「突発的に決められるようなことではないので、たくさん悩んで、たくさん苦しんで、しんどい思いもしました。やっと言えて、少しほっとしています」。
15日、自身のブログでグループ卒業を発表した「ももいろクローバーZ」の有安杏果が、AbemaTV『AbemaPrime』に緊急生出演、今の心境を語った。
他のメンバーとともに揃ってスタジオ入りした有安は、まず「発表して初めてファンの前に立ちました。ファンの方に囲まれながら話すのはドキドキします。ずっと前から決めていて、年末のライブでも、これで最後になるんだ、後悔のないようにという思いでいました。ファンの方にも早く伝えたいなと思っていて苦しい部分があったので、やっと今日言えて、少しほっとしました」と、東京・六本木のスタジオ前に駆けつけたファンのたちに一礼。
「物心ついたときにはこうやってカメラの前にいるような生活をしていて、気づけば芸能生活22年。ちょうど1年前に大学を卒業したんですけど、同級生の子たちが就職して新しい一歩を踏み出していくのを見て、ももクロを卒業して、社会人として、1人の女の子としてまだまだ至らない部分もあるので、そういうところを身に着けていきたいなって思いました。"辞めたら何するの?"ってファンの方も思っていると思いますし、今日の取材でも、ほとんどのマスコミの方に聞かれたんですが、本当に決まって無くて。逆に決めたら、それが義務になってしまうというか、それが嫌なので。でもこれからは、今まで普通の女の子がやってたこと、今まで私ができなかったことをやってみたい。普通に規則正しい生活を送って、健康的な日々を過ごしたいなって思います。まずはゆっくりしたいです(笑)」。
■黙り込んでしまうメンバーも
有安がメンバーに卒業の意向を伝えたのは去年のことだったという。
「事務所の方に"この日に言うよ"って言われて、お仕事が終わったあとにメンバーに伝えました。仕事をしている間は集中していましたが、終わった瞬間から部屋に行くまでは、"ああ、今日言うんだ"っていう気持ちになって。みんながどんな反応をするかわかんないですし、すごくドキドキしました」。
突然の告白に、黙り込んでしまうメンバーも居たという。
「本当に恥ずかしいことに、年上の3人が黙ってしまって。切り込んだのは最年少の佐々木でした。動揺もしたし、できることなら続けてほしいと言ったんですが、私たちに話してくれた時には決断していたことなので。それよりも、まだ22歳、人生のスタートに立ったばかりなので。毎日一緒にいて、家族よりもメンバーでいることが多かったので、杏果の気持ちが分かる部分もあって。尊重したいなと思いました」(玉井詩織)。
「早見あかりが卒業するときも、あーりんだったね。私はびっくりしちゃって、1時間半くらい何も喋れなかったです。他のメンバーが話しているのを黙って聞いてて、自分の中で徐々に前向きに持っていけたかな」(リーダーの百田夏菜子)。
「また私から行くやつかなって思いました(笑)。杏果の同世代として、気持ちもわかるし、周りにも就活してる子がいたし、そういうことを考える時期かなとも思いました。でも5人で続けていきたい気持ちもあったので、色んな話をしました。(早見あかりが卒業を明かしたときのように)部屋のどこかでカメラが回ってはいないか、一瞬探しました(笑)」(佐々木彩夏)。
1時間半の沈黙のあと、百田が有安にかけた言葉は「ももクロらしく、残りを楽しい時間にしようね」というものだったという。
「全部飲み込んだ中で出てきたのが、その言葉。受け入れてくれて嬉しかったです」「伝えたら率直な思いをぶつけてくれて。逆に8年間やってきて、"わかった"みたいな感じで、すぐ終わっちゃうようだと悲しいので(笑)。たくさん話し合えてよかったです」(有安)。
■5人でいられる残りの時間を大事にしたい
予想だにしなかった突然の発表に、ネット上では卒業を惜しむ声など多くの声が上がった。夕方5時半時点のTwitterのトレンドワードでも、1位に「ももクロ」、2位に「ももいろクローバーZ」、4位に「有安卒業」など、上位20個中9個が「ももクロ」関連ワードで占められ、関連ツイートは10万回にも達した。
「終わりが近づくにつれて、どうしてもカウントダウンしてしまう部分があって。"これも今回が最後か"とか思っちゃう部分があるんですけど、でも有安が決めたことなので」(百田)。
「わかってるけど、8年間も当たり前に一緒にいたし、今もこうして5人でいるから、来週から4人になるんだっていう実感が湧かなくて。想像がつかない。今日一日、いろんな方にご挨拶したり、杏果の口から新たに話を聞けたりして、明るく送り出したいな、残りの一週間、5人でいられる大事にしたいなと思いました。私たちが最初に聞いたときのように、ファンの皆さんも動揺もあると思うんですけど、でも私たちは前を向いて行くしかない。付いてきてほしいなと、強く思います」(高城れに)
「話を聞いた時には、ファンのみなさんがどんな反応するか心配で。5人のももクロが見ていたいかなって。今日、こういう形になって、いきなりだったのにみなさんがこんなに来てくれて、安心というか、これからも一緒に走っていけたらいいなと思いました」(佐々木)
「メンバーが固まってからのこの5人が一番長いので、これでずっとやっていくのかなと思っていたし、この5人で今のももクロを作ってきたのも紛れもない事実。これから私自身どうなるかわからなったけど、たくさんの人たちに笑顔を届けたい。ちゃんと全うしていかないといけないと今は思っています」(玉井詩織)
■小松アナも目を潤ませ…
番組では熱烈なももクロファン="モノノフ"としても知られ、これまで度々共演も果たしてきたテレビ朝日の小松靖アナウンサーは、有安のイメージカラーである緑色のネクタイで司会に臨んだ。突然の発表に楽屋でも言葉少なだったという小松アナは、「スッキリした顔されてるな」と、涙をこらえながら有安に語りかけた。
「奇跡の5人なんです。誰一人欠けても、ももクロじゃないっていう。みんなそう思って、大好きで、それを共有してやってきたんですけど、この言葉を聴けば、ファンのみなさんも"4人の形もももクロだ"って、応援する気持ちに変わりはないと思います。数々の不可能を可能としてきたメンバーなので、ファンとしての秘めたる思いの中では、辞めてほしくない、いつまでもこの5人が見たいって思います。でも、それぞれの幸せを願うのもファンだから…すみません、まとまってなくて…」(小松アナ)。
21日のライブが最後のステージとなる有安。ももクロとしての時間はあとわずかだ。
小松アナに最後にメッセージをと促された有安は「ファンの方々がいるので、ファンの方を向いて」と、窓の外のファンたちの方に向き直り、「突然の発表になってしまい、本当に申し訳ございませんでした。小松さんに"奇跡の5人"って言っていただきましたが、ファンの方が奇跡だなって思っています。本当に今まで8年間、見たことのない景色、夢を叶えさせてくれたのはファンみなさんのおかげです。"ありがとう"の、たったの5文字では伝えきれないですが、本当にありがとうございました」と、深々と頭を下げた。
有安の言葉を受け、百田は「4人になってからも一生懸命がんばりますので、これからも応援よろしくお願いいたします!」と力を込めた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)