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■堀潤「憲法改正の前に統治機構の在り方を変えるべき」

 元日に放送されたAbemaTVの討論番組『千原ジュニアのキング・オブ・ディベート』で著述家の吉木誉絵氏が提起した「憲法9条2項はいらない」という論点に、スタジオで熱い議論が交わされた。

 吉木氏は「問題は2項に書いてある戦力はない、軍隊はないと言っている部分で、日本には軍隊がいないということになっている。しかし、自衛隊は果たして軍なのか軍じゃないのか。制度とか法律では公務員みたいなものですよね。でも私、海上自衛隊の船にも乗せてもらったんですね。世界の軍人さんと対等に交流をしているんですよ。自衛隊が持っているイージス艦も、アメリカが持っているイージス艦も同じなんです。でもこれがアメリカだと戦力、日本では実力。言葉のまやかしなんですよ。細かいことを言ったらいっぱいありますけど、私はこの欺瞞の世界から抜け出そうよと思っているんです」と問題提起。

 この意見に対し、ジャーナリストの堀潤氏は「いる」と反論。「安保法制の時、自民党のヒゲの隊長こと佐藤正久さんに『自衛隊をドンドン拡大させていって大丈夫ですか?』って言ったら、『あれは自衛隊法を変えればなんとかなるし現行の中でもできます』って。その時は憲法改正はいらないって言ってました」と説明、現状のままでも対応できるとの見方を示した。

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 一方、東京都議会議員の音喜多駿氏は「政治家が嘘つきばっかりと言われる根幹にあるのは、今の憲法が矛盾していることだと思うんですよ。平気でウソをついて、『自衛隊は軍じゃないですよ』って世界的に言っているわけですよ。この矛盾を小中学生に説明できますか?って言われたら、ほとんどの政治家は説明出来ないんですよね。だから私は現実と憲法の実態を合わせていかないと、いつまでも政治家はウソが許されるみたいなことを正当化し続けてしまう気がしていて」と指摘した。

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 評論家の古谷経衝氏は「いる」との立場だ。「究極的に言うと、日本人の心の持ちようかなって僕は思うんですよね。軍法会議がないから軍人じゃないって言っても、敵の兵士は自衛隊を捕虜にして、向こうの裁判所で裁きますよ。そういう意味では自衛隊は軍隊で、戦後最大の矛盾だと思うんだけれども、70年間これを運用してきた戦後の歴史も踏まえて欲しいなと思うんですよね」との見方を示した。

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 各氏の意見を聞いていた吉木氏は「日本は政軍関係が本当に未熟なんですね。文民統制とも言いますけど、政治家と軍人の関係に関する研究が日本では全然進んでいない」と熱っぽく訴えると、堀潤氏が「大問題は、それだけ大切にしてきたはずの自衛隊を日報問題とかで隠して隊員の危険性を国民の前で開示せず防衛大臣がその職務に当たり続けたのか。だから憲法改正の前に統治機構の在り方を変えないと」と、別の角度から問題提起。吉木氏は「それこそ政軍関係と言ってるんですよ。例えば文書の扱い方。日報って自衛隊の方が現地で書くものですよね。それが行政文書として扱われていいのかどうかってことも含めて議論をしなければいけないと思います」と話した。(AbemaTV/『千原ジュニアのキング・オブ・ディベート』より)


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