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 9月30日、希望の党は日本維新の会との協力を明らかにした。希望の党代表の小池百合子氏は「大阪選挙区におきましては、小選挙区で維新の会の候補者が戦うということで、私どもは候補者を立てない。民進党から入党希望の方については調整しているところでございます」と発言。また、大阪府知事の松井一郎氏は「小池知事が率いられる希望の党のみなさんとは、政策的にほぼ一致している状況。お互い最大限に配慮をしようとお約束はできた。比例の得票も必要でありますが、小池知事と切磋琢磨しながら改革ののろしを大きくしていきたい」と述べた。

 なぜ、維新の会は希望の党に協力するのか? 『けやき坂アベニュー』(AbemaTV)で、ジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏は維新の会の“思惑”について見解を述べた。

 「維新の会はもともと憲法を変えたい、安倍政権と変わらない立場で、どっち付かずな補完勢力と呼ばれていた。ところが希望の党は改憲すると言っている。希望の党と連携するということは堂々と『改憲』と言えるし、堂々と言った方が地方で選挙戦っている時、維新の会は『改憲しないと北朝鮮危ない』という人に直で訴えることができる。安倍政権は積極的な改憲の雰囲気は出さないように、じわじわと推し進めようとしていた。一方で、小池さんが今すぐ憲法を変えるべきだと主張している。安倍さんの『改憲』という大きな目的をそっくり捉えていく」。

 一方で、モーリー氏は希望の党が大躍進した際の「保守一強」現象を危惧しているという。「希望の党は安倍さんよりも改憲派で、大躍進したら改憲勢力がすごく大きくなる。そうすると、安倍さんとしても希望の党が勝ってもまんざらではない。希望の党は脅威である一方で、都合のいい存在でもある。維新の会にとっても希望の党が輝いている限り、改憲と言える。民進党の人たちは、小池さんのイエスマンになっている状態だったら改憲に対して何も言えない。護憲を主張する人は負け組、改憲派が勝ち組に見えるムードを小池さんがリードする、事実上の“保守一強現象”が起きている。小池さんの人気だけで改憲していいのか、そういう憲法の変え方で日本の国民は良いのかという新たな課題が出てくる」と語った。

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 小池氏は選挙に出るのではないかと噂されているが、実際のところどうなのか。テレビ朝日・国会キャップの有馬央記氏は「論理的には出ないといけない。小池さんが新党を立ち上げたのも、安倍政権を倒してこっちに過半数を持ってこようという考え方。頑なに出ないと言っているのは、流れを見ているのだと思う。希望の党と維新の会あたりで過半数くらいを取れる、自民党と公明党が過半数割れをするという流れ。私が総理になれるかもしれないという流れを見ている」との見方を示す。

 加えて、「与党が過半数を取るギリギリのところまで追い詰めるとすると、自民党のある派閥が(希望の党に)出てくる可能性もある。つまり、確実にいけるだろうと思わないと出ない。いくら躍進しても150議席だったとしたら野党。そうなると今のまま都知事をやっていく。オリンピックの時の都知事をやっていた方が良い」と述べた。

 また、モーリー氏はメディアの報道に警鐘を鳴らす。「舛添さんが公用車を使ったことをメディアがさんざん叩き、お祭りにしておもちゃにした結果、小池都知事に変わった。今年の前半、森友学園と加計学園の問題などでメディアがこぞって安倍政権を叩き続けた。結果、安倍さんや夫人も含めて感じの悪い印象を作ってしまい、そこに小池さんが『私は感じが良いわよ』と出て来た。次は、メディアは小池さんをたくさん映す。メディアがこういうゴタゴタの加速装置になっている」と意見を述べる。

 さらに、それを見る視聴者や有権者のスタンスにも言及。「そのメディアを見て、面白がっている視聴者や有権者にも問題がある。安倍さんと小池さんの会見や政策をしっかり比べると、小池さんは手のひら返しを何度もしている。けれども、安倍さんは一貫している。一貫した人の方が、将来の安全を考えた時にいい選択なのではないかを考える暇をテレビが与えない、つまりお祭り政治。お祭り政治になってしまった結果、アメリカではトランプ大統領が生まれた。だから、日本でもトランプ現象を本当に起こしてもいいのかということを、メディアと国民は今一度考え直してみてほしい。小池さんはエンターテイメントを提供しているが、安倍さんはエンターテイナーとしては下手。そのからくりも有権者は見ておくべきだと思う」と述べた。

 実際のところ「今まで出馬しない」と言ってきた人の中で意見をひっくり返した人はいるのか。有馬氏は「橋下徹さんは(大阪府知事選に)2万%出ないと言っていたが出た。事例はある」と話した。

(AbemaTV/『けやき坂アベニュー』より)

『けやき坂アベニュー』は毎週日曜日 12:00~14:00「AbemaNews」チャンネルにて放送!

けやき坂アベニュー | AbemaTV(アベマTV)
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