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 26日の衆院各派協議会で、自民党は特別国会を来月1日~8日の間で開くと提案。しかし実質的にはわずか3日間ということもあり、「審議をするのに十分な時間とは言えない。逃げだ」(立憲民主党の辻元国対委員長)、「選挙で勝っちゃったから、“モリ・カケ”問題もこれで国民から了承を得たなんて思ったら大間違いだ」(無所属の会の福田衆議院議員)など、野党議員からは批判が噴出。代表質問などの実質審理を野党側が求めたのに対し、自民党は外交日程などを理由に拒否した。与党は憲法の規定に基づいて野党が要求している秋の臨時国会も開かない方向で、年明けまで7カ月も本格論戦が行われない"異常事態"となる見通しだ。

 批判を受けた安倍首相は27日、特別国会の会期を延長、代表質問などの実施を検討するよう指示。しかし同日、菅官房長官は記者会見で与党2・野党8という質問時間の配分見直しについて問われると「各会派に議席数に応じた質問時間の配分を行うべき。こういう主張は国民の皆様からすれば、もっともな意見だ」と回答。結局、野党が質問できる時間は減られることになりそうだ。

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 27日放送のAbemaTV『みのもんたのよるバズ!』に出演した希望の党の渡辺周・衆議院議員は「菅官房長官が言うように質問時間を議席数に応じた配分にしたら、自民党の284分に対し、立憲と希望はそれぞれ50分程度になってしまう。野党には質問させない、“モリ・カケ”の問題聞かれるのは嫌だ、ということ。言っては悪いが与党にだけ想定問答みたいな質問だけさせようということ。我々野党が国会内においては共闘して、野党の時間を確保しようとするのは当たり前だ」と話す。

 「多数を獲ったら、あっという間にこういう結果になる。希望の党の色々な発言が取り上げられるが、それよりもやはり一強体制をメディアに監視してもらい、強く糾弾する時はして、世論を焚き付けてもらわないと」と、報道機関の役割の重要性も強調した。

 ジャーナリストの鈴木哲夫氏も「これはやっぱりまずいと思う。過去、小泉元総理の時にも秋の臨時国会を開かないことがあったが、それでも代表質問や所信表明演説などはちゃんとやっていた。そもそも夏に改造内閣をやってから、仕事人と言われた閣僚たちはまともに答弁に立っていない。やはり異常事態だ。臨時国会をやるべきだという意見が自民党の中からも出てくるべきだ」と指摘した。

 これに対し自民党の平沢勝栄・衆議院議員は「自民党の中でも両方の意見がある。ただ、やはり外交日程が非常に混んでいるので、特別国会延長か臨時国会開会、あるいは閉会中審査をやるとか、何らかの形で質問時間を増やさなければならない。それに、野党の時間を減らすのはどうかと思う」と説明した。

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 コラムニストの吉木誉絵氏は「民主主義において重要なのは、野党の存在だ。与党の案に対して野党が別の視点から問題提起をすることによって、政策はブラッシュアップされたものになる。それが国民にとっての幸福にもつながる。しかし、今年の国会の議論でそれが果たされてきたのかについては疑問だ。野党の先生方には現実的な議論をぜひお願いしたい」と力説、「愛媛県の加戸前知事が民主党時代から獣医学部新設を訴えてきた経緯、新設が本当に日本にとって必要なのかもふくめて議論すべきだ」と指摘した。

 渡辺氏は「森友問題、加計学園問題も、数字が取れないとなるとメディアは取り上げてくれなくなる。与党の側も、はぐらかしていればそのうち飽きるというのを見越した高等戦術なのかもしれない。しかし、与党が真摯に答えないから、何回でも同じ質問を聞く。同じことを答弁して諦めさせようという政府与党側の手法でもあると思う。"そればっかりやって"と言われるけれど、我々は真実を喋って欲しいからやっている」と説明、「予算委員会や本会議で“モリ・カケ”をやった時にはメディアも来るが、私が所属している外務委員会などには、『こんな質問するからぜひ取材してください』などと記者さんに言わないと、本当に一人もきてくれないことがある。そうすると"国会でお前何やってんだ"と言われる。ほとんどの議員が政策を議論をして質問の中身を作って、しょっちゅうバッターボックスに立っているのだが、ほとんど取り上げられない。やはりぜひ伝えるべきところは伝えてほしい」と訴えた。

 こうした議論を受け、司会のみのもんたは「通年国会というのも考えたほうがいいし、国会の審議を常時放送する放送局が生まれてもいいのではないか」とコメントしていた。(AbemaTV/『みのもんたのよるバズ!』より)


▶次回『みのもんたのよるバズ!』は11月4日(土)夜8時~生放送!

みのもんたのよるバズ! | AbemaTV(アベマTV)
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