
テレビ番組の収録は番組観覧の客を入れて行う場合がある。そういった形式の番組収録の場合、始まる前に必ず「前説」というものが存在する。前説を番組のスタッフが行う場合もあるが、若手芸人が行うことも多い。
■番組観覧に行かなければ見ることがない「前説」はどういうものなのだろうか。
前説ではまず、その番組がどういう番組なのかの説明が行われ、そして注意事項などが伝えられる。そしてよくあるのが拍手の練習や掛け声の練習、笑う練習などである。番組スタッフが前説を行う場合はこれくらいで終わるが、芸人が前説をするときはこれ以外にエピソードトークを入れる場合もあり、漫才やショートコントを披露するときもある。
前説で重要なのは収録前に、緊張している客を温めることであり、雰囲気が一番いい状態で収録をスタートさせることである。芸人は客を盛り上げなければならず、そこでいろいろと工夫をする。客をいじったり、その番組の演者が裏でどんなことをしていたのかを明かしたりして笑いを誘う。そのため、前説をする芸人にとっては芸を磨く場にもなっているのである。
番組スタッフは前説をしている芸人の客の盛り上げ方、笑いの取り方をよく見ている。そして評価が上がると、その番組や自分が担当している他の番組に演者として呼ぶということもあり得るので、芸人はなおさら力が入る。
■前説をやっている芸人
どういう芸人が前説をやっているのかというと、その番組のメインである芸人の事務所の後輩であることが多い。前説が終わるとそのままの流れで収録が始まるので、前説中はセットの裏で演者が待機しており、先輩芸人は前説をモニターで確認してどんな雰囲気なのかを見ている。そして収録中に前説をやった後輩芸人の話に触れたりすることもある。
テレビで見ることはないのだが、番組収録には欠かせない存在なので、前説もちゃんとした芸人の仕事なのである。そのため、前説芸人にも楽屋が用意されており、お弁当やお茶の用意もされることもある。もちろん、ちゃんとギャラも支払われる。相場は3000円~5000円ほどであり、長くやっていると多少上がることもある。
『ライオンのごきげんよう』(フジテレビ系)の前説を18年半もやっていたお笑いコンビ・アンバランスは前説芸人として有名であった。18年半もやっていたので最初の頃は若手だったのだが、だんだんと『ごきげんよう』に出演するゲストが後輩芸人になっていき、それをネタにしていた。前説を始める芸人がアンバランスに相談しに行くこともあったという。
『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)の前説は有名で、MCのダウンタウンが自ら行っている。これは珍しいパターンであり、そのためダウンタウンの前説だけを収録したDVD「ダウンタウンの前説」が発売されたときは話題になった。
■売れっ子コンビも通った“前説”の道
バナナマンやオードリー、トレンディエンジェルといった超売れっ子コンビも前説の経験をしている。前説芸人にとっての一つの夢は、前説を担当した番組にゲストで呼ばれて出演することである。その番組にゲストで呼ばれたとき「一つ階段を上がったな」と思い、他の番組とは違った感情が出てくるという。
収録ではすべったとしても編集でカットされるだけで済むが、前説はその日の番組収録の良し悪しを左右させる重要な役割を担う。必ず客を盛り上げなければならず、すべることができない。それだけに前説は難しい仕事ではあるが、芸人として力がつく仕事でもあるのだ。
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