが重視している日本国憲法の前文には、諸国民の平和や自由を尊重するという風に書いてある。日本国民だけじゃなくて、それぞれの国の国民の平和も考えましょうと」と説明。また、自民党の山本一太参議院議員も、「憲法には国際協調主義というのがある。やっぱり日本が繁栄していくためには国際社会と常に関係を持ち続けないといけない。上手くいく時も上手くいかない時もあるかもしれないけど、とにかく国連からの要請があったらみんなで一緒になって、その国を立て直すために貢献しましょうと。色々な国が南スーダンPKOに貢献しているときに、治安が悪化したという理由で日本だけが撤退する事が、本当に国益上いいのかどうかという判断なんだと思う」と回答した。

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 しかし、村本は番組終了後も納得できず、仕事で訪れた北海道の飲食店に偶然居合わせた自衛官たちと長時間議論したという。

 そのうちの一人は、村本に「クウェートに派遣されたとき、他の国の兵士たちに銃で守られることになった。それはもう悔しかった。相手に撃たれて初めて撃つことができる。早く制度を変えてもらって、みんなと同じように戦えるようにしてほしい」と訴えたのだという。

 『AbemaPrime』に出演した中谷氏は、南スーダンPKOで日報問題にも記載された“戦闘“が起こった時に防衛大臣を務めていた。「出す以上は、ケガをしたり犠牲が出ないように指揮官や責任者が最善の努力をする」と話す中谷氏に、村本は「平和のためには多少の犠牲は必要なのか」と質問。中谷氏は「過去カンボジア、東ティモールなどやってきたが、やはりPKOやってよかった、危険もあるが、自衛隊は危機管理のプロだから自分の身を自分で守りながらしっかりやると思う。南スーダンから全員無事で帰ってきたことも、他の国に比べれば優秀な能力があった」と回答。

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 また、村本は「"もし戦争が起きたとしても僕は行きたくない"と言った。そうしたら"お前も日本にいるんだから、日本を守ることが大事。チーム日本なんだ"と言われた。日本のトップはアメリカに言われれば戦争に参加してしまいそうな気がするがどうなのか」と質問。

 中谷氏は「国民の安全を守る、そのために自衛隊がいる。日本の防衛に関しては、日米安保条約で米国が守る義務を負うということになっている。しかし日本は米国に対する防衛の義務を負っていないので、あくまでも自国の平和と安全のために行動する。この70年間、日本が平和だったのは、日米安保がしっかり機能していたから。できる限りの行動はするが、憲法で武力行使はしないことになっているので、自衛隊が他国まで行って戦闘に参加するということはない」と答えた。

 21日からは、アメリカと韓国による定例の合同軍事演習が始まった。演習内容は北朝鮮からの攻撃を想定したものとなっており、反発した北朝鮮が弾道ミサイルを発射するなどの可能性もあり、両国は警戒を強めている。そんな中、日本も「敵基地攻撃能力」を日本も保有するべきかどうかの議論も注目されていれる。

 中谷氏は敵地攻撃能力に対し「昭和30年代に、もし日本が攻撃を受けた場合でも座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨だとは考えられない、反撃できるようにという答弁があった。しかし日本は専守防衛でやってきたので、相手の国に飛んで行くようなミサイル、爆撃機、空母の保有は許されてこなかった。しかし、一発撃たれたらやりかえすぞという抑止の能力は保有する必要がある」と説明。

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 「日本が戦争を仕掛ける」と懸念する村本に対しては、「どこの国も先制攻撃をして戦争を始めることは認められていない。平和を守るために国連ができて、制裁などを通して平和を守ろうとしてきた。『国連軍』はロシア・中国を含む5つの常任理事国がOKしないと発動しないので、一度も発動されたことはない。その代わり、自国を守るために個別的自衛権と集団的自衛権がそれぞれの国に与えられている。日本は憲法があるので、集団的自衛権については抑制的に考えてきた。しかし、あらゆる事態に切れ目のない対応をしなければならないので、万が一日本が侵略を受けた場合には、限定的な集団的自衛権を行使できるという法律を作った」と、安全保障関連法の意図について語った。

 先述の自衛官に「もちろん入ったからには腹を括っているけれど、何かあったら自衛隊は自分たちを守るべきだし守ってくれる、PKOにも行くべきだ、国のために死んでくれるから大丈夫だとみんな当たり前のように言っている。"僕は行きたくない"と言ってくれてすごく嬉しかったと泣きながら言ってくれた」と振り返る村本。

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 PKO派遣や集団安全保障体制の維持のためにも憲法を改正し自衛隊を明文化すべきだという議論について中谷氏は「憲法違反ではないということを、しっかり国民の皆さんに認めてもらうためにも、自衛隊を明文化することには意義がある。今後、自衛権全体を認めるべきなのか、国際貢献をどこまで行うか、といった話も含め党内で議論する」とした。

 最後に中谷氏は「自衛官というのは志願制。『事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います』と宣言をして入隊している。自衛隊には色々な仕事があって、誰一人欠けても国防を全うできない。一人ひとりが重要な任務を帯びて、いざという時にしっかり国を守るんだ、自分たちの家族や国民を守るんだ、という意識をもってやっている。警察も消防もそうだ」と述べた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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