大手化学メーカー・東レは28日、子会社の東レハイブリッドコードがタイヤの補強材などの製品データを改ざんしていたことを明らかにした。
データの改ざんは8年間で149件にのぼり、出荷先は国内ほぼ全てのタイヤメーカー13社に及ぶ。昨年7月に実施した社内アンケートで不正が発覚し、東レは10月に事態を把握したが1年以上それを公表していなかった。
東レの日覺昭廣(にっかく・あきひろ)社長は、経緯について「(今年の)11月初めにインターネットの掲示板で書き込みを確認。それに関して何件かの問い合わせがあった。噂として流れるよりも正確な内容をご説明すべきである」と説明。さらに、今回の改ざんが法令違反ではないため「神戸製鋼、三菱マテリアルと続いている一連の問題がなければ公表しなかった」という認識を示した。
NY州弁護士の資格を持つ山口真由氏は、東レのデータ改ざんが法的に報告義務のある金額に該当していない点に触れつつ、「こういう時の対応というのは、自社の倫理や基準ではなくて、人からどう見られるかという基準で事実確認をして対処しなければいけないというのは、コンプライアンスの鉄則のはず。それが随分言われるようになっているのに、東レのような大企業でその認識すらなかったのは驚きを覚える」と苦言を呈する。
また、日覺社長の「一連の問題がなければ公表しなかった」「法令違反があれば公表する。安全上の問題が見つかっていない」との認識に、「企業は法律を守っていればいいのかというと、法律は最低限のラインで、そこを守れないと刑事罰などの話になってくる。企業は法律以上に社会に対する責任があるんじゃないかと思う」と指摘した。
(AbemaTV/『けやきヒル’sNEWS』より)