21日放送のAbemaTV『橋下徹の即リプ!』に出演した2ちゃんねる創設者の西村博之(ひろゆき)氏が、橋下氏と「ぜひ喋りたい」として、生活保護、ベーシックインカム問題で持論を展開した。
「生活保護を受けている人の方が、働いてるけど給料低い人よりも収入が多いという状況になっている。これに対して、今の政権は収入を増やのではなく、生活保護を下げるという方針になっている。そんな社会おかしいんじゃないって思う」と西村氏が問題提起すると、橋下氏は「ひろゆきさんが言うのはその通りで、本当は政治の力で国民の収入を上げて行くのが原則だけど、それはなかなかできない。民間の力でやってもらうしかないし、それをサポートするのが政治。生活保護については、働いている人がベースで、そこに合わせていかないといけない。今の水準がいいかどうか、きちんと計算できてない」と指摘する。
政府は18日、生活保護で支給される生活扶助について、来年秋からの3年間に総額160億円程度減らすことを決定している。
これについて橋下氏は「自民党政権が160億円下げましたと偉そうに言ってる。"切り詰めるのが政治家の闘いなんだ"と張り切って言う政治家も多い。そこじゃないだろう。生活保護を適正基準に下げるのも必要だと思うが、問題は4兆円近い予算のうち、半分近くを占める医療費。生活保護受給者は医療費の自己負担ゼロだから。ここにメスを入れないのか。大阪では悪徳病院が受給者を集めて、薬を飲みきれないくらいバンバン渡していた。患者の方は無料だし、言われるがまま受け取ってしまう。それはおかしいと思って、薬局の数を絞ろうとしてバトルになった。医師会との関係があるから自民党はここに切り込まない。160億くらいでドヤ顔するのはダメ」とバッサリ。
「生活保護受給者のうち、8割くらいが病気などの理由で働けない人。金額をどんどん少なくしてしまうと、上に行けない人がほとんどになってしまう。"働いたら良いじゃないか"というのは、生活保護の実態のごく一部のところしか知らない人の意見だ。僕はやっぱり競争や切磋琢磨は重要だと思っているから、大阪でもそれは言い続けた。でも、その土台として上手くいかなかったり、切磋琢磨できない状況の人たちは救済しないといけないという思いがあった。そういう人たちは徹底して救済するんだけど、その額をどうするかが問題だ」(橋下氏)。
そこで西村氏は、発想を転換してベーシックインカムを導入すべきだと提言する。
「生活保護を無くして、社会保障費も減らすけど、全員に7、8万円払うので、あとは個々人でなんとかしてくださいという考え方。僕もいろいろ考えていて、世間の人が言うベーシックインカム案と違う案を出し続けている。予算案も考えている」。
西村氏の"予算案"は次のようなものだ。
「面白そうだと思って計算してみた。月7万円を国民全員に配ろうとすると93兆円が必要。そこでまず無料の人たちも医療費の自己負担を3割負担にすると16兆円できる。生活保護費も切り替えてなくなるので4兆円。そして相続税を1.5倍にし、厚生年金と国民年金の支給額を長期的にベーシックインカムと同じ額にしていく。これについては、僕らの年代は払った額と同じくらいの年金がもらえるけど、20代は払った額もらえないので、長期的には"払った額以上はもらえないのは仕方ないよね"という社会合意もできてくると思う。そうやって社会保障を全て無くしてしまえば25兆円浮く。さらに解雇規制を無くして、企業は優秀な社員だけ集めて、どんどんクビにできるようにする。ベーシックインカムがあるんだから、クビにされてもしばらくは生活できる」。
橋下氏が「7万円では子どもがいる家庭は厳しいのでは?」と訪ねると、西村氏は「2人親なら14万。働かないんだったら都会に住む必要もないので、家賃3万円とかで済む。僕の案だと、子どもは大人の半額もらえるので、親子2人・子ども1人で可処分所得は15万円という計算。問題ないんじゃないですか」と反論。
橋下氏が感心しながら「どっからお金をもってくるかの問題だね。これまでかなりの額を払ってきた人に相続税や年金支給額を下げていくというのを説明するのは政治的には難しいけど、計算が合うんだったらいいと思う。もう一つ重要なのは、社会保障制度に関連する組織を簡素化すれば、そっちのお金も回すことができるかな」と話すと、西村氏は「公務員減らすって言うと法案が通らなくなるから、あえて言わないんです(笑)。誰かがこの案で法律作ってくれれば、僕は月7万もらえるじゃないですか(笑)。それをやろうと思ったら、公務員や選挙に行く高齢者を敵に回しちゃいけないんですよ!」と返答。
初対面だという二人、ラトビアの住民権を取得、フランスで生活している西村氏の大胆プランに橋下氏も「面白いですね。日本に戻ってきて!こういう人が思いっ切り活躍できる場を作るのが政治なのに、逆に押さえつけるようになってるのが今の日本だ」と話していた。(AbemaTV/『橋下徹の即リプ!』より)