公開前のマスコミ試写は連日満席で、映画関係者の評価も高い映画『南瓜とマヨネーズ』。国内外で高い評価を受ける冨永昌敬監督作品の中でも最高傑作との評価も散見するなど、早くもこの秋見逃せない一本として各方面から注目を集める本作が今週末11月11日(土)に公開となる。今回、アーティスト・俳優・映画監督など各界の著名人から本作を鑑賞しての感想コメントが寄せられた。

漫画原作の実写映画化の際には、多かれ少なかれ賛否両論となるのが昨今の映画界において付き物ではあるが、こと本作においてはキャラクターのビジュアルが出る以前から、原作ファンを中心に「ぴったりはまるって表現が合いそうな納得の人選」「わかるわ~~って感情をドンピシャついてくるキャスティングが素晴らしい!!」とキャスティングを絶賛する声に溢れていた。
臼田あさ美が出演した映画『愚行録』で知られる映画監督・石川慶は「キャストが絶妙すぎて、これが漫画原作であることが不思議なくらいだ。」と鑑賞してもなお変わらぬキャスティングの妙を絶賛。年間500本の鑑賞数を誇る映画マニアであり、2015年に「山田孝之の東京都北区赤羽」(15/TX)では東京ドラマアワードの演出賞を受賞したドキュメンタリー監督・松江哲明は「役者が発する音、呼吸、そして町の声が愛しい記憶を刺激する。それは彼らがちゃんとスクリーンの中で生きていたから。この「ちゃんと」が味わえる日本映画、けっこう久々。」と、単に漫画原作の作品に止まらず、日本映画の系譜になぞらえる良質な空気を纏った作品の質を絶賛している。
恋に傷ついた女性の心情を赤裸々につづった歌詞と、骨太なロックサウンドが10代20代の女性に人気を集めるガールズバンド・yonigeのボーカル・ギター牛丸ありさは「まったく同じ体験をしたことがあるわけではないのに、心の古い部分がグッと締めつけられる。登場人物の気持ちがわかっちゃうこと、内緒にしたい。」と共感の声を送り、冨永監督をはじめ本作の劇中歌制作・音楽監修を務めたやくしまるえつことも親交の深い映画監督・瀬田なつきが「その瞬間、どこか懐かしくもどかしい、不器用な今と過去が混じりあい、その歌声に、こぼれる涙に、びりびりした。」というように、本作は人知れず心にしまっていた懐かしい感情を呼び起こす。女優・武田梨奈は「痛々しい感情と愛情がじわじわと突き刺さりました。今年一の恋愛映画です。」と決してキラキラした青春の恋愛物語ではない本作に、“今年一の恋愛映画”との太鼓判を押した。

主人公・ツチダ(臼田あさ美)の恋人せいいち(太賀)は曲が書けないスランプに陥ったミュージシャンで、同棲するツチダに生活支えられながら、自身の理想と現実の間で葛藤する。その姿は今や第一線で活躍するミュージシャンたちが、実際に下積み時代に経験した記憶を呼び覚ますようなリアリティがある。思春期の甘酸っぱい胸のドキドキを歌い、熱狂的なファンに支持されるロックバンド・銀杏BOYZのボーカル・ギター峯田和伸は「自分のバンドがうまくいきだして、支えてくれてた彼女に泣かれてビンタされた2000年の三軒茶屋の路上にこの映画はありました。俺はもうだめだと思いました。」と音楽での成功と引き換えに、恋愛では苦悩した体験に思いを馳せる。
かたや2009年より”ハチ”名義でニコニコ動画へオリジナル曲を投稿し始めたことから注目され、一気にスターダムへと駆け上がり、今や10代・20代の若者から絶大な支持を得るミュージシャン・米津玄師は、「ミュージシャンとして燻るせいいちの姿は他人事とは思えず、同じミュージシャンとして感じることがたくさんあった。懐かしさや恥ずかしさやバツの悪さ、いろんな感情を引き出されながら、どうしようもないなと眉をひそめつつも、ああいう重力の下でしか生きられない彼らをやっぱり愛おしいと思えてしまう。」と生みの苦しみと戦う、せいいちの葛藤への共感を語る。
11月11日(土)発売の映画公式パンフレットには原作者・魚喃キリコと冨永監督の4000字を超える対談のほか、クリープハイプのボーカル・ギター・尾崎世界観から自身の作品世界に多大なる影響を与えたという魚喃への手紙形式の寄稿文を掲載。尾崎がミュージシャンとして駆け出しのころに自身のライブに観客として訪れていた魚喃との出会いを振り返り、奇しくも同じタイミングで手にした原作「南瓜とマヨネーズ」に当時の自身の生活を重ねていたことを語っている。

▼著名人コメント一覧
自分のバンドがうまくいきだして、支えてくれてた彼女に泣かれてビンタされた2000年の三軒茶屋の路上にこの映画はありました。俺はもうだめだと思いました。
ーー峯田和伸(銀杏BOYZ)
とても静かな映画だった。ミュージシャンとして燻るせいいちの姿は他人事とは思えず、同じミュージシャンとして感じることがたくさんあった。懐かしさや恥ずかしさやバツの悪さ、いろんな感情を引き出されながら、どうしようもないなと眉をひそめつつも、ああいう重力の下でしか生きられない彼らをやっぱり愛おしいと思えてしまう。
ーー米津玄師(ミュージシャン)
キャストが絶妙すぎて、これが漫画原作であることが不思議なくらいだ。
むしろ、臼田あさ美のドキュメンタリー映画と言ってもいいくらい、彼女のすべてがリアルだった。
ーー石川慶(映画監督)
まったく同じ体験をしたことがあるわけではないのに、心の古い部分がグッと締めつけられる。登場人物の気持ちがわかっちゃうこと、内緒にしたい。
ーー牛丸ありさ(yonige)
東京の街のアパートの小さな部屋から、音楽が生まれる。その瞬間、どこか懐かしくもどかしい、不器用な今と過去が混じりあい、その歌声に、こぼれる涙に、びりびりした。
ーー瀬田なつき(映画監督)
痛々しい感情と愛情がじわじわと突き刺さりました。今年一の恋愛映画です。
ーー武田梨奈(女優)
臼田あさ美、泣き笑い、最高だす。
ーーホンマタカシ(写真家)
役者が発する音、呼吸、そして町の声が愛しい記憶を刺激する。それは彼らがちゃんとスクリーンの中で生きていたから。この「ちゃんと」が味わえる日本映画、けっこう久々。
ーー松江哲明(ドキュメンタリー監督)
人はどうしようもないほどダメな人間に、どうしようもないほど懸想する。それがダメだと判っていても何故かなびいてしまう、それが女と男なのだ。
ーー松崎健夫(映画評論家)
臼田あさ美演じるだめっぷりはんぱない女と、臼田あさ美自身、いい女はんぱない成長ぶりに驚かされっぱなしの映画でありました!
ーーみうらじゅん(イラストレーターなど)
今より少し贅沢な普通、そんな控えめな夢でさえ日常の輝きを見失う。この映画に今を振り返れとツネられた気がしました。
ーー矢本悠馬(俳優)
とても静かな映画だった。ミュージシャンとして燻るせいいちの姿は他人事とは思えず、同じミュージシャンとして感じることがたくさんあった。懐かしさや恥ずかしさやバツの悪さ、いろんな感情を引き出されながら、どうしようもないなと眉をひそめつつも、ああいう重力の下でしか生きられない彼らをやっぱり愛おしいと思えてしまう。
ーー米津玄師(ミュージシャン)

