世界的なお化け屋敷プロデュース会社とタッグ、山梨県小菅村の“ホラー”村おこしが大成功 | 経済・IT | ABEMA TIMES

　一人称視点で遊ぶロールプレイングゲームの「ゲーム実況」をしているかのような動画が話題となっている。ゲームの名前は「KOSUGEMURA OF THE DEAD」だ。

　ゾンビが街を歩くホラーゲームさながらのオープニングから始まるこの動画は、「ビッグショー」を名乗る人物の“実況”付きで進んでいく。男性・女性のプレイヤーを選択してスタートし、「村長と話をする」「武器を手に入れる」「クマを倒す」などのミッションをこなしていくが、途中いきなり現れるゾンビに襲われ「YOU ARE DEAD」（ゲームオーバー）となる。

　「続きは、小菅村（リアル）でやろう」で締めくくられているこの動画。実は、山梨県の小菅村が村おこしのPRのために作ったものだ。登場する村長や学校の先生・生徒などは実在の村民が担当している。

　動画の最後に出てきた「続きは、小菅村（リアル）でやろう」とはどういうことなのか。『原宿アベニュー』（AbemaTV）では、11月4日に小菅村で行われた「大地の恵みまつり」の中のイベント「ゾンビ村コスゲ　プレミアモード」に参加した。

■「ゾンビ村コスゲ」で参加者は例年の倍に

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　小菅村は、新宿駅から電車とバスで約2時間半のところにある、多摩川の源流を中心とした自然に囲まれたのどかな村だ。村の人は小菅村の魅力を「（村民が）親切だったり、人情味があるところ」「自然、それが一番。電車もないし信号も1つだけだし」と話す。

　そんな小菅村で4日に行われたのが、今年で20回目を迎える「大地の恵みまつり」。毎回好評のヤマメの塩焼きや、今年から始まった特設ステージでのパフォーマンス、そして今回はゾンビに扮した村人たちが出迎える。

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　ゾンビがいる今年のイベントについて、村の人は「ギョッとした。お化粧したらこんなになるの？って。小菅村は行き止まりで何もないところだから、こういうイベントをすることによって都内の方からも来てもらえる。今日は大成功だと思う」と話す。

　また、村長の舩木直美さんは今回の村おこしについて、「村民のみなさんがやっているということで、本当に村民一人ひとりが主人公というかたちで、今回のお祭りをやっている状況。統一的な意識を持って、この村をどうしていこうかをこういうイベントで語り合う、そういうことに繋げていきたいと思っている」と語った。

　そんな、村が一丸となって行うお化け屋敷「ゾンビ村コスゲ」の舞台となったのは、小菅村の中心地「小菅の湯」と道の駅一帯だ。

　お化け屋敷は、まず道の駅の駐車場からスタート。車に乗り、運転手と一緒に行方不明の村民を探すことになる。暗闇の中、村民を発見し車に戻るとゾンビに襲われ、車内に響き渡るスタッフの悲鳴。さらに、山林コースを抜けて建物の中へ避難するが、館内もゾンビで溢れかえっている。村のゾンビ感染を止めて欲しいとお願いされ、ゾンビだらけの館内を探索。感染を食い止めるために必要なコードを発見・解読し、数字を入力したらクリアだ。

　体験したスタッフからは「めっちゃ怖かった」「はぐれそうになった」との声があがった。

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　イベント終了後、広間に続々と集まってくるゾンビ役の村の人たち。ゾンビ姿のまま打ち上げが始まり、参加した村の人は「大地の恵みまつりはこれまで全部参加しているが、今までで一番最高。いつもとは違う村おこしをまたやってほしい」と楽しんだ様子だ。

　今回のイベント参加者で最高齢・79歳のゾンビも「小菅村の若い人たちが村おこしのために、若い人を呼ぶために一生懸命になっているから、私としてもこの村を大勢にしてもらって、いいところだって言ってもらいたいから参加した」と話し、村長が思い描いた「村人全員が主人公」の今回の村おこしは、大成功で幕を下ろした。