6日、東京・109シネマズ二子玉川にて、映画『クソ野郎と美しき世界』(4月6日全国86館ロードショー)の完成披露初日舞台挨拶が行われた。4編のオムニバス構成となった本作にて、それぞれ主演を務めた稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾に加え、園子温監督、山内ケンジ監督、太田光監督、児玉裕一監督もそろい踏みした。
同作は、稲垣、草なぎ、香取が所属する「新しい地図」が、初めて製作を手掛けた記念すべき第1回劇場公開作品。『ピアニストを撃つな!』、『慎吾ちゃんと歌喰いの巻』、『光へ、航る』、『新しい詩(うた)』と4つのエピソードが彩る。お互いの作品を初めて観たときの感想について、稲垣は「観客気分で観て、とにかく素晴らしかった」と絶賛。
香取も「4つのエピソードで1本の映画なんですけど、山内監督と僕のところが一番よかったかな、と思います」と自画自賛すると、「皆、そう思っているよ!」、「言いっこなしだよ!」、「おきて破りだよ」と方々から突っ込みにあうも、香取は楽し気ににやけた。
さらに草なぎが、「これだけ個性豊かなキャスト、監督がよくひとつになったなと思って。ここでしか集まれない一期一会の作品、いい映画だなと思った」と感慨深そうに語ると、タッグを組んだ太田監督が「もぐもぐタイム!(一期一会の)イチゴ、って言ったからモグモグタイムかなって」と、失笑気味のジョークを飛ばす。あきれ顔の草なぎだったが、「こんな人がやっていますけど、今の僕らの映画に対しての情熱、溢れぬばかりの気持ちが伝わると思う」とし、ありあまる意欲を見せた。
終始はしゃいでいた太田監督は、会場に入ってきた瞬間からダッシュをしたり、「元ジャニーズなんで」と言い出したりと暴走気味。しまいには、「どれがいいとかいうよりも、『愛のむきだし』がつまらなかった。あれよりは全然面白かった」と園監督の代表作を引き合いに出し始めると、園監督も「こら(笑)」と苦笑い。
しかし、香取が「すごい太田監督の作品、素晴らしかった。この人が作ったとは思えない。信じられない」と褒めれば、太田監督は「いろいろあったじゃないですか。ここで言えないことを…この3人。大スクリーンでのびのびと演技するだけでジーンときましたね」と本音を覗かせると、香取も「ずるいですよね。急にいい感じで」と返しつつ、嬉しそうに大きな笑みを広げていた。
『クソ野郎と美しき世界』は2週間限定で全国にて公開中。
テキスト:赤山恭子
写真:岡田誠