年末前、10月から11月にかけては大学や短大、専門学校などは文化祭シーズンであった。各学校は集客のため、さまざまなジャンルの芸能人を呼ぶのだが、その中でも特に芸人に声がかかることが多い。そのため、文化祭の時期は芸人にとって稼ぎ時なのだ。
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文化祭のゲストに芸人を呼びたい……ギャラの交渉はどうなる?
文化祭は学生が運営しているので、必然的に学生に人気の芸人がよく呼ばれるようになる。学生がどの芸人を呼ぶのかという会議をし、リストを作る。その中から旬の芸人かどうか、知名度はどうなのか、集客はあるのか、などを考慮して事務所にオファーをし、そのあとに発生するのがギャラの交渉だ。
事務所では各芸人の芸歴や人気を考えてギャラを決めており、同じくらいのレベルの芸人でも事務所が違えばギャラが違うということもよくある。大手事務所の場合、強気で交渉をすることができるのだが、小さい事務所であれば、そうもいかない。多少ギャラを安く設定することによって、多くの大学から呼ばれるようにしている事務所もある。文化祭を運営するサークルは他大学のサークルと繋がっていることもあり、ギャラが安くて集客力がある芸人はコスパがいい芸人として学生間の口コミで広まることもある。
気になるギャラの額であるが、テレビに少し出たことあるような若手芸人で5万円~10万円で設定している場合が多い。テレビ出演が増えると知名度も上がるのでギャラも上がり、多くが30万円前後となる。継続してテレビに出ているような人気芸人だと50万円を超える。これ以上のギャラの、誰もが知っているような人気芸人もいるが、文化祭の予算の関係でそのような芸人を呼ぶことは難しい。
学生からの知名度がないと芸人は文化祭には呼んでもらえないが、事務所は人気芸人の“バーター”でこれから推そうと考えている若手を一緒に出演させてもらえるように交渉する場合もある。その場合はバーターの芸人のギャラを3万円~5万円と低めに設定して若手に経験を積ませるということをしている。知名度がない芸人でも人気がある芸人の事務所の後輩ということで先輩芸人からおいしい場面を与えてもらえ、学生にもそのバイアスがかかり、好意的に受け入れられる。
オファーの時期は「半年以上前」 “ラッキーな話”も
芸人のオファーは半年以上前に行われることもある。ギャラはオファーした時点で決定しているので、4月のオファーの段階でまだ大人気とまではいかない芸人が、文化祭が開催される10月、11月までの半年間で大ブレイク。その頃の料金であれば呼べないような格安のギャラで呼ぶことができたというラッキーな話もある。
最近テレビの出演はあまりないが、文化祭に引っ張りだこな芸人もいる。特にゴー☆ジャスはYouTubeでゲームの実況動画のチャンネルを開設しており、若者を中心に人気がある。
文化祭のピークは終わったが、また来年も多くの芸人が文化祭に呼ばれるであろう。その時期に旬な芸人が呼ばれており、ほとんどが無料で見られるイベントばかりなので大学の文化祭に足を運んでみるのもいいかもしれない。