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 衆議院解散後、大きく動き始めた野党再編の波。希望の党代表の小池百合子氏は「様々な観点から絞り込みをしていきたいと考えている。全員を受け入れるということはさらさらない」と述べ、希望の党と民進党の事実上の“合流”は雲行きが怪しくなっている。

 合流に関して「選別」「排除」など様々な情報が行き交う中、小池氏はどのような思惑を持っているのか。また、民進党員で“排除候補”と噂されている人はどのような人たちなのか。

 現在、排除候補とされているのはいわゆる“リベラル系”の党員で、三権の長(総理大臣や衆・参議院の議長など)の経験者も名前が挙げられている。『けやき坂アベニュー』(AbemaTV)に出演したジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏は、排除候補の顔ぶれについて、「前民主党とはこれだという“アイデンティティー”。核を作り、軸となった人たち。希望の党への合流は、事実上の“解体”を意味する。前民主党のアイデンティティーはもうない」と述べる。さらに、「『一度ゼロに戻して、私ファーストにつきなさい』ということ。小池さんは党内での求心力を強めている」と小池氏のスタンスを分析した。

 合流に際して“選別”があることについては、「前原さんが党内のリベラル派を、小池さんを使って上手に排除したという陰謀説のようなものも出ている」と話すモーリー氏。一方で、「前原さんが最初に期待していたのは、民進党の仲間全員が希望の党に移る、名前だけ付け替える形。そこで議席を取れば、多数決で小池さんを落とすこともできる。前原さんや連合会長には、民進党に逆行できる期待があったが、あらかじめ小池さんは見抜いていて、自分に逆らいそうな人は全員排除した」と小池氏が上手であると指摘した。

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 また、モーリー氏は「菅さんや枝野さんの排除は問題ではない」と話す。「前の民主党時代から持っている勢いは、今回のゴタゴタで日に日に弱くなっている。仮に小池さんから選ばれなかった側、排除された側の人たちは、新党結成をしても勢いが失われているから負ける方向に行ってしまう。このゴタゴタ自体が小池さんの選挙に勝つためのコマの1つ。混乱が長引けば長引くほど、今までの民進党の核となった人たち、三権の長たちは形勢が悪くなっていく。だから菅さんや枝野さんが排除されるというのはそんなに問題ではない」。

 一方で、小池氏の“テレビ映え”を挙げ、「この状態が続けば続くほど、毎日テレビに安倍さんではなく小池さんの顔が映る。2人ともテレビ番組で取材をしたことがあるが、安倍さんは非常に責任のあるどっしりとした、だけど“地味”な人。そして守りが強いから、突っ込むとすごく長い時間をかけて説明してくれる。ジャーナリストとしてはありがたいが、国民から見ると華がない。小池さんは瞬間的にテレビを見ている人が喜びそうなことをパッと言うし、華がある。彼女は、テレビで見て美しいかどうかという“テレジェニック”の塊。発言はコロコロと変わるが、『今の世の中が必要としているのよ』と心を掴む術を持っている」と見解を述べた。

 希望の党と民進党の合流については、「小池氏の『選別』で公認決定」「すべての民進党議員受け入れ」「“合流”全面撤回」の3つのパターンが想定される。

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 テレビ朝日・国会キャップの有馬央記氏は「全員の受け入れ」を否定し、「今の流れを見ていると1つ目。今まさに疑心暗鬼になっているのが、小池さんが『選別します』と言っているのが、ポーズなのか本当にするのかというところ。バラバラだと言われている民進党がそのまま来て、希望の党もバラバラだと言われるのを避けるために盛んに選別と言っている。けれども、結果的に蓋を開けてみないとわからない」と推測する。3つ目の「全面撤回」については「噂はされているが、現実的ではない」と否定した。

 また、民進党が持つとされる100億円の「政党交付金」に関しては、「解党したら党が持っているお金は政府に返すことになる。今やろうとしていることは、希望者だけが希望の党に行って、民進党ではそのお金は持っておくこと。持っておいて、選挙が終わった後に今後の使い道を話すという流れ。小池さんはそのお金が欲しい」と述べた。

 モーリー氏は「小池さんは民進党のおカネも取り、民進党をなくし、自分にイエスという人以外を野に放って、全部欲しいものを手に入れる。これが小池さんの“手品”。見ていてすごくスッキリする勝負ではある。そこに乗せられて、有権者がテレビに出ている小池さんがかっこいい、政治を変えてくれるという表面的なイメージで票が流れてしまうことを、安倍総理は非常に警戒している」と説明した。

(AbemaTV/『けやき坂アベニュー』より)

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