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 所属していた衆議院議員の大半が希望の党に合流した民進党。現在、政党交付金や寄付などを合わせ、約150億円の資金があるとされている。民進党の小川敏夫参議院議員会長は「結論から言うと、民進党の資金を希望の党には渡さない。希望からもいらないと言ってきたそうなので渡さない。民進党の公認内定者には希望にいく人もいかない人にも一律に活動資金を支給しているので、それは支給し終わっている。ただそれ以外にも相当な資金が党に残る」と述べている。

 しかし、実は合流話が持ち上がる前に民進党が公認を内定していた人に対しては、一律1500万円の活動資金が支給し終わっていた状態だった。結果として希望の党、立憲民主党、そして無所属で立候補する人も受け取ったこの資金。民進党出身者を100人以上公認している希望の党には、実質的に5億円以上が希望の党に転がり込んだことになる。使い道は原則的に自由だが、希望の党に合流した公認候補の場合、党に対し200万円の寄付と、小選挙から出馬する場合は供託金300万円を納めなければならず、立ち上がったばかりの希望の党にとっては渡りに船だろう。

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 7日放送のAbemaTV『みのもんたのよるバズ!』に出演した民進党の小西洋之参議院議員は「私は総務省で政党助成法の担当をしていた、日本に10人もいない専門家だ」と胸を張る。

 「正確に言うと、昨年から引き継いだものが54億円、今年新しくもらえるのが87億円ある。足すと大体、報じられているくらいの規模になる。9月半ばに解散の動きがあったので、ビラを印刷したり、看板を作ったりと、何百万円というお金が必要になるので渡した。私はお金の配分に関わったが、政党助成法違反にならないようなやり方をした。だが、ちょっと大丈夫かな、という心配はある。この法律は、政治活動の自由を守るために政党交付金の使い道に制限を加えてはいけないとわざわざ条文に書いてある。基本的には何にでも使える。しかし、政党交付金はあくまで民進党の政治活動のために国民の皆さんからいただいた税金。それを全く違う政党での活動や選挙のお金として使うことは、法律の考え方とは違う。希望の党の供託金300万円に民進党本部からもらった政党交付金を使ったんだったら法律違反になる可能性はある。ただ、そういう使い方はしないということで渡した」(小西議員)。

 その上で小西氏は「民進党と希望の党の綱領は全く違う。矛盾する。矛盾する綱領を掲げる政党の候補者に民進党の政党交付金を使うのは法律違反だと思う。しかし、立憲民主党は民進党の綱領や政策を基本的には引き継ぐと言っている。今回の経緯はご存知のように、希望の党から排除された人たちが作った。もちろん行かない方もいっぱいいるが、そういう方々も民進党の政治理念を守るために使う場合は、個々のケースだと思う」との考えを示した。

 小西氏の発言を受けて、自民党の青山繁晴参議院議員は「小西議員の発言はものすごく重要。総務省で担当された責任感でおっしゃっていると思うが、(希望の党には)使っていないと言いつつもわからない」と指摘した。

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 政党交付金の受け取りを拒否しつづけている日本共産党の田村智子参議院議員は「政党交付金の矛盾点が象徴的に現れてしまった」と話す。

 「既存政党はそうやっておカネを受け取って、いわば税金で選挙ができる。希望の党の肩を持つわけではないが、新たに政党を作って選挙に挑もうというのは国民に保障された権利だが、新たに政党を立ち上げて選挙に出ようという人は全く自らのおカネで出なければならない。政党助成法、政党交付金というのは、政治参加の平等を根本から覆すような制度だということが明らかになった」(田村議員)

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 民進党は解党したわけではなく、「地方議員、参議院議員、そして前原代表や無所属で立候補される方々で民進党に党籍がある少数の(前)衆議院議員からなる政党」(小西議員)として現在も存続している。小西議員は再度「民進党からもらった政党交付金で供託金を払ったという人は聞いたことがない。そんなバカなことはするはずがない。民進党として政党交付金を渡す段階で、そういう使い方をするものではないということをちゃんと言っている。各候補者は聞かれたら説明するべきだと思う」と反論。すると青山氏が「『そんなバカなことをするはずがない』では法律はいらない。(使途が公開される)来年の9月に違法な使い方をしていたとなったら問題だ。国民一人あたり250円のお金が使われている。その使い道が不明瞭だったとしたら、希望の党という名前と相反するのでは」と指摘。(AbemaTV/『みのもんたのよるバズ!』より)


▶次回『みのもんたのよるバズ!』は14日(土)20時から生放送!

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