連日、数多くの雑誌で特集が組まれるなど、人気の衰えを知らない「カレー」。まだまだ暑い夏を乗り切るため、『けやき坂アベニュー』(AbemaTV)では“夏に食べたい”絶品カレーベスト3をカレーライターのはぴい氏にセレクトしてもらった。
はぴい氏は、3000軒以上のカレー店を食べ歩いてきたカレーライター。YouTubeにカレー店紹介を中心とした1500本以上の動画を公開している。
【第3位 カレーライス「カリヒオ」】
幡ヶ谷の商店街から路地を少し入ったところにあるカレーライス「カリヒオ」。オープンして10年、店主の川村圭さんはカレー界の大物・G.Mナイル氏に師事した経験を持つ。ナイル氏は、日本最古のインドレストラン「ナイルレストラン」のオーナーだ。川村さんは、内弟子として修行を許された唯一の日本人で、ナイル氏の教えを元に自分なりのカレーを追求した。カレーソースの主軸を牛スジ系とチキン系の2つに絞りこんで徹底的に研究。そして、今や東北から足を運ぶ人がいるほどのカレーが完成した。
カリヒオが出す一押しカレーが「全部のせカレー」(1200円)。カレーソースは玉ねぎ、トマト、カシューナッツ、バナナ、ナイル氏直伝スパイスなどでコクと旨味を出している。具材は、事前にあくを取り除いてカレーソースと一緒に低温で10時間煮込んだ角煮。さらに、素揚げした野菜、チキンキーマ、燻製のウインナー、温泉たまご、チーズ、甘く煮たニンジンとコーンがトッピングされている。仕上げにパプリカとカルダモンのスパイスで香りづけをして完成。
川村さんは「欧風とインドの中間点を狙った。ナイルさんと僕しか知らないことだが、特殊なカレースパイスが入っている。絶対にしゃべるなよ、と言われている」と味の秘密を語った。
【第2位 スパイシービストロ「タップロボーン」】
南青山にあるスパイシービストロ「タップロボーン」。この店では本場のスリランカカレーを食べることができる。ココナッツミルクをベースにしたマイルドな味わいのフィッシュカレー(980円、ランチ)や肉や野菜、付け合わせがたっぷりのアーユルヴェーダ・ワンプレート(1080円、ランチ)などが楽しめる。客からは「スリランカのカレーを食べることがないので、それが食べられるのは珍しいなと思う」「この前、スリランカに行ったというのもあって、その時に食べたカレーをまた食べたいと思った。正直に言うと本場よりおいしい」といった声が聞かれた。
一押しは、ランプライス(1500円・ランチ)。ランプライスはバナナの葉に包まれたスリランカのお弁当スタイルだ。使われているスパイスはオーナー自らが厳選し、スリランカから約20種類を直送。それらをブレンドし、カシューナッツ、シナモンなどと米を炒め、バナナの葉に盛り付ける。そこに、日本でいうかつお節のダシを使用した豆カレーや、ローストツナパハと呼ばれる混合スパイスをベースにしたチキンカレー、スリランカのふりかけと呼ばれるポルサンボール、フルーティーなアクセントとしてパイナップルなどのピックルを添え、最後に揚げタマゴを乗せる。少し炙ったバナナの葉で包み、うまみを凝縮させるため300℃のオープンで蒸して完成。テイクアウトも可能だ。
【第1位 spicy curry 魯珈】
2016年12月に大久保にオープンした行列のできる人気店「spicy curry 魯珈(ろか)」。ろかプレート(950円)には、魯肉飯(ルーローハン)が乗っている。魯肉飯は、豚バラ肉など脂身を多く含んだ豚肉を細切れにし、甘辛く煮込んでご飯の上にかけた台湾の名物料理だ。
店を1人で切り盛りする齋藤絵里さんは、台湾料理店でアルバイトをしたことで魯肉飯のとりこになった。その後、7年間南インドカレー店で修行し、2016年12月に独立。
カレーには約10種類のハーブやスパイスを使用している。南インドカレーには欠かせないマスタードシード、ブラックペッパー、シナモン、スターアニスなどで香りを出し、さらにさわやかな香りが強いフェンネル、カレーリーフを加える。そして、ニンニク、ショウガを入れると独特なスパイシーな香りが脂に移っていく。
「食べた時に香りが強くなるように、芳香系のスパイスをメインで使うようにしている」と話す齋藤さん。漢方に使われるハーブやスパイスも多く、薬膳カレーとも呼ばれているという。魯肉飯はカレーとの相性を良くするために同じスパイスを使用している。
暑い夏をカレーで乗り切ってはいかがだろうか。
(AbemaTV/『けやき坂アベニュー』より)