
とある地方都市に住むボンクラ男子3人組は、念願の童貞卒業に一年発起し、情けない自分を変えるためにある作戦をたてるが……。若手人気俳優の林遣都、柳俊太郎、前野朋哉が23歳の童貞を演じたコメディ『チェリーボーイズ』が2月17日より公開となる。
本作で童貞3人組の“ターゲット”となる釈笛子を演じたのは、モデル・女優の池田エライザ。かつて東京で風俗嬢をしていた?金を払えば誰とでも寝る?などのウワサが絶えない女の子ながら、純粋な一面も併せ持つという役柄だ。
数々のドラマ、映画に出演し、今後も主演を含む出演作が絶えない今注目の美女の一人だ。主演3人の男子にはもちろん、プロデューサー陣にも“母性”を感じたという彼女に、映画の見どころや女優業への想いを聞いた。
――映画観させていただきまして、これぞ男子の青春っていう感じの。
池田:観ていただいてありがとうございます、失礼いたしました。女性からすると「ちょっと男子~!」って感じですよね(笑)。

――最初に原作を読んだ時、池田さんもそういう反応でしたか?
池田:私は青年誌が好きなので、いつも読んでいる漫画と同じ様な感覚で読ませていただきました。原作もそうですが、松居大悟さん(脚本)もだいぶこじらせてたんだなあっていう。この3人衆(林遣都、柳俊太郎、前野朋哉)も含め、皆さんのことがすごく愛おしく思えて、完全に母性を感じていました。最後の笛子のボソッと言う一言に、この物語の全てがつまってるんじゃないかなって思います。
――池田さんが演じた笛子は体当たりのシーンが多かったと思います。プロデューサー陣は「この役を受けてくれる女優さんはいないんじゃないか」と思ったそうですね。
池田:映画の中でチェリー3人に土下座された時のごとく、プロデューサーさん達に事務所でお願いされたので、その熱意に負けて(笑)。
――それからはすんなり役に飛び込めましたか?
池田:その後、事務所のスタッフさんとも「何か面白そうだね」っていう意見が合致したので。もちろん恥じらいはありますけどね!(笑) 絵コンテいただいて、どエロいシーンにしようと思わず、アクションシーンの様に「よっしゃ、やるぞ!」という気持ちで挑みました。首ポキポキ鳴らしちゃうみたいな。“霊長類最強のヒロイン”だと思って、衣装も強めの女子に見える様に組んで。

(C)古泉智浩/青林工藝舎・2018東映ビデオ/マイケルギオン
大胆な役柄なんですけど、捨て身になっちゃいけない。捨て身になったら笛子が下品なキャラクターになってしまうと思ったので。ちゃんと芯があって、色々な事を考えている女の子なんだって、人間くさく演じさせていただきました。
――先ほど「母性」という言葉も出てきましたが、実年齢は池田さんが一番年下というのも面白いですよね。
池田:やっぱり女子って男子よりもませてるっていうか、色々知るのがはやかったじゃないですか。「また男子が変な事言ってる~!」って怒る女子って、その内容がバッチリ理解出来てるってことですもんね(笑)。笛子は実は色々な知識を知らなかったりして、「ん?何が?」って素の反応をしていて。そういう所も男子の理想っぽかったですよね。見た目イカついのに、肉じゃがが得意で、介護福祉士の仕事頑張ってて、好きな人に一途で、でもエロいっていう、男子の理想は注文が多いなって思います(笑)。

(C)古泉智浩/青林工藝舎・2018東映ビデオ/マイケルギオン
――池田さんが本作で、個人的に母性や魅力を一番感じるキャラクター・役者さんってどなたですか?
池田:キャラクターだったら、3人全員を見守ってあげたいと思いますね。「お前達、人様に迷惑かけることしてないだろうね?」って行動を見張ります。役者さんは、本当にそれぞれ素敵で。3人衆以外にも、石垣佑磨さん、般若さん含め皆さんプロ意識と集中力がものすごくて、作品に対する想いもまっすぐで。コメディってガチでやった方が絶対面白いじゃないですか。皆さん演じるキャラクターを貫いているので、素晴らしいなあと思って感動していました。

柳君は普段はミステリアスな美形でなのに、映画の中ではすごくダサくて。実はもともと知り合いだったというのもあって「君そんな風になっちゃうの?!」って、驚きました。そして林さんの演技力と、前野さんのピュアさと、このメンバーだからこその『チェリーボーイズ』だって心から思えます。
――監督が「この映画は中高生が親に隠れて観て欲しい」と言っていて、それもナイスな表現だなと。
池田:ぜひ野球部全員で、とかサッカー部全員で行って欲しいですよね。シーンごとに気まずくなったとしたら、ずっとポップコーン食べていればいいですから! あと、女の子達の意見聞きたいですね。男子がいる所で女子の意見を聞くと、男子が傷ついちゃうんで、こっそり本音を聞きたい。どの映画にも言えることなんですが、どの年齢の方が観ても絶対面白いので。この映画を選んで映画館に来ている時点で仲間ですから!
――現在公開中の『伊藤くんAtoE』や、放送前のドラマ『暇な女子大生』など、恋愛に奔放な女性への起用が続いていますね。
池田:そうですね、でも実はそれと同じくらい『僕は麻里のなか』とか、今後公開する作品では根暗な役も演じているんです。廣木さん(廣木隆一監督)とか、一度奔放な役で起用してくださった監督さんが、次で根暗な役に使ってくださると「ああ、本質を見抜かれてるな」って思います。私をよく知っているスタッフさんほど、エライザの本質に近い役柄をくださるので。最近はたまたま奔放なシーンがある役柄が続いてしまっただけで、エロ女優になるつもりはございませんので(笑)。

――なるほど、これから公開される作品もとても楽しみにしています。そして、池田さんが根暗なタイプ、というのはなんだか意外でした。
池田:楽しい事は大好きなんですけど、コツコツ地道なことをするのが結構好きで。自分が知らない事を知る事が大好きで、オカルトにはまれば『ムー』も買うし、ギターにはまればガチで練習したりとか、脚本の本を買って勉強したりとか、趣味が多いのでパリピ~!ってやっている暇はないんです。
――instagramも素敵な写真が多いですよね。雰囲気があって、影と光のバランスがきれいで。
池田:ありがとうございます。写真も好きで、フィルムで撮ったり、明るさや色はこだわって撮っているので。最近は自分の撮った写真を発表していきたいなって。後は、雑誌でコラムの連載などもさせていただいていて、執筆活動も大好きなのでこれからも色々な事に挑戦していきたいです。

――好きな事がたくさんあるって素晴らしいですよね。池田さんに憧れている女子ってたくさんいるので、そういう文化的な部分も刺激になるかもしれませんね。
池田:憧れてくれている子……ありがたいですね。
――(笑)。その自然体な所が素敵で、すごくカッコイイです。今日は楽しいお話をどうもありがとうございました!
■プロフィール

1996年4月16日生。福岡県出身。
2009年に「ニコラ」モデルオークショングランプリを獲得し、モデルデビュー。2011年、『高校デビュー』(英勉監督)で映画デビューを果たし、15年の『みんな!エスパーだよ!』(園子温監督)ではヒロインに抜擢される。2017年は、『一礼して、キス』(古澤健監督)で映画初主演、ドラマ『ぼくは麻里のなか』(CX)でドラマ初主演をするなど、今注目の若手女優の1人。
映画『となりの怪物くん』(2018年4月27日公開/月川翔監督)、映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(2018年8月31日公開大根仁監督)出演。映画『ルームロンダリング』(2018年公開予定片桐建滋監督)主演が控えている。
取材/中村梢
写真/野原誠治
ヘアメイク/豊田千恵
スタイリスト/大島陸



