外食産業の悩みの1つ“人手不足”。その解消や新たな働き方改革の1つとして、ある変わった取り組みを行う新店舗がオープンした。

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 11月6日、ロイヤルホールディングスが東京・馬喰町にオープンさせたのは「GATHERING TABLE PANTRY」。店内に特に変わったところは見られないが、注意を促されたのは「現金が使えない」こと。このお店では“キャッシュレス化”に取り組んでおり、支払いはクレジットカードや電子マネーで行う。さらに、複数人で訪れた際には割り勘をした状態で会計をすることもできる。

 この完全キャッシュレス化は、あくまでも働き方改革の一環として導入されたものだ。ロイヤルホールディングスの野々村彰人常務取締役は、「レジを締めるという作業がなくなったので、閉店後の大きな業務がなくなった。そういう意味では働き方としては変わってきた」と導入の意図を述べる。

 店長などが行うレジ締め作業は通常40分から1時間程度の時間がかかるが、キャッシュレスにすることで負担の軽減につながる。GATHERING TABLE PANTRYの店長は、「今の時点で、店舗がクローズしてから30分くらいで帰れている。どんどんそういった面では働きやすくなっていくのではないかなと思っている」と話した。

 今後、日本でも進んでいくとみられるキャッシュレス化だが、海外ではどれほど普及しているのか。経済産業省の「キャッシュレスの現状と推進」によると、2015年の日本のキャッシュレス決済比率は18%、韓国は54%、中国は55%、アメリカは41%で、日本は周りの国に比べて遅れている。

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 キャッシュレス化が急速に進んでいる国が中国だ。海外メディアによると、中国人の7割以上が普段の生活で「現金を持ち歩かない」と回答したという。いくつかある決済方法の中でも広がりを見せているのが「QRコード」決済。家賃の支払いや医療機関はもちろん、無人のコンビニでも使用できるという。

 そんななか、キャッシュレス化に対する国内の声を聞くと次のような意見が聞かれる。

 「(クレジットカードを)大人になっても持たないかな。怖いし…やっぱり現金がいい。なんか安心感がある。形あるものが好き」(20歳・女性/アパレル業)

「現金は面倒くさいし、カードの方がパッパって済ませられるから楽だと思います」(19歳・女性/短大生)

「いまインバウンドが注目されているので、その点ではいいかなと思いますね」(25歳・男性/デザイナー)

 賛成の声もあるなか、なぜ日本でキャッシュレス化が進まないのか。ジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏は、日本における現金への“信頼度の高さ”をあげる。「例えば中国では、高額紙幣だと偽札だったりする可能性があるんです。アメリカだと、100ドル以上を持ち歩いていると盗まれる危険性がある。キャッシュを持ち歩かないのは『怖いから』といった風土の違いなんです。日本のキャッシュレス化が遅れているのは諸刃の剣で、治安がいいので国内の現金に対する信頼度が高すぎる。一度確立したものを変えることには抵抗がある。だから、キャッシュレス化の遅れはそこまでの信頼度を確立した成功体験でもある」と見解を述べた。

(AbemaTV/『けやき坂アベニュー』より)

『けやき坂アベニュー』は毎週日曜日 12:00~13:30「AbemaNews」チャンネルにて放送!

けやき坂アベニュー | AbemaTV(アベマTV)
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