AbemaTV将棋チャンネルのオリジナル企画第2弾「若手VSトップ棋士 魂の七番勝負」が9月30日から、ついに開幕する。23歳以下の若手棋士7人が、数々のタイトル戦や上位リーグで活躍した40代のトップ棋士7人に、団体戦で挑むというもの。第1局は史上最年少のタイトル保持記録を持つ“将棋エリート”屋敷伸之九段(45)と、長崎・対馬出身初のプロ棋士で“雑草魂”を持つ佐々木大地四段(22)の対決だ。
3年弱と7年半。2人がプロ棋士養成機関である奨励会で過ごした月日の長さだ。プロを目指す者としては遅いと言われる中学生になってから奨励会入りした2人だが、その後の結果は大きく違っている。
中学生名人にもなった屋敷九段は奨励会でも圧倒的な強さを見せた。養成機関とはいえ、全国で「神童」と呼ばれるような少年棋士が集まる中、たった3年足らずでプロとなる四段昇段を決めた。さらに1988年10月にプロデビューを果たした翌年、当時の中原誠棋聖との五番勝負に進出(2勝3敗で敗退)し、17歳という最年少タイトル挑戦記録を樹立した。そして翌1990年、同じ棋聖戦で中原棋聖にリベンジを果たし、今なお破られない18歳6カ月という史上最年少タイトルという記録を達成。一気に将棋界の注目を浴びた。
一方、佐々木大地四段は奨励会入りから四段昇段まで7年以上かかると、念願の四段となっても順位戦C級2組入りがかなわず、下位リーグにあたるフリークラスからの出発となった。好成績を残したことで、わずか10カ月半でC級2組への昇級が決まったが、2人の22歳当時を比較すると、状況はまさにエリートと雑草だ。
世代交代を自らの活躍で行ってきた屋敷九段を、今度は苦労の末にプロ入りした佐々木大地四段が乗り越えようとする。約30年前に起きた世代交代の大きなうねりが、この一局に現れるかもしれない。挑戦する佐々木大地四段は「(屋敷九段は)何でも指せる方。その中で自分の工夫を毎回出していて、優勢に持っていて勝ちきるところを本当に尊敬しています」と低姿勢で臨むと、屋敷九段も「注目している若手という感じで見ています。(師匠の深浦康市九段より)より鋭く、より踏み込んでくるイメージはあります」と、若手実力者を警戒した。
若手棋士がトップ棋士に挑戦する企画として、第1局にはこれ以上なくふさわしいカード。実績と勢いが真正面からぶつかる対局の模様は、9月30日午後7時から放送される。
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