![柴田阿弥「本当にクズ」 元あやまんJAPANメンバーも被害に遭った“レイプドラッグ”の卑劣手口](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/e/e/724w/img_ee308779d30df8965d43ef5d2768491c96188.png)
クリスマスパーティーや忘年会などの飲み会が増える時期。しかし、そんな楽しい飲み会に、「デートレイプドラッグ」を用いた卑劣な犯罪行為が影を潜めているかもしれない。
「デートレイプドラッグ」とは特定の薬物を指すものではなく、睡眠薬や抗不安薬、媚薬などを酒に混入させ、正常な判断ができない状態にした上で性暴力に及ぶためのものだ。
■元あやまんJAPANメンバー「死ぬほど辛かった」
元あやまんJAPANメンバーのDJ LOUさんも、アメリカ留学中に薬物被害にあった経験がある。「アメリカではよくある話。学校の先生とか友達からは気をつけるように言われていた。でも『まさか自分が』とその日までずっと思っていた」と振り返る。
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LOUさんは一人で立ち寄ったバーで声をかけてきた男性に薬物を混入されたようで、「途中で気絶してしまった。目が覚めた時は死ぬほど辛くて、汗が止まらなくて、息がうまく吸えなくて手が震えていてみたいなひどい状況だった」と話す。
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こうした報告は海外でも多数あったというが、最近では日本でもこれを用いる者が横行、顔見知りや友人など、親しい人による被害も多いという。街の若者たちは「日本じゃなさそう」などと、どこか他人事のように答えるが、Twitterで検索してみると、「相席居酒屋行った時、飲み物派手にこぼしたら中から錠剤出てきて爆笑した」といった投稿も話題になっている。
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性暴力被害者などを支援するNPO法人「BONDプロジェクト」のまとめによると、今年3~8月の間に報告された性暴力被害のうち、約12%が薬物を使用したものである疑いがあったという。橘ジュン代表は「気付いたら裸だったとか、何時間も経っていたというような話を聞いている。しかし、性被害は人に話づらいということもあり、潜在的にはまだたくさんあると思う」と話す。
■アダルトショップで当たり前のように売られるドラッグ
「女性を陶酔させる」「高揚感を楽しめる」
これらは、アダルトショップに置かれる媚薬の売り文句だ。都内のある店舗の従業員は「眠くはならない。ふわっとしたり、お酒に酔ったような感じ。お酒に一緒に入れて飲む」と説明。"サプリメント"として発売されている媚薬については「アルコールプラスアルファみたいな感じ。味もわからない」と説明した。
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中には、「気になる相手の飲み物に混ぜればお持ち帰り間違いなし」と、まるでお酒に混ぜることを推奨するような売り文句を掲げるお店もある。従業員は「あとで怒られなければ別に大丈夫」と、危険なものだという認識もない様子だ。しかし、こうした商品が、実際にレイプドラッグとして使われてしまうケースもあるのが実情だ。
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デートレイプドラッグ被害者の支援団体代表も務める、諏訪坂法律事務所の望月晶子弁護士によると、薬物などで昏睡させて性的暴行を加えた場合は準強制性交罪、薬物・食品で相手を昏睡状態にさせた場合は準強制性交等罪未遂罪または傷害罪に当たるという。
■一部始終を撮影した男性に柴田阿弥「本当にクズだな」
女性の飲み物に睡眠薬などを混ぜ、無理やりわいせつな行為をしようとした経験があるという男性に、当時カラオケボックスで撮影した動画の様子を見せてもらった。そこには先輩が精神病を装って処方してもらったという即効性の強い睡眠導入剤入りの酒を飲まされた女性は「今日フラフラ…」と言うなり崩れ落ちる様子が映っていた。「アガッちゃえばそのままヤっちゃうみたいな感じで。眠り込んだりした場合というのはマグロとやっても全然楽しくないんで、『こいつは寝かしとけ』みたいな感じだった」。女性はそのまま帰宅したというが、男性らは別の機会にも薬物を混入させていたと話す。
![柴田阿弥「本当にクズ」 元あやまんJAPANメンバーも被害に遭った“レイプドラッグ”の卑劣手口](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/4/0/724w/img_4033d17debd482650a47536aeaedf210350485.jpg)
「グッタリなったらぶっちゃけもう帰るの危ないとか帰れないとか。そうなってくれたらこっちとしても都合が良い。『どこか泊まろうよ』みたいな感じに流したりとか、高揚してる子にはそのままノリで『ホテル行こうよ』みたいな」。
アルコールと睡眠薬を同時に飲むと強く効きすぎる場合もあり、昏睡状態に陥る危険性もある。「処方された薬を例えば2、3錠潰して酒と混ぜて飲ませたところで死んじゃうというのは絶対ないと思って。そんなノリだった。普通の状態とはまた違うようなことが起きるんじゃないのかという好奇心が大きかった」。
当時のことを深く反省しているというがこの男性は「(罪悪感は)全くなかったかと言われたら微妙」と打ち明けた。
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男性の証言を聞いてフリーアナウンサーの柴田阿弥は「映像を見てムカついてきた。この人たち、言葉は悪いけど、本当にクズだと思う」と憤った。
■「被害に遭ったと思ったらすぐに相談を」
レイプドラッグに詳しい旭川医科大学の清水恵子教授によると、使われる頻度の高い睡眠薬の場合1~2週間は体内に成分が残るため、調べればすぐに分かると話す。
また、「掲示板などではこうした手口でやったというのが結構堂々と書き込まれているものも普通に見つかる。使われているものの多くが、病院などで処方されている薬の場合が多く、違法なものではない」と語るのは、レイプドラッグ被害について取材をする朝日新聞の塩入彩記者だ。
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塩入記者によると、被害に遭っても気づかなかったり、しっかり対応してもらえなかったりするケースもあるという。また、女性自身が「粗相をしてしまった」「自分の問題かもしれない」と、自分を責めてしまい泣き寝入り状態になってしまうことも多く、被害に遭った後はぼうっとしていて詳細が思い出せず、被害相談していいのかと悩むケースもあり、相談で出てきているのは氷山の一角ではないかと言われているのだ。塩入記者は「被害直後であれば血液や尿から薬の成分を採取することができると言われている。被害に遭ったと思ったらすぐに相談に行くというのが重要だと思う」と訴えた。
「加害者の方が比較的、罪だとか、捕まる、バレるということに危機感がないというのは大きい。だからこそどんな状況であっても被害に遭ったのはその方(被害者)の落ち度ではない。まず身近な人に相談してほしい。警察や支援団体にすぐに相談に行って、証拠などを採取してほしい。身近な人で被害にあった人がいたら支えてあげて一緒に相談などに行ってほしい」。
政府も対策に乗り出している。行政と連携、被害の相談や面接などの支援を行う性犯罪・性暴力被害者のための「ワンストップ支援センター」(現在、全国に41か所)を、2020年までに各都道府県に少なくとも1か所は開設することを目指している。しかし、まずは一人一人が「自分も巻き込まれるかもしれない」という危機感を持つことも重要だろう。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)