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東野圭吾の最高傑作とも言われる小説「白夜行」を韓国で映画化した本作『白夜行ー白い闇の中を歩くー』。日本ではドラマや演劇、映画化もされた有名な作品で、特に2006年のドラマ化では綾瀬はるかと山田孝之が主演を演じ大きな話題に、さらに2011年には堀北真希と高良健吾主演で映画化された。そんな日本ではお馴染みの話題作を、2009年に韓国で映画化、監督はパク・シヌ、主演は映画『私の頭の中の消しゴム』のソン・イェジン、とドラマ「ピアノ」のコ・ス、そして映画『シュリ』のハン・ソッキュが務める。
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刑務所から出所したばかりの男が、何者かに残忍に殺害された。14年前に発生した難解な事件と関連があると感じ取った捜査チームは、当時の事件を担当していたハン・ドンス刑事(ハン・ソッキュ)を訪ねる。ドンスは、当時14年前の事件の捜査中、自分の息子を事故死させてしまいふさぎ込んでいた。しかし、その事件に、被害者の息子キム・ヨハン(コ・ス)が絡んでいると推測し捜査に関わる事になったドンス。一方、財閥総帥チャ・スンジョ(パク・ソンウン)の秘書室長イ・シヨン(イ・ミンジョン)は、彼のフィアンセであるユ・ミホ(ソン・イェジン)の身辺調査をしていた。その中で、ミホの過去の痕跡を知り、さらに彼女のそばで影のように付きまとう存在を知る。シヨンとドンス、お互いターゲットが違う中、彼らは2人の過去に関する衝撃的な事実を知る…。
ミホの母親は、14年前の事件で自殺した殺人容疑者で、ヨハンの父親はその被害者だった。ミホは名前を変えて新たな人生を歩んでいるが、ヨハンは今も闇の中に生きている。それは、あたかも光と影のよう。過酷な運命を背負うヨハンとミホ。女でいる事を上手く利用しのし上っていくミホと、ミホを誰よりも愛し、守っていこうと決意する影の男ヨハン。果たして14年前の真実とは何なのか、そして二人の運命はー?
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主人公を演じるコ・スとソン・イェジンが、本作でそれぞれ体当たりの演技を披露。特にコ・スは、大人の色気を漂わせ、妖麗な雰囲気を醸し出すシーンが満載、大胆なベットシーンも話題となった。コ・スは、この演技で第14回富川国際ファンタスティック映画祭ファンタジアアワードの男優部門で受賞している。またソン・イェジンも清純さを脱皮しようと謎めいた聡明な悪女を熱演、新境地を開拓した。
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また、主演2人の魅力に加え、美しい映像と音楽も本作の見どころのひとつ。劇中、ミホは白、ヨハンは黒、ドンスは緑(ちなみに、小説には登場しないオリジナルキャラクターであるシヨンは黄色)でそれぞれのキャラクターを演出、どんどん真実に迫っていく青信号のようなドンスと、注意深く調査を続けていく黄色のシヨンは、正に信号機のよう。華やかな世界で生きるミホの白と、闇の中で暮らし心を閉ざしたヨハンの黒、ミホとヨハンは光と影を思い起こすようなモノクロームで表現されている。
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また、音楽は主題曲としてチャイコフスキーの「白鳥の湖」が起用されている。オープニングからこの曲が流れ始め、純粋で無垢な白鳥と邪悪な黒鳥、そこも光と影を描いた本作のテーマとシンクロし、美しくも悲劇的な世界観を彩っている。
東野圭吾の代表作とも言える恋愛ミステリー、主人公たちの深い悲しみに共感し涙する珠玉の一作となっている。『白夜行-白い闇の中を歩く』は【コリアンエロス映画】特集として、3月31日(土)23時よりAbemaTV【韓流・華流チャンネル】にて放送される。