
映画「パンとバスと2度目のハツコイ」の大ヒット記念舞台挨拶が2月25日、東京・シアタス調布にて行われ、主演の深川麻衣、キャストの志田彩良が登壇した。
本作は、パン屋で働く独特の結婚観を持った”恋愛こじらせ女子”の主人公・市井ふみと、その初恋相手でバス運転手の湯浅たもつ(山下健二郎<三代目 J Soul Brothers>)が織り成すコミカルでちょっと切ない恋愛群像劇。志田はふみの妹役・市井二胡を演じ、監督は「サッドティー」「知らない、ふたり」などを手がけた今泉力哉が務めた。
イベントが始まり、本作の印象について聞かれた志田は、「大きな事件が起きるわけでもなく、普通の日常を切り取ったシーンが多いのに、凄く余韻に浸れる素敵な映画。監督の手腕が凄い」と監督に賛辞を贈った後で、「普段は考えない日常の出来事を改めて考えさせてくれる映画」と語った。続けて深川は「観てくださった皆さんの感想をチェックしているのですが、皆さんの感想を見て毎回新しい発見をしています。この映画は言葉や登場人物の“間”など、観ている人にすべて委ねているような映画。こんなに観ている人に自由な考え方を与えてくれる映画は中々ないと思います」と本作の盛り上がりを肌で感じられたうれしさを吐露しつつ、その魅力を伝えていた。
また今回2人が姉妹役を演じるに当たって意識したことについて聞かれると、志田は「姉妹の距離感は掴むのが難しくて大変でした。二胡にとってふみは、ただのお姉ちゃんではないということ。憧れの気持ちや心配な気持ちなどを出せるよう意識しました」と撮影時を振り返りながらコメント。一方、実際に兄がいるという深川は「同性でしかも年下の妹がいる役なので、姉妹の距離感ってどんなものだろうと考えました。ふみにとっての二胡は本当に可愛い妹。だけど二胡が後ろからふみを見つめるシーンは、ふみの危うさなど、お姉ちゃんを心配している様子がわかる非常に良い距離感を持った姉妹だと思いました」と述懐した。
劇中に登場する「異性の友だちはどっちかがどっちかを好きなんだよ」という台詞について、志田は「私は必ずしもそう思わないです。男女の友情はあると思っているのですが、友達には『絶対ない!』って良く言われます」と答えつつ、「でもふみとたもつのシーンを見て、そういう考えもあるなと共感してしまいました」と本作に影響を受けたことを告白。これに深川も「絶対(男女の友情は)あるよ!」と反応した。また二胡がふみの絵を描く劇中の印象的なシーンについて聞かれた深川は「ふみにとっては羨ましいと思っていたと思う。自分が諦めた絵を二胡が描き続ける姿を尊敬している」と裏設定を明かすと、志田も「二胡にとっては、絵を描くのは日常の一つであり、お姉ちゃんと繋がるために描いていたんだと思う」と続け、自身が演じた二胡の気持ちを代弁していた。
さらに、この日は観客からの質問コーナーが展開される場面も。「恋愛・孤独・人間関係など、考えさせられたことは?」という質問が飛び出すと、深川は「『付き合ったり結婚したりしないから一緒にいられるのかな』という台詞があるんですけど、今まで一緒にいるために付き合ったり結婚したりするのにと考えていたので、なんか価値観をひっくり返されたような感じです」と本作の台詞に影響を受けたことを告白した。最後に「もう一回やり直したいシーンは?」という質問に対し、志田が「お姉ちゃんとふざけ合うシーンは楽しかったからもう一回やり直したい」と回答すると、これに深川も思わず「胸キュン!!」と反応し、まるで本物の姉妹のような仲の良さが伝わるやり取りを繰り広げ、この日のイベントを締めくくった。












