【連載】大衆酒場大学・8コマ目「はる日」 大河ドラマ『西郷どん』で注目の鹿児島
どうも、SCOOBIE DO・オカモト“MOBY”タクヤです。今年はNHK大河ドラマ『西郷どん』で鹿児島に注目が集まっていますね。ボクがツアーで訪れた昨秋の時点で『西郷どん』の舞台でもある鹿児島の街は、すでにじんわりと活気に溢れていました。今年はドラマの影響で鹿児島観光に出かける人も増えることでしょう。
鹿児島市内の名所旧跡、フェリーに乗って桜島観光(フェリー内の売店で食べられるうどんも最高)、霧島神宮や指宿音泉、更には屋久島や奄美大島といった離島を訪れるのもおすすめです。観光スポットを挙げればキリがありません。もちろんご当地グルメも豊富で、しゃぶしゃぶやとんかつなどで味わう黒豚、つけ揚げ(さつま揚げ)、キビナゴ・カンパチ・枕崎産カツオといった魚介類、『水曜どうでしょう』ファンをはじめ、もはや全国区となったスイーツ「白熊」は鹿児島発祥です。
また、鹿児島ラーメンは九州の他のご当地ラーメンとは一線を画す独特の味わいですね。そして焼酎もWTO(世界貿易機関)協定に基づく産地指定銘柄の一つである「薩摩焼酎(奄美大島を除いた鹿児島県で醸造される芋焼酎)」を筆頭に、奄美の黒糖焼酎や、麦焼酎も名物になっています。
鹿児島グルメを堪能するならば、鹿児島最大の繁華街である天文館エリアを訪れることになるでしょう。「天文館」という名前は、ヨーロッパ文明を進んで取り入れた薩摩藩の第8代藩主・島津重豪が、天文観測や暦の作成などを行う施設を建てたことに由来します。一軒目で鹿児島グルメを堪能したあと「まだちょっと呑み足りないな」「どこか良い酒場ないかな」というとき、ボクは天文館エリアのちょっと深いところにある「はる日」に行きます。
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▼過去記事
・【連載】大衆酒場大学・1コマ目 “大衆酒場”の原点、早稲田「やきとり一休」
・【連載】大衆酒場大学・2コマ目 開店前から常連が鎮座、高知「葉牡丹」
・【連載】大衆酒場大学・3コマ目 創業明治40年、名古屋の情緒あふれる「大甚 本店」
・【連載】大衆酒場大学・4コマ目 料理も人柄も極上の味付け、北海道「居酒屋 伏見」
・【連載】大衆酒場大学・5コマ目 祐天寺で出会う特製カクテル、生ピーマン…居酒屋「忠弥」
・【連載】大衆酒場大学・6コマ目 白い割烹着の美人女将に会いに…伝説の居酒屋、仙台「源氏」
・【連載】大衆酒場大学・7コマ目 路面電車に乗って、広島「ぎょうざの美和」へ
ひっそりと佇む店のドアを明けると、こぢんまりとしながらも、非常に珍しい八角形のカウンターが。その真ん中で切り盛りする二代目の女将「はるひ」さんは絵に描いたような”薩摩おごじょ”(気立てがよく、優しい薩摩の女性のこと)。いつも笑顔で迎えてくれます。棚には常連さんの芋焼酎「白金乃露」のボトルキープがずらり。1978年創業ということで今年創業40周年とのこと、沢山の常連さんに愛されているのが一目瞭然です。
お店は20時から翌3時くらいまで営業。不定休ですが日曜も深夜まで営業しているので、夜遅くから打ち上げが始まるバンドマンには非常に有り難い。女将さん曰く、かつては新聞社が近所にあり、午前1時半前後に朝刊を入稿した記者達が足しげく訪れていたそうで、その名残が今でも残っていると教えてくれました。
飲み物はビール、芋焼酎「白金乃露」、そしてハイボールのみ。アテは地鶏の炭火焼き、山芋のステーキ、そしてハムエッグ。夜中に酒の肴として味わうハムエッグは絶品です。
(▲山芋のステーキ)
(▲ 酒の肴として味わうハムエッグ)
女将さんの人柄が滲み出た、吞んべえたちの胃袋と心を満たす必要十分条件がバッチリそろっています。人柄の良さはそのお店の“人ガラ”となり、味として滲み出ることを、この「はる日」さんで再確認しました。
「はる日」で芋焼酎と絶品料理に舌鼓を打ったあと「あれ? もうちょっとイケるかも」と思ったら……シメのラーメンは是非とも「のり一」へ。「のり一」のことを、ボクは勝手に鹿児島の”夜の関所”と呼んでいまして、平日は深夜3時、週末は深夜4時まで営業しています(日曜定休)。シメに迷ったらぜひ。
▼「はる日」
住所:鹿児島県鹿児島市東千石町6-11 天文館通駅から約220m
営業時間:20時~翌3時 不定休
▼「のり一」
住所:鹿児島県鹿児島市山之口町9-3 神川ビル1階
昼:月曜~土曜 11時30分~14時
夜:月曜~木曜 20時~翌3時
金曜~土曜 20時~翌4時
※日曜定休
■文・写真/オカモト”MOBY”タクヤ
結成22年を迎えたロックバンド、SCOOBIE DOのドラマー。2006年には自主レーベルを立ち上げマネージャーも兼任。ドラマーとしても数多くのレコーディングに参加。DAZNでのMLB解説、FMおだわら「NO BASEBALL, NO LIFE」レギュラーMCも務める。香港政府観光局認定の「香港マイスター」。
SCOOBIE DOは10月4日に13枚目のフルアルバム『CRACKLACK』をリリース。ツアー「Funk-a-lismo! vol.11」も開始、ファイナルは2018年2月11日(日)にバンド史上初のZepp Tokyoワンマン。バーナード・パーディが1974年に手掛けたアルバム『ライラー』の再発CDに、MOBYがライナーノーツを寄稿している。