
「我が社が提案するジャパン・エンターテインメント・リゾートは家族向けの気軽なレジャーを提供し、地域社会の向上に貢献する。世界に向けた日本のアイコンとなるような建築を採用する予定だ」。
27日、世界最大の施設数を誇るカジノ・ホテル・チェーンの米シーザーズ・エンターテインメントのフリッソーラCEOが都内で会見、日本でのIR(統合型リゾート)開発に意欲を見せた。

日本がカジノを含めたIR(統合型リゾート)開発に向かう大きな理由の一つが、その経済効果だ。東京に1か所の場合3.7兆円(みずほ総研調べ)、北海道・横浜・大阪の3か所の場合6.9兆円(大和総研)と試算され、手を挙げている自治体は全国に8か所以上だ。日本が参考にしているシンガポールでは2つのIR施設の開発が行われ、約1兆円の民間投資が実現した。さらに開業後4年で国全体の観光客数が6割、観光収入は9割増加し、売上高は5316億円(2015年度)に上っている。

この数字について、元財務官僚の高橋洋一・嘉悦大学教授は「実際に事業をする人がやっているわけではないから、ほとんどいい加減。"可能性がありますよ"というくらいで、やってみないとわからない」と指摘する。
また、総額106億円をカジノに投じた元大王製紙会長の井川意高氏も「そもそも日本では不労所得は良くないという考え方があるので、タレントや有名人、企業経営者など、1千万単位で賭けるようなハイローラーは行かないだろう。私が行けば"さすが井川は今日も負けた"とTweetされてしまうはずだ(笑)」と話し、日本人ではなく中国の富裕層をどう呼び込むかが課題だとした。
カジノ推進に向かう日本だが、その裏では"闇カジノ"にハマる人も多いのだという。
雑居ビルなどにスロットマシーンやディーラーが常駐し、本格的なバカラなどを客にプレイさせる"店舗型"が多く、摘発を逃れるためにネットカフェなどを装い、場所や看板を変えた"インカジ"と呼ばれる店舗型インターネットカジノもあるという。ジャーナリストの石原行雄氏は、東京都では歌舞伎町や六本木などにある高級店や大衆店を合わせると、100店舗ではきかない数に上ると話す。そして急速に拡大しているのが"スマホ型オンラインカジノ"だ。これは"オンカジ"とも呼ばれ、海外にサーバーを持つサイトに会員登録し、クレジットカードや電子マネーを使っていつでもどこでも手軽にアクセスできるのが特徴だ。

"地下カジノ"とも呼ばれる賭博場の関係者は「普通のサラリーマンとか大学生とかが多いんですよ。国がやる、ちゃんとしたカジノに行ってルールを覚えたら、今度はもっと換金率のいい闇カジノに行く流れになると決まってると思うんですよね。規制すればするほど闇カジノが広がると思います。規制しない方がいいんじゃないですか」と証言する。
しかし井川氏は「今から十数年前にすごく流行って、六本木や渋谷、新宿にもたくさんあった時期がある。私も実は何回か出入りしたことがあるが、必ずイカサマが入っているし、入るときにはサービスチップが余計に貰えても、勝ってようが負けてようが、最後に現金に戻す時には少なくなってしまう」と話す。

高橋氏も「胴元が儲かるというのは基本で、闇カジノはたくさん巻き上げるということしか考えないので、公営カジノよりも儲かるというのはありえない。闇の方が負ける確率が高いと思う。官僚は自分の庭を守ろうとするので、公営カジノができたら、ライバルになる闇カジノを徹底提起にいじめるのではないか」と推測した。(AbemaTV/『AbenaPrime』より)


