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 秋田県や新潟県の海岸に相次いで木造船が漂着し、北朝鮮国内では兵士が板門店から脱北。そんななか、11月29日の日本時間午前4時過ぎに、北朝鮮が発射した新型ミサイル「火星15」が日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。

 今週には米韓軍事演習が過去最大規模で行われ、戦争も懸念される北朝鮮情勢。今後の懸念材料について、元東京新聞ソウル支局長・論説委員で現早稲田大学・韓国学研究所招聘研究員の山本勇二氏に話を聞いた。

 山本氏は戦争になる不安材料として、アメリカと北朝鮮が共に外交努力が足りないことを挙げる。「金正恩委員長はどの国とも未だに会見をしたことがなく、一方のトランプ政権にも北朝鮮との交渉役がいない。対話がなく相互不信の状態では、偶発的な衝突が起きた場合に沈静化することができずエスカレートしていくのでは」。

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 さらに、ジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏は北朝鮮と他国における認識の違いを指摘する。「ミサイルを飛ばされてしまうと軍事演習を最大規模でやるしかない。合同演習をやっている最中に(核・ミサイル)実験をしてしまうと挑発行為と受け取られて、そのまま戦闘行為にいってしまう危険性があるので、北朝鮮も相手がいなくなった隙をみてやっている。ある意味そこはまだ合理的で、核をもった“マッドマン”“狂人”だと言う人がいるがそうではない。金正恩氏や側近は冷静にふるまっている。しかし、彼らにとっての冷静と我々にとっての冷静は違う。我々にとっては核を持たないのが冷静なこと。しかし、北朝鮮は体制を存続させることが何よりも大切で、核を開発し続けるのが冷静なこと」。

 また、モーリー氏は今後の日本の対応策について「難しいところ。例えば憲法改正して自衛隊を強めるという議論もあるが、現実的にはミサイル迎撃率の問題がある。憲法を変えても現実は変わらなかったりするから、今はむしろ知る努力をする、情勢がどう動いているのかを現実的に見つめて議論することが1番の防衛かもしれない」との考えを示した。

(AbemaTV/『けやき坂アベニュー』より)

▼『けやき坂アベニュー』は毎週日曜日 12:00~13:30「AbemaNews」チャンネルにて放送!

けやき坂アベニュー | AbemaTV(アベマTV)
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