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 安倍総理の友人・加計孝太郎氏の獣医学部新設を巡る総理の関与疑惑。昨年、野党から連日激しい追求が続き、安倍総理はその弁明に追われた。きっかけは前文部科学省事務次官・前川喜平氏による「あったもの(文書)をなかったことにはできない。公正公平であるべき行政のあり方が歪められた」という発言だ。

 安倍政権を揺るがした発言だが、一方で自身の「出会い系バー通い」が新聞紙や週刊誌で報じられ賛否両論を巻き起こした前川氏。3日放送のAbemaTV『ニュースの渦中にいた人物たちが語る真実と本音』で、今まで数千人のインタビューを行った吉田豪氏を相手にその真相を語った。

 自身の性格を「かなりゆるい」と話す前川氏。「国会に参考人で行った時の姿しか知らない人は超真面目人間だと思っているかもしれないが、基本的にはゆるい。決まりを守らないといけないとあまり思っていない」と“赤信号を渡る”性格だという。

 前川氏は昨年5月25日、「出会い系バー通い」報道が出た後の会見で「ドキュメント番組で女性の貧困について扱った番組を見て、実際に話を聞いてみたいと思った。食事をして、小遣いをあげたりしていた。そこで出会った女性を通して、女性の貧困と子供の貧困が通じていることが分かった」と出会い系バーに行った事実を認めている。

 吉田氏は前川氏が通っていた出会い系バーに潜入取材したといい、「前川さんの言い分は8割方正しいと思う」と賛同。前川氏は「(記事は)出会い系バーが売買春の巣窟のような言い方をしていたが、そんなことはないと思う。そういう目的で来る男女もいると思うが、僕が会った子のほとんどは話をしてご飯をおごってもらったり、お小遣いをもらったりとそういう目的の子が多かった。女性の場合はタダで飲んだり食べたりできるから、一種の居住空間みたいになっている」と説明した。

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 昨年5月に前川氏の出会い系バー通いについて報じた読売新聞はさらに6月3日付の朝刊で、「教育行政トップの人物が違法行為が疑われるような店に出入りすることは不適切であり、公共の関心事であり公益目的にかなう」と、この報道に意義があると主張した。

 前川氏は「読売新聞に報道が出たのが5月22日。その3日くらい前から読売新聞からアプローチがあったが、まさか書くまいと思っていた。そうしたら5月21日に官邸にいる総理補佐官の方から間接的に『会って話がしたい』という趣旨に受け取れるような打診があった。僕は『お前の嫌なことを書かれたくなかったらしゃべるな』あるいは『しゃべったことを取り消せ』という一種の取引かなと思っていた。そういうことがなければちょっと考えられない。元々私の個人的な行動だが、それをほじくってどうするのか」と異を唱えた。

 出会い系バーを訪れていたことは「個人的な関心・行動」と強調。「色々な境遇の女性と話をして、根無し草的にフラフラしている子もいるし、子供を抱えているという人もいたし、男で失敗を繰り返している人もいた。経済的に困っている人が多かったのは事実。家庭環境を聞いてみると両親が離婚しているという人が多かったという印象がある」と述べた。

 一方で、“貧困調査”に批判が多かったことについては「調査という言葉で『そんなことないだろ。調査報告書はどこにあるんだ』となるが、それは比喩で、私の記憶の中には話が残っている」と説明した。

 ある雑誌では出会い系バーの女性によるコメントが掲載されたが、内容は好意的なもの。前川氏は「あるメディアの人から、お店のマスターから『また来てください』と僕に伝言があった。落ち着いたら行ってもいいかなと思っている(笑)。あそこのマスターが作るロコモコは結構美味かった」とバー通い時の秘話も明かした。

 冒頭で自身の性格を「ゆるい」と表現した前川氏だが、それは周囲にも認識されているという。「文部科学省の中でも、私の性格を知っている人は『前川さんならやりかねない』と思っている。ちょっと突拍子もないこと、普通の役人だったらやらないようなことをすると知っている。2年前(2015年)の9月18日に安保法制が国会を通ろうという時には、夜中に国会の正門前に行ってSEALDsと一緒に『安保法制反対』とやった。これだって普通の役人だったらしないこと」。

 これらも個人の活動の範ちゅうであることを主張し、「一個人としてはやって構わないわけで。そういう意味では、出会い系バーに行くのと国会正門前でデモをやるのは同じこと。公務員は皆、自粛というか自主規制し過ぎている。自分に鎧というか衣というか、拘束服を着せている。心が自由でないと本当にいい仕事はできないと思う」と語った。

(AbemaTV/『ニュースの渦中にいた人物たちが語る真実と本音』より)

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