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 おっさんと聞いて、何を思い浮かべるだろうか。SNS上には「電車で距離が近すぎるおっさん、ウザい」「酔っ払いのおっさん嫌!酒臭い」「ほんまおっさんの運転ムカつく!マジ、道譲らない」と、とにかくおっさんたちをdisる声で溢れている。

 渋谷の街で女性たちに聞いてみると、

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 「くさいのは無理」(20代学生)

 「ハゲているのがヤダ。不潔」(20代大学生)

 「おしぼりで顔拭いたらおっさん」(20代フリーター)

 「若い子見るとニヤニヤしてる人」(20代美容系)

 「居酒屋で働いていて、注文されたものを持っていく時に、手とか触ってくる人がいる」(10代学生)

 「いちいちうるさい。『おいしょ~』みたいな。座る時も立つ時も『おいしょ~』って、うるさい!なんの効果音?しかも、コーヒー飲んでる人は『おいしょ~』でコーヒーの匂いがふわーんってなる。やめてって思う」(20代学生)

 と、厳しい意見が。さらにオフィスでの振る舞いやメッセージについても、

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ワンピースとか着てくると『今日デートなの?』って」(20代会社員)

「知ったかぶりするおっさん。『いや知らなかったやん!』みたいな。ハゲろって思った」(20代会社員)

 「あの案件は僕が粘って、こういう風にすれば勝ち取れたんだよみたいな感じで。アドバイスと見せかけて実は自分の自慢話」(30代営業系)

「自分の仕事が終わって暇なのか絡んでくる。いやこっちは忙しいんだけどなって思ったり。『飲み行こう』みたいにすごいフレンドリーに絡みたがる」(20代会社員)

「『(LINEで)今日は寒いな。気をつけろよ』みたいな。LINEが鳴る時点でうるせえなって思う。いいよ、寒いの分かってるし。気をつけてるよ、みたいな」(20代美容系)

 「(LINEで)自分の今の心境を全て話してくる。『今日僕は◯◯に来てて◯◯してるよ』って聞いてもないのに勝手に送ってくる。自分の写真を(SNSに)載せると『今日もかわいいね』とか『今なにしてるの』とか(送ってくる)」(10代美容系)

と辛辣だ。当のおっさん本人はどう思っているのだろうか。新橋で聞いてみると

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「年寄りは労わらないといけない。いずれ通る道じゃないですか」(50代)

「君たちもいずれおじさんになるから。いい仲間を作らないと歳とって寂しいぞ。これから遊びに行くんだ。君(女性ディレクター)一緒に行く?」(60代)

 「私たちの時代は殺されるくらいにしごかれたもん。今そういうことはできないじゃん(以後4分間にわたって話し続け、話題は全く別の方向に…)」(60代)

 など、女性たちの思いとは裏腹に、自覚はあまり無いようだ。

■"ダメなおっさん"4つのパターン

 男性学が専門の大正大学の田中俊之准教授は「働く女性が増えた結果、これまでの"おじさん社会"の中では当たり前だったことが"発見"され、風当たりが強くなったというのはあるだろう」と話す。

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 そんな"ダメなおっさん"として、田中氏は4つの事例を挙げる。

 まずは「NO定時NOLIFEおっさん」。「『俺の頃は休みなんかなかったよ』とか『残業なんて100時間くらい当たり前』みたいなことを言ってしまう。背景には、立派な仕事をやり遂げたという"達成"の思いや、"ルールを破れる俺すごい"という意識がある」。

 2つ目は「政治知ったかぶりおじさん」。「例えば、右翼とか左翼という言い方があるが、右翼が何で左翼が何かを答えられない人が多い。本来そういうことを知った上で論じないといけないのに、単に好き嫌いになってしまっている節がある。知ったかぶりして、ただ自分の感情を吐露して何かを語ろうとするのは良くない。例えば、小泉進次郎さんを顔がいいから気に食わないだとか。それでは政治を語ってることにはならない」。

 3つ目は「目からエロビームおっさん」だ。「女性を性的な目線で見たり、可愛いか可愛くないかで仕分けしてしまったりする風潮がある。アイドルを応援する場合にも、どんどん衰えていく自分の代替、憧れとして応援してしまうという深層心理があるのではないか」。

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 最後は「SNSキモキモおっさん」だ。田中氏は「LINEみたいなものは、おじさんたちが30歳を過ぎてから出てきた。若者のLINEは短ければ短い方が良くて、了解を『り』と略すなどシンプルにするものだが、おじさんのLINEは長文で、かつてのiモードの感覚を引きずっているようだ」。

■活躍するおっさん、良いおっさん

 しかし、おっさんはdisられるだけの存在ではなく、活躍の場も増えつつある。

 創業125年を誇る医薬品メーカーの森下仁丹株式会社(大阪)では昨年、「オッサンたちへ 案外、オッサン達がこの国の希望かもしれない」というキャッチコピーで、おっさん限定採用を実施した。採用担当の磯部美季さんによると、同社が経営難の時期に若手が流出してしまったことで、中間管理職の"おっさん"が不足してしまったからだという。

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 反響は大きく、約2200人もの応募が殺到。"おばはん"を含む10人が採用された。半分は異業種からの転職で、経営企画室室長の向井恒年(53)さんはソニーに26年間勤めていたという。採用担当の磯部美季さんは「やっぱり業界が違うということは経験も違うし、新しいアイデアとかも出てくる。すごくプラスになっている」と話す。

 森下仁丹に限らず、1993年~2005年の就職氷河期には多くの会社で人材確保が消極的で、おっさん不足の原因にも繋がっているという。

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 田中氏はそんな頼られるおっさん、"良いおっさん"になれる条件として、外見に気を使っている「自ボディチェックおっさん」、趣味があって友達がいる「アフター5フラフラおっさん」、良い意味でわきまえている「俺なんて…自虐おっさん」、責任をしっかりとる「逃げ恥おっさん」の4つの特徴を挙げる。

 「良いおっさんは清々しい。まず、外見は簡単にできる。鏡を見て、自分を客観視し続けるのが非常に大事。人と接するときに"自分が"じゃなくて、若い人がチャレンジしたいんだったら"俺が責任とってやるからやってこいよ"みたいな姿勢が大事だ。そして、ネガティブな話を自分からしてしまっている場合もある。おじさんであるということが楽しいと自ら発言していくべきだ」。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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