リアルで将棋を指すのに欠かせないものの一つに将棋盤がある。対面する棋士の間に必ず鎮座している将棋盤、サイズは?素材は?など気になったことはないだろうか。そんな将棋盤についてのトリビアをまとめてみた。

◆サイズは約36センチ×33センチ

 将棋盤は正方形ではない。縦がおよそ36センチ、横がおよそ33センチほどだ。将棋の駒も、それぞれのマス目も縦長だ。なお、安価なゴムシートの将棋盤などもほとんどがおよそ36センチ×33センチほどのサイズで作られている。

 厚みは、プロのタイトル戦で使用するものの多くは7寸程度のもの。そこに脚が付く。脚はクチナシの実の意匠が施されている。これは、将棋というゲームにおいて第三者が「口を挟む」ことをよしとしないところから来ている。ネット中継で将棋盤がアップになることがあれば、ぜひ盤の下にある脚にも注目してみよう。

◆素材は榧(かや)が極上

 将棋盤の素材は、榧が最上とされている。盤面に浮かぶ木目の模様の美しさや独特の香りが良いとされ、また素材に油分が多いため傷まず色つやを失わず、むしろ使い込むと美しい飴色の光沢が現れる。

 榧の本格的な将棋盤ともなると価格はゆうに100万円を超える。榧の木から盤を作るには直径1.1メートルほどまで育たなければならないと言われており、そこに至るには300年ほどかかるそうだ。盤が高級品であることもうなずける。

 盤の素材に新榧(しんかや)というものがあるが、これはまったく榧ではない別の木材だ。6寸ほどの厚みの盤でも10万円を切る価格で購入できるため、本格的な盤をリーズナブルに用意したいのであれば、これがおすすめだ。そのほか、桂やヒバの木なども安価な将棋盤に用いられている。

◆盤の裏には駒音を良くする工夫

 将棋盤の裏の中央にはくぼみが掘られている。「音受け」と呼ばれており、駒を打ったときの音が良くなる工夫のために掘られているものだ。2寸ほどの厚みの将棋盤だと、それより薄い板を貼り合わせて作っているケースもあり音のこだわりが少ないが、3寸以上の将棋盤は一枚板になることが多く、この音受けが掘られているのが分かるだろう。

◆将棋教室で高級品を所有しているところも

 親子や子ども向けの将棋教室・イベントを開催する「株式会社いつつ」では、第74期名人戦の第3局、当時の羽生善治名人と佐藤天彦八段が対局した際の盤を購入し、イベントでの活用や貸し出しサービスを行っている。将棋盤を使うイベントを確認すれば間近で見られそうだ。

◆道具を知ると将棋がさらに楽しくなる

 スマホアプリやネット将棋で将棋を覚え、AbemaTV(アベマTV)などネット中継で将棋を楽しむ人は将棋盤に触れたことがないかもしれない。道具を知ることは将棋の新たな楽しみにつながる。機会があれば将棋盤をはじめとした将棋の道具を知ることも面白いだろう。【奥野大児】

(C)AbemaTV


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