27日、森友学園を巡る文書改ざん問題について、佐川宣寿・前国税庁長官の証人喚問が始まった。午前の参議院予算委員会での答弁を終え、テレビ朝日政治部デスクの細川隆三氏が『けやきヒルズ』(AbemaTV)に出演し解説した。
細川氏が疑問を持ったというのが、佐川氏が自身の国会答弁について「正しかった」と発言した点。麻生財務大臣は、財務省が文書改ざんを認めた際「佐川の国会答弁に合わせて書き換えたのが事実」と会見で述べており、今回の佐川氏の答弁とは食い違う。この点について細川氏は「『ではなぜ改ざんしたのか』と丸川さんは質問したが、『刑事訴追の恐れがあるので証言はできない』としている。ここがこの後のポイントになる」とする。
また、もう1つ注目したというのが、国有地売却の経緯について安倍総理や昭恵夫人の関与が「私が勉強した範囲ではなかった」と答えた部分。当時、佐川氏は理財局長ではなかったことからの発言だが、細川氏はこれには両面があるとし「『それはない』という完全否定と取るか、『勉強の範囲内ではなかった』と取るか。仮に関与があったとしても虚偽答弁には問われない言い方」と述べた。
一方、臨床心理士で明星大学准教授の藤井靖氏は、佐川氏の表情や仕草を「全体的には完全に官僚モード、対議員モードになっていた。前回の参考人招致ほどではないが、かなり強気な姿勢で臨んでいる」と分析。
また、「言語的な反応と非言語の反応のギャップ」「立って話している時と座って待っている時の違い」「非言語な反応が表れやすい後半の表情や仕草」の3点に注目したといい、「より自分が出やすくなるのが後半。特に非言語的な反応だと、改ざんについて答弁している時は視線が固定されていたり、頷きがオーバーリアクションだったり、言葉を強調して抑揚をつけることが多くなっていた。真実かは別として、佐川さんの中で『こうなんですよ』と伝えたい気持ちが表れていたと感じた」と見解を述べた。
この後のポイントとしては「隙がないとはいえ、議員から疑義がついて委員長のところに駆け寄る場面では、足とか手が動いている。1つの政治主導の結果なのかと思うが、議員が強く出た時に動揺してくるのが手や足の動きに表れている。そこでいかに突っ込めるかが、真実や佐川さんの本音を引き出すタイミングだと思う。議員によって対応が違う感じがするので、議員によって掘り下げられるかは変わってくる印象がある」との見方を示した。
証人喚問の午後のスケジュール(予定)は以下のとおり。
■衆議院予算委員会
14:00~14:10 河村建夫委員長(自民)
14:10~14:45 石田真敏(自民)
14:45~15:10 竹内譲(公明)
15:10~15:32 逢坂誠二(立憲)
15:32~15:53 今井雅人(希望)
15:53~15:59 江田憲司(無会)
15:59~16:05 宮本岳志(共産)
16:05~16:10 丸山穂高(維新)
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)