お笑いコンビANZEN漫才・みやぞんの勢いが止まらない。今年ブレイクした芸人TOP3に入るのではないかと言われるほど、テレビの露出が増えており、最近ではコンビでも番組に出演するようになってきている。
ブレイクのきっかけは2016年6月に放送された『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)の出演であろう。この番組では南海キャンディーズの山里亮太がとんねるずに若手芸人を紹介するという企画があり、数組いた若手の中にANZEN漫才が出演していた。そこでのみやぞんの天然っぷりがとんねるずにドはまりし、世間にみやぞんという存在が知れ渡った。この番組の収録を見ていた番組関係者はこう話す。
「あの日の収録は周りの若手芸人が何をしても全てみやぞんに持っていかれ、完全にみやぞんの一人勝ちでした。何回か同じ企画をやっているのですが、あの日ほど盛り上がった日はないのではないかというくらい異常な盛り上がりでした」
その後『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)の不定期新企画「世界の果てまでイッタっきり」に大抜擢。何度も降りかかるさまざまな困難と試練を乗り越え、今では準レギュラー並みに同番組に出演している。
他の番組のドッキリ企画ではみやぞんのいい人っぷりが炸裂しており、視聴者やタレント、業界関係者の中でもみやぞんにハマる人が続出している。
みやぞんの人気は天然キャラだけではない。ギターが得意で、ネタにもギターを取り入れているのだが、ギターの弾き方を誰かに教わったわけではないのだ。誰かが弾いているのを見て、自然と弾けるようになったのだという。また、ピアノも弾くことができ、初めて聞いた曲をそのままコピーして弾くことができるという特技も持っている。それだけではなく、遠投でボールを100m近くまで投げることができたり、ボクシングのパンチ力が200kgを超えていたりと運動神経も抜群だ。彼は単なる天然キャラではない。“天才肌”なのである。
このように、みやぞんばかりが注目されている印象があるが、実はみやぞんのキャラクターは相方のあらぽんが大きく影響している。みやぞんの天然キャラを最初に見抜いたのはあらぽんであり、コンビを組んで何年かしたとき、あらぽんはそれをみやぞんに伝えている。
しかし、みやぞんは天然なので、それがどういうことなのか一切分からなかったというのだ。そこであらぽんはみやぞんに「思ったことをそのまま口にしていこう」と伝え、それを実践してきた。それが今の人気につながっているのである。今でも、みやぞんはあらぽんのことを最も信じており、忙しいスケジュールの中、空いている時間を見つけては、2人でコンビについて話し合っているという。
最近は相方のあらぽんも人気が出てきており、先日『PON!』(日本テレビ系)で結婚を発表し、『ワイドナショー』(フジテレビ系)でも取り上げられ話題になった。バラエティー番組にもコンビでの出演が増えてきている。
芸人はネタが注目され、その後バラエティー番組に出演し、その人の内面が知られて……という流れで人気になっていくのがよくあるパターンなのだが、ANZEN漫才はその逆の道から売れた特殊な芸人。だからこそ爆発的に人気が出ているのであろう。
みやぞんのキャラクターも、どんどん新しい一面を出してきており、人気は衰えるどころか日に日に増している。これからはコンビとしての魅力も出てくるであろう。引き続き、目が離せないことになりそうだ。
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