スーパー歌舞伎セカンド「ワンピース」（東京・新橋演舞場）に出演中の市川猿之助が、9日に左腕骨折の重傷を負い休演した。衣装と共に左腕が舞台装置に巻き込まれたという。
主役のルフィと人気女性キャラクター「ハンコック」の2役のほか、演出も手がけた猿之助の事故に対して、共演者らが自身のブログにて続々とコメントを寄せている。
白ひげ役を務める市川右團次は、事故の後にドラマ『陸王』の撮影に向かいながらも「心こころにあらずでした」とショックを隠せない様子だったが、猿之助が公開したボイスメッセージと若手役者たちの奮闘ぶりに励まされたようで、「ガッツ！もう大丈夫…」と、凛々しい白ひげの姿を見せている。さらに同ブログでは、医者のチョッパー役を演じる長男のタケル君の「ボクが本当にお医者さんだったらなぁ～」という微笑ましいコメントも紹介。
タコの魚人「はっちゃん」と軍人「戦桃丸」の2役を演じる市川弘太郎も、「どんなに深い暗闇だとして、明けない夜などありはしない！いつまでも、その闇の中をさすらっていては前に進めぬぞ。猿之助さんが作ったそんな芝居だから。我々は手と手をつないで、団結して頑張ります！」という力強いコメントで己を奮い立たせている。
一方、猿之助演じるルフィと対峙する海軍の女中将「つる」役の市川門之助は、メンバーの団結を象徴するようなエピソードを紹介。
猿之助が病院へ搬送された当日の夜公演、カーテンコールでのこと。2度目のカーテンコールを行うかどうかを、猿之助の代役を務めた尾上右近に託したと明かした。拍手が鳴り止まない中、尾上はなんども「いい？ いい？」と確認しながら2度目のカーテンコールを行なったという。25歳の若さながら、即座にルフィ役を演じきった尾上の謙虚さと、共演者からの信頼を感じる一幕を紹介した。門之助は、「みんなのこの気持ち、病室の猿之助さんに届いたよね？」とブログを締めくくった。
