
『ティム・バートンのコープスブライド』、『コララインとボタンの魔女』など数々の傑作を送り出してきたストップモーションアニメの最高峰<スタジオライカ>が、日本を舞台に描くストップモーションアニメ『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』。アカデミー賞やゴールデン・グローブ賞、〝アニメ映画界のアカデミー賞″と称されるアニー賞にノミネートされた他、数々の映画賞を総なめにした本作が、11月18日(土)の全国公開より一足早く、第30回東京国際映画祭で特別招待作品として上映された。
今回、スタジオライカよりCFOのブラッド・ヴァルド氏、アニメーション・スーパーバイザーのブラッド・シフ氏、そして本作のプロダクションコンサルタントとして日本文化指導も務めた後藤太郎氏が、実際に撮影で使用した人形と共に上映後に舞台に登場。舞台挨拶とQ&Aセッションを実施し、世界に誇るスタジオライカの職人的こだわり、日本文化を研究し尽くした制作秘話など、世界トップレベルのアニメーション制作現場について語った。

日本を舞台にした本作がついに東京の地で初お披露目!ということで、シフ氏から「この場にいれて光栄です。クボの母国である日本で公開を迎えることができ、夢のようです。」といった喜びを噛み締めるコメントからスタートした舞台挨拶。早速、職人技ともいえる技術で誰もが心底驚かされる映像を創り出すライカのストップモーションアニメの制作スタイルについて聞かれると、「我々がストップモーションで映画を作り続けるのは“情熱”があるから、という一言でしか語れません。昔ながらの技術と新しい技術を組み合わせて作品を作り上げていて、本物の物体(パペットなど)に本物の光があたって表現される映像に勝る技術はないと思っています。」とライカの根底にある強い信念や理念を語ったバルド氏。あえて、CGアニメーションが全盛の時代の今、このスタイルを貫くことについての想いを吐露した。
また、アニメーション・スーパーバイザーとして、約30人もいるアニメーターを束ね、監督とともにアニメシーン制作に携わってきたブラッド・シフ氏は、本作を制作する上で「各チーム、膨大なリサーチを重ねて本作の制作に臨みました。」と語り、「特に衣装や美術はその中でもかなりの時間をリサーチに費やしています。トラヴィス・ナイト監督は黒澤明監督に影響を受けていますし、自分自身、アクションシーンやパペットを動かす時の物腰など、彼の作品を研究して制作しています。」と制作秘話を明かした。
我々日本人が観て嬉しくなるくらい日本を研究している、というのかが伝わってくる映画でもあり、実際に映画を観た観客からは絶賛のコメントが続々と上がっている本作。アドバイザーとして制作に携わった後藤太郎氏に、なぜここまで日本文化を表現することができたのか、その秘密を尋ねると「あくまでもファンタジー作品として、違和感のない世界観を作り上げるため、どうしたら失礼のない表現で忠実に日本文化を描くことができるのか、という部分を意識していました。」と語り、「実際に、衣装チームは日本にきて、生地を自分たちの目で確かめていたりしていて。その際に、イッセイミヤケのプリーツの技術を取り入れたりしたようです。」とライカスタッフ一人ひとりの職人魂が伺える驚きの事実を明かした。

さらに、今回は主演俳優とも言える“クボ”人形も舞台挨拶に登場!劇中で使用したパペットとのことで、ライカの職人達が魂を込めて制作した渾身のパペットの一つでもあり、厳重な保護の下に来日を果たしたクボ。シフ氏曰く、「1秒間に24コマあるから、24回顔やポーズを変えて少しずつ撮影していったんだ。このパペットは鉄やシリコン、ワイヤーやプラスチックなど様々部品を組み合わせて作っているんだよ。」とパペットについて解説。さらに、「ワイヤーが入っているからポーズも動かせるし、顔の表情なんかたくさんある顔のパーツをはめ変えて多くの表情を表現しているんだ。」といって実際に舞台上で実演までしてくれる大サービス!着物の縫い目や髪の毛といった細かい部分まで作り込まれたかなり繊細なパペットを使っての実演ということで、会場に集まった観客から驚嘆の声が上がるなど会場は大盛り上がり。想像を絶する膨大な時間と労力を本作の制作に費やしてきたという驚愕の制作秘話を明かした。
観客からのQ&Aが始まると、「なぜ三味線だったのか?」「折り紙のアイディアはどこから?」といった質問が飛び交い、その都度、「弦が3本あることが大事なんだ。映画を見てくれればわかると思うよ。」や「コンセプトを聞いた時から折り紙というアイディアはあったんだけど、まだ未熟だったクボが冒険を重ねることでその力をコントロールしていくという様子も映画の中で描くようにしたんだ。」と答えるなど、多くの質問を投げかけられながら丁寧に回答する登壇者たち。そんな中、まさかの“久保さん”を名乗る観客から絶賛のコメントが!続けて「サトウやヤマダという数の多い名前ではなく、なぜクボだったのか?」という主人公の名前の由来を聞かれると、「実は、この作品のコンセプトは『コララインとボタンの魔女』のキャラクターデザイナーからあがってきたんだ。こんなアイディアがある、という話を聞いた時、彼の友人のニックネームが“クボ”だったから、そこから名前をつけたんだよ。」とシフ氏。主人公“クボ”の驚きの名前の由来を久保さんに聞かれる、という珍事件まで。あっという間に舞台挨拶終了の時間となってしまい、最後のフォトセッションのタイミングには、クボ人形を使ってお茶目な仕草をするなど、ユニークな一面も見せた。
上映直後に行った舞台挨拶が終了すると、SNS上ではいち早く観た観客から絶賛のコメントも続々とあがっている本作。公開は11月18日(土)ロードショーとなっている。
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