■若狭氏「細野氏と連携なら新しい政治の枠組みを作る」

 1日に行われた民進党代表選で前原誠司氏が選出された。前原氏は「非常に難しい船出だという思いを強くした。今、この場で政権交代を言っても国民の皆様方は『何を言っているんだ』と。こういう状況になろうかと思う」と述べ、危機感をあらわにした。国会議員票の中には白票も8票あり、さらなる離党の予備軍の存在を指摘する声もある。

 2日放送のAbemaTV『みのもんたのよるバズ!』に出演した民進党の渡辺周氏も「高揚感がなかった」と振り返る。

 代表選では前原氏を推してきた渡辺氏。「民主党時代も含め、どちらもふさわしくないという思いで投票した方がこれだけいたというのは相当ショックだ。前原さん、枝野さんという民主党時代からの議員ではなく、若手で優秀な井出庸生さんが出馬に意欲を示していたし、第三極、新しい候補をという動きもあった。決して全員が離党予備軍というわけではないと思うが、ちょっと胸騒ぎがする」と心中を吐露した。

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 政治ジャーナリストの角谷浩一氏は「党内では井出さんが白票を投じた一人ではないか言われている。ただ、残りの7人が誰なのかは分からない。民進党はこれまでも"解党的出直し"と言われてきたが、今回こそ本当にどうなっちゃうか分からないような状態で、枝野さんも前原さんも、とにかく一致団結しないといけないを訴えていた。"そんなときに、この態度(白票)はないよな"という空気が党内に広がっていて、台無しにするなよという空気の方が大きい」と話す。

 国政新党を立ち上げるべく準備を進めている若狭勝氏はこうした民進党の動きについて「興味津々。後々、"自分は代表選には関わっていなかった"と言うために、あえて白票にしたんじゃないかと思われる」と話す。

 そんな若狭氏側は新党結成に向けて、民進党を離党した細野豪志氏と意見のすり合わせを行っている。そして、細野氏は無所属の野間健氏や長島昭久氏とも協議を行っており、野間氏からは「細野、長島両代議士と、いわゆる"小池国政新党"のいずれかの時期での設立に向けて共に行動していこうと」との発言も飛び出しているほか、長島氏も年内に若狭氏らと新党を結成する可能性を示唆している。

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 若狭氏は「今の民進党は、イデオロギー的に右も左も一緒になっている。今回新体制になるとはいえ、基本的な枠組みは変わっていないので、おそらく"いつか来た道"みたいになると思う。私自身は民進党と大々的な選挙協力をするという考えは全くない」として連携の可能性を否定する一方、細野氏らについては「民進党とは距離を置いた新会派を作るということに間違いない。仮に私と細野さんが一つの党を作ることになった場合、民進党とは全然違う、どの既成政党とも違う、今までの政治のしがらみをバッタバッタ切るような形の新しい政治の枠組みを作る」とした。

■前原氏「細野さんのことを心から可愛く思い、敬愛している」

 そんな若狭氏らに対し、前原新代表は先月、「理念・政策が一致するところと協力するというスタンスなので、そういったものを出された時に判断をさせて頂きたい」と発言しており、野党再編に含みを持たせている状況だ。

 また、前原氏は細野氏とは師弟関係にあり、「細野さんのことを心から可愛く思い、そして能力の高いすばらしい政治家だと思って、敬愛している。細野さんとはまた協力ができるのではないかという期待を持っている」と述べている。細野氏も「前原さんとは長く、本当に色々なことを一緒にやってきたので、お気持ちは非常にありがたい」と話し、「民進党の方とも話をしているか」との問いには「それもしている。同じ考えで行動できる人がいれば、ぜひやっていきたいというふうに思う」とコメントしている。細野氏が新党結成の話をした議員は2桁との情報もある。

 渡辺氏は「"批判の受け皿"と共産党と連携すれば、大きな借りを作ることになるし、選挙優先で国家観が違う所と一緒にやったら、後々大変なことになる可能性もある」として、野党共闘については細野氏らとの話し合いを優先させるべきではないかとの見方を示し、「民進党の綱領を中心になってまとめたのは細野さん。その民進党への拒否感の強い若狭さんと細野さんが距離を詰めるのはどうなんだろう。整合性をどうとっていくのか」と指摘して、若狭氏と細野氏の連携を疑問視した。

 これに対し若狭氏は「おそらく前原さんはが細野さんに"敬愛している"などと言っているのは、"今後もうまくやっていこう"といシグナル。しかし細野さんは民進党を離党しているので、前原さんと手を組んでいくということはあり得ない」と反論した。

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 そんな若狭氏は2日夜、銀座で小池百合子都知事と会食、その後報道の質問に答えた。小池都知事は「色々と情報交換をして、国政、都政、最新の情報などをお互いに交換した。それから若狭さんの方の塾がいよいよ今月始まる。第1回の講師を私が務めることになっているが、希望の塾もまた再開するので、その時に若狭さんに講師になって頂く。塾長としてお願いをし、相互乗り入れをしっかりとやっていきたいと思っている」と述べた。

 渡辺氏は「小池さんが昨年都知事選挙に出た時、そして2カ月前の都議会議員選挙の時。あの時は小池さんがどんどん発信をして、日本中の注目を集めて、知事選でうねりを作り、都議選でもどんどん候補者が集まった。しかし今回は小池さんの側からの発信が全然聞こえてこないし、国政でもうねりをつくるという気持ちはあるのか。また、国政ではどんなテーマを持って出て来るのかということが見えてこない」と指摘。角谷氏も「小池新党ではなく若狭新党なんだが、若狭さんのところに集まろうとしている人たちが、その裏にいる小池さんの名前の“あやかり組”じゃないかいう見え方がしているところに大きな問題がある」とした。

 さらにコラムニストの吉木誉絵氏からは「今、都民ファーストの会は取材規制をしている。政治経験が無く新たに都議になった方だけでなく、これまで顔としてメディアに出ていた方でさえも番組に出られない状況。ご自身が新党を立ち上げた場合はどうなるのか」と問われると、若狭氏は「私が作る新党では3分の1は政治未経験の人に出ていただいて、しがらみ政治打破のための原動力になっていただきたいと思っているので、意見、主張をむしろ戦わせることが大事。取材規制というのはよくわからない。正確には把握していない」とした。

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  "離党予備軍"を抱えるともいわれる前原民進党、そして細野氏グループ、若狭新党。今後、連携するのは、一体どの勢力とどの勢力になるのだろうか。(AbemaTV/『みのもんたのよるバズ!』より)


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