シリーズ全世界累計7,000万部超の大ベストセラー、月刊『少年ガンガン』(スクウェア・エニックス)で連載された荒川弘による国民的人気コミックを実写化した映画『鋼の錬金術師』は、幼き日に最愛の母親を亡くした兄・エド(山田涼介)と弟・アル(声:水石亜飛夢)の波乱に満ちた旅と成長のストーリー。
本作で、エドとアルの兄弟の幼なじみ役のウィンリィ・ロックベル役を務めるのが女優の本田翼。原作コミックの大ファンだという本田に、「ハガレン」の魅力、原作ファンならではの劇中の推しポイント、そして初共演となった山田涼介との撮影エピソードを語ってもらった。
■"ハガレン"が好きすぎて「当時からウィンリィ像が出来上がっていました」
ーー映画『鋼の錬金術師』は、大人気コミックを実写映画化した作品ですが、オファーがきたときはどのようなお気持ちでしたか?
本田:「ハガレン」は小学生の頃、連載が始まった当初から読んでいた作品だったのでオファーをいただいたときはとても嬉しかったです。でもその反面、原作ファンの方が多いことも知っていたので「私で大丈夫かな?」という不安もありました。
ーー人気コミックの実写化ということでプレッシャーを感じたと思うのですが、その中でどのようなことを意識しながらウィンリィのキャラクターを作り上げていったのでしょうか?
本田:わたし、漫画はもちろん、アニメもずっと観ていたくらい「ハガレン」が大好きで、当時からウィンリィにたいするイメージが出来上がっていたんです。だから新たに何かを考え込んで作り上げるというよりは、その頃の、演技のお仕事をする前の私が自然と描いていたウィンリィのイメージを大切にしました。明るく、元気で、エドとアルを叱っているような…そんなウィンリィ像を意識しました。
(C)2017 荒川弘/SQUARE ENIX (C)2017 映画「鋼の錬金術師」製作委員会
ーーウィンリィが登場するシーンは、重いお話や戦闘シーンが多い作品の中で、ほっこりするというか、とても心が安らぐシーンになっていた気がします。
本田:そうなんです!監督とも「ウィンリィが出てくるシーンは、明るくなるといいですよね」というお話をさせていただいて。ウィンリィは作品の中でも、みんなを照らすような存在になればいいなと。
ーーなるほど。演じてみてウィンリィとご自身が似ているなと感じる部分などはありましたか?
本田:うーん…明るいところかな?うふふ…(笑)。
■リアルな幼なじみ感は「エドが山田くんだったから出せたもの」
ーー本田さんは、主人公・エドを演じる山田さんとは初共演ですよね。
本田:初共演です。でも実は、作品に入る前にプライベートでたまたま遭遇したことがあって…(笑)。
ーーすごい偶然!
本田:そのとき、山田くんはイヤホンをつけてゲームをしていたので声をかけようか迷ったのですが(笑)、トントンって肩を叩いて「ハガレン、よろしくね!」と挨拶しました。
ーー現場でご一緒した印象はいかがでしたか?
本田:すごく芯がある方です。エドにたいして、まっすぐに向き合っている姿はさすがだなぁと思いました。
ーー山田さんも、本田さんと同じく原作コミックのファンなんですよね。
本田:はい。なので撮影の空き時間も「実写化するならスカーは誰が良いかな?」とか、2人で延々と「ハガレン」の話を…(笑)。年齢も1個違いなので、「ハガレン」を読んでいた時期も同じ。いつの間にか、本当の幼なじみのような感覚になっていましたね。
ーーあのエドとの掛け合いは、実際の2人の雰囲気に近いものがあったのでしょうか?
本田:そうかもしれないです。私も原作ファンとしてエドとウィンリィの掛け合いが大好きなので、そこの空気感は大切にしたいと思っていて。2人の素を出し合える関係性というのは、エドが山田くんだったからこそ出せたものかもしれません。
■原作大ファンの本田翼が思う"ハガレン"の魅力とは?
ーー本作は高いCG技術も注目されていますが、出来上がった作品をご覧になっていかがでしたか?
本田:やっぱりCGには圧倒されました。とにかく迫力があって、日本の映画じゃないみたい!撮影中、山田くんがアクションシーンが大変だと言っているのを頑張れ~って思いながら聞いていたんですけど、その意味が分かりました。これは大変だろうなぁって。
(C)2017 荒川弘/SQUARE ENIX (C)2017 映画「鋼の錬金術師」製作委員会
ーーアルもCGということですが、エドと3人のシーンなども多かったですよね。撮影のときは苦労しませんでしたか?
本田:それはもう…苦労しました。このへんに目線をくださいという指示があるのですが、どうしても反射的に、その場でセリフを言ってくれる水石亜飛夢くんに目がいってしまうんです。山田くんに「お前、また下みたのかよー!」と言われて「ごめんなさいー!」ということも何度か(笑)。申し訳なかったです…。
ーー(笑)。それは想像力が鍛えられましたね。
本田:CGとの向き合い方というのを勉強させていただきました。
ーー原作ファンの本田さんにとって、アルと共演していることは夢のようなできごとなのでは?映像で観たときはいかがでしたか?
本田:そうですね。アルと共演しているシーンを観たときは、アルってこんなに大きかったんだ!と感動したのを覚えています。
ーー他に、映画の中で「ここがツボだった」という原作ファンならではのポイントなどはありましたか?
本田:みなさん素敵だったんですけど、私は佐藤(隆太)さん演じるヒューズさんがすごく好きでした。あのニコニコしている感じがとても素敵で。あとは、大泉(洋)さんが演じるタッカーさんもすごく印象的でした。
ーータッカーのシーンは実写化したことによって、さらに現実味を帯びたものになっていましたね。
本田:タッカーさんの自分が悪いと思っていない物言いだったり、キメラがCGで出てきた瞬間は、原作を知っていてもゾクッとしました。生身の人間が演じることで、絵で見る以上に命の重みを感じられた。とても意味のあるシーンになっていたと思います。
ーー最後に、改めて映画『鋼の錬金術師』の見どころを教えてください。
本田:兄弟の絆が一番の見どころではあるのですが、実は出てくる登場人物にはそれぞれの大切な絆があるんです。エドとアルとウィンリィの絆、マスタングさんとヒューズさんの絆、マスタングさんとホークアイさんの絆……みんなの絆というのが物語の大きな鍵になっている。映画でもそこに注目していただければと思います。
ーーちなみに、本田さんが錬金術を使えるとしたら…?
本田:等価交換なので…古い民家とかをリフォームしたい!そして、そこに住みたいです。こっそり床暖房とかをつけれたらいいなぁ(笑)。
<STORY>
幼くして天才的才能を持つエドと弟アルは、亡くなった母にもう一度会いたいと禁忌(きんき)の「人体錬成」に挑んだ。しかし、結果は失敗。“錬金術とは等価交換である――”その容赦ない鉄則は、エドの左脚と、アルの身体すべてを奪い去った。瀕死のエドは、自らの右腕と引き換えに弟の魂をなんとか引き戻し、近くにあった鎧に定着させた。
多くを失ったエドだが、諦めはしなかった。アルを元の身体に戻す。そう決心し、鋼(はがね)の義肢、オートメイル(機械鎧)をつけた身で、史上最年少の国家錬金術師「鋼の錬金術師」になった。兄は、自分が巻き込んでしまった弟のために。そして弟は、命を捨てる覚悟で自分の魂を錬成してくれた兄のために。絶対の絆で結ばれた兄弟は、失った身体を取り戻すため、カギとなる伝説の「賢者の石」を求めて旅に出る。
支え励ましてくれる人々との出会い。二人の前に現れる謎多きホムンクルス(人造人間)たち。その先に待ち受ける驚愕の真実。そして兄弟は再び、「人間の命とは何なのか──」という命題と向き合うことになる。どんな困難が待ち受けていようとも、エドとアルは前へと進む。すべてを圧倒する愛と信頼、そして兄弟の絆を懸けた、超ド級の冒険が今、始まる!
映画『鋼の錬金術師』は12月1日より全国ロードショー