社会全体が“働き方改革”に注目するなか、働き手のことを考えて労働時間を意識した働き方を実践している企業がある。そんな企業2社の取り組みに『けやき坂アベニュー』(AbemaTV)は迫った。
■就業時間は午後1時~6時の5時間
不動産コンサルティングを行うフューチャーイノベーション。朝9時の時点でオフィスに社員は0人。12時を回っても誰も来ず、1人目が出社したのは12時45分だ。
実はこの会社の就業時間は午後1時から午後6時まで。一般的な会社に比べてだいぶ短いが、5時間勤務で仕事は終わるのか。営業部部長の伊勢崎勇人さんは、「成立するように動く。タイムスケジュールとか仕事の管理は、普通の仕事よりはシビア」と話す。
5時間勤務の意図について、代表取締役の新倉健太郎氏は「5時間勤務だと休憩なくいける。昼食を食べて2時、3時に眠くなる方が多い。そういったことがないので、より集中して時間を使うことができる。どうしても8時間だとだらけてしまう。5時間でできる仕事を8時間でやっている人が多いと思っていた。ダラダラ仕事はさせない」と説明する。
社員全員が休憩なしで5時間止まらずに働いた結果、残業もほぼなく、午後7時以降に社内に残っている人はいないという。パソコンも会社に置いて帰り、基本的に仕事を持ち帰っている人もいない。
人事広報部マネージャーの丸毛玲奈さんは、今年4月に銀行から転職。前職よりも給料は上がり、勤務時間は半分ほどになったという。「働き方はだいぶ変わって日々楽しくなった。(前の仕事の時は)夜、遊びに行っても『早く帰らないと』ってなっていたけど、今はちょっとゆとりができた」と話した。
この会社の社員は全員が転職組。前職で12~15時間働くこともあったという営業部マネージャーの尾上喜隆さんは、時間に余裕が生まれたことで自主的に資格の勉強を始め、キャリアアップを目指しているという。
新倉氏は「会社はギブアンドテイクのギブを先に与えて、それでどんどん効率化していってもらう。あとはうちの会社で『もっと働きたい』と思ってもらえると、人ってより頑張ると思う」と述べた。
■社員の自主性を尊重、創業以来赤字なし
電気・ガス設備資材の製造販売メーカー・未来工業は、「残業ゼロ目標・ノルマなし」「休日140日+有給40日」など、社員に寄り添った労働環境になっている。
転職して3年目の営業部東京営業所の佐久間康さんは、「仕事以外のプライベートの時間が、以前と比べ物にならないくらい増えた。納得できるような職場環境にはなっていると思う」と話す。
一方で、創業以来赤字なしの未来工業で働くには個人の意識が大事だという。「この会社に来て1番思ったのが、自分に厳しくないとだらけてしまうこと。将来、長く働いて何もわからないと自分的にも不甲斐ない」と佐久間さんは話した。社員を大事にする未来工業には、それぞれの自主性を育み会社に貢献する文化が根付いている。
営業部東京支店・支店長の貝沼忠さんは「社員のため、社員の働きやすい環境ということで色々なシステムを考えている。(一人ひとりが)きちんと自主性を持って色々なことが運営されていて、社員の方から(意見などが)上がってきて会社が成り立っていく流れを創業以来続けて今に至っている会社」と述べた。
(AbemaTV/『けやき坂アベニュー』より)