タレントでコラムニストのマツコ・デラックスさんが入院した。テレビで見ない日はない人気者が画面から消えたことで、大きな話題を呼んでいる。
所属事務所によると、マツコさんは数日前から風邪の症状とめまいを訴え、10日に診察を受けたところ、三半規管に菌などが入った「めまい症」と診断され、そのまま入院となった。現在、マツコさんは１日１回の点滴と食事の際に薬を飲んで治療しているという。所属事務所は、症状を見て早ければ14日にも退院させる意向を示している。
「脳検査などもおこなったが異常はなく、一人暮らしのため万が一のことがあったら困るので、大事を取って入院させた。本人は食欲もあって本当に元気。このところ寒暖の差が激しかったから、それが影響しているようだ」（所属事務所）。
街では「ショック。いつも元気な姿しか見ていなかったので」「知らなかった。なんか菌が入ったみたいな」「売れている方だし、私も見たいので早く回復して出て欲しい」といった声が聞かれ、人気タレントを襲った突然の「めまい」に驚いている様子だった。
厚生労働省の調べでは、1000人あたり男性でおよそ13人、女性でおよそ30人にめまいの自覚症状があるという。また、人口1000人あたりでは、1998年に男10.9人・女26.7人であったのが、2016年には男13.2人・女30.2人と増加している。
街で話を聞くと、「よく立ちくらみとかめまいを起こすことは結構頻繁にある。立ったり座ったりするときとか」（20代 会社員）、「私はないけど、私たちの年頃になると結構めまい持っている人がいて、立ちくらみとか結構多くいる」（60代 主婦）、「（友人が）持病みたいな感じでたまに偏頭痛があって、めまいもあるみたいな。通学の時とか、電車で途中降りたりとかしている」（20代 大学生）など、めまいや立ちくらみに悩んでいる人は少なくないようだ。
そもそもめまいとは、三半規管など、身体のバランスを保って姿勢を維持しようとする機能に障害が起こることだ。原因は大きく分けて、耳から生じるものと、脳から生じるものの２種類があり、耳の規管が原因でめまいを引き起こす大きな病気は前庭神経炎の他に、メニエール病や突発性難聴がある。この２つは回転性めまい（グルグル）と同時に耳鳴りや難聴、吐き気を引き起こすため、早急に耳鼻咽喉科の受診が必要になる。同じく回転性めまいの症状には、脳血管障害や脳腫瘍なども含まれる。脳が原因で起こるめまいは、同時に手足のしびれ、ものが二重に見えたりするなどの症状を引き起こし、場合によっては脳卒中やてんかんの恐れもあり、十分な注意が必要だ。
また、動揺性めまい（フラフラ）・浮動性めまい（フワフワ）には、眼科性疾患や歯科的疾患、婦人科的疾患などが含まれるという。
耳鼻咽喉科の専門医・慶友銀座クリニックの大場俊彦院長は「ろれつが回らなかったりすると頭が原因の可能性もある」と指摘する。「中枢性の可能性があるのですぐに病院に行ってちゃんと検査する必要がある」とし、「聞こえなくなってしまったという場合も、耳の神経は悪くなると治らないので、そういう場合も早く来てもらって、薬を飲んだほうがいい」と話す。
「マツコさんの場合、風邪を引いた後に起こりやすい前庭神経炎という病気なのではないか」と指摘する。「前庭神経という、体の情報を頭に送る部分がやられてしまって、うまく体の情報が頭に回らない状態になる。強いめまいが４日～１週間くらい続く。炎症がなくなってくると、軽い、ふわふわしためまいが続くことはある」。
街の人が挙げた、めまいと立ちくらみの違いについて大場医師は「病院に行ってちゃんと症状を見て検査しないと、はっきりとは言えない」のだという。重大な疾患の前兆の可能性もあるめまい。大場医師は「症状が続くようだったり、聴力も左右差が変にある場合は、中枢性の可能性もある」と、医療機関での検査の重要性を訴えた。（AbemaTV／『AbemaPrime』より）
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