佐藤天彦名人(30)への挑戦権をかけた将棋の順位戦A級プレーオフの最終5回戦が3月21日に行われ、羽生善治竜王(47)が稲葉陽八段(29)に勝利、2年ぶりとなる名人への挑戦権を獲得した。
羽生竜王は2016年に現在の佐藤名人の挑戦を受け、1勝4敗で失冠。既に通算9期で永世名人(十九世)の資格を獲得しているが、今回奪取に成功すれば、昨年達成した「永世七冠」と並び、前人未踏の通算タイトル100期という大偉業を達成することになる。
今期の順位戦A級は、11人の棋士が全10局を終えて6勝4敗で6人が並び、史上最多6人による変則トーナメントによるプレーオフに。羽生竜王は4回戦から登場し、1回戦から勝ち上がってきた豊島将之八段を下すと、挑戦権のかかった5回戦でもここ一番の勝負強さを見せた。
対局後、羽生竜王は6人によるプレーオフについて「全然そういうことを想定していなかったので非常に驚きました。(順位戦で)3月に抜け番だったので、順位戦の間隔が空いていた。テンションを保たなければと思いました」と語ると、タイトル100期がかかる名人戦には「今のところまだあまり考えていないですが、1つの目標としてやりたいと思います」と抱負を口にした。
佐藤名人との名人戦七番勝負の第1局は4月11、12日にホテル椿山荘東京で行われる。
【順位戦A級プレーオフの結果】
1回戦 ●久保利明王将(9位)VS豊島将之八段(10位)○
2回戦 ○豊島将之八段VS佐藤康光九段(8位)●
3回戦 ○豊島将之八段VS広瀬章人八段(4位)●
4回戦 ●豊島将之八段VS羽生善治竜王(2位)○
5回戦 ○羽生善治竜王VS稲葉陽八段(1位)●
【羽生善治竜王のタイトル獲得数】
通算 99期
竜王 7期(永世竜王)※保持
名人 9期(十九世名人)
王位 18期(永世王位)
王座 24期(名誉王座)
棋王 13期(永世棋王)
王将 12期(永世王将)
棋聖 16期(永世棋聖)※保持
※永世称号の就位は原則引退後
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