毎年恒例の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)が12月3日(日)に放送される。今年は予選に4094組がエントリーし、そこから9組が決勝にコマを進めた。そこに敗者復活戦からの1組を加えて10組で日本一のお笑いコンビを決める。

ハイレベルな準決勝 9組中8組がよしもと所属
決勝進出者はかまいたち、ゆにばーす、マヂカルラブリー、さや香、ミキ、とろサーモン、和牛、ジャルジャル、カミナリである。9組中8組がよしもとクリエイティブ・エージェンシー所属の芸人であり、よしもと贔屓の選考ではないかとも噂されたが、準決勝のネタを見た限りでは、納得のいく決勝進出者である。
もちろん他にもウケている組はたくさんいた。どの組が決勝に進出してもおかしくないほど、レベルの高い準決勝であった。
和牛、昨年の勢いで優勝なるか 最も芸歴長いとろサーモン
今年の本命は和牛ではないかといわれている。昨年のM-1では敗者復活戦から勝ち上がり、その勢いで準優勝に輝いた。そのときの審査員からの評価も高く、今年はM-1に向けて全国ツアーも行った。ネタは仕上がっていて、周りの芸人からの評判もいい。
決勝進出者の中で最も芸歴が長いとろサーモンも漫才に定評がある。デビューしたての頃から見ているが、彼らは今までにいろいろなパターンの漫才を作ってきた。どのネタにもいい意味でボケの久保田の性格の悪さが出ておりそれが彼らの持ち味だ。最近の漫才は久保田の性格の悪さに拍車がかかり、さらに面白くなっている。
かまいたち、『キングオブコント』と2冠かかる カミナリ、さや香などのダークホースらも
『キングオブコント』(TBS系)優勝のかまいたちはM-1との2冠がかかっており、キングオブコントでは、にゃんこスターに話題を持っていかれてしまった。だからこそ、なおさらM-1優勝にこだわっているのではないだろうか。実は彼らは『歌ネタ王決定戦 2016』(毎日放送)でもチャンピオンになっており、この賞を含めると3冠になるのだ。すでに大阪では何本ものレギュラー番組を持っており、何でもこなせる力がある。誰も成し遂げたことがない3冠を取るのか見ものである。
よしもと以外で唯一残ったのがグレープカンパニー所属のカミナリだ。昨年のM-1グランプリで話題となりここ一年で売れっ子の仲間入りをし、再びM-1の舞台に戻ってきた。頭をどつくツッコミは昨年はインパクトがあり印象にも残ったが、今年はそのツッコミは世間に知れ渡っているのでネタの中身勝負となるであろう。ツッコミのワード選びが肝となり、ハマれば強い。
今年のダークホースはさや香である。テレビ出演はまだそこまでないが、今年の今宮子供えびすマンザイ新人コンクールで優勝をしており、着々と力をつけているコンビである。2002年M-1のダークホースであった笑い飯ほどのインパクトを超えられるのか、こちらも目が離せない。
芸人泣かせの新ルール「笑神籤」制度の導入

(▲画像は筆者が過去M-1グランプリに参加したときのもの)
今年のM-1は「笑神籤(えみくじ)」という新ルールが導入された。今まではあらかじめ出番順は決まっていたのだが、今回はその都度MCがくじを引きネタをやっていくので最後まで順番が分からない。芸人からするといつ自分たちの出番が来るか分からないので調整しようがなく、芸人泣かせの新ルールである。
順番が決まっていれば前のコンビがどんなネタをやるのか予想して自分たちのネタを決めたり、トップバッターだったらそれに見合ったネタを選んだりと対策ができたが、今年はそうもいかなそうだ。この新ルールがどう出るのか、注目していきたい。
テキスト:AbemaTIMES編集部


