強制わいせつの容疑で書類送検されたことが判明したTOKIOの山口達也メンバー。きのう午後、自ら会見を開き、被害女性に対して「未成年からしたら大人の男性は怖かったんだろうなっていうことを、後になって、もしかしたら一生忘れられない出来事だったのかと考えると本当に申し訳ないなって思う」謝罪の言葉を口にした。
今年１月に酒が原因で体調を崩し入院、２月12日に退院したという山口メンバー。自宅に戻り酒を飲み始め、酩酊状態にある中、テレビの仕事を通じて知り合った女子高生とその友人を港区六本木の自宅に呼び出し、無理やりキスをしたという。女性たちと一緒にいた時間は30分から１時間ほどだったというが、明確には覚えていないという。事件性のあるものだとは思わず仕事を続けていたが、女子高生が警視庁に被害届を提出、３月末に警察から連絡が来て取り調べを受けたという。
その後、示談が成立し被害届は取り下げられたが、「すごく怖くて、なかなか事務所に伝えられなかった」。意を決して４月初めに事務所に相談したが、TOKIOのメンバーには25日まで伝えなかったのだという。
元日経BPの柳瀬博一・東京工業大学教授は「"酒の席で…"という話は、女性問題とセットで出てくることが多い。やはり最後の理性を外してしまうところにお酒があるが、ちょうど日本人は数千年かけてアルコールに弱い遺伝子を獲得したという研究結果を朝日新聞が報じている。たばこの害については度々指摘されるが、日本人のお酒の弱さや、危険性について、もっと真剣に考えたほうがいいと思う」と話す。
心理学が専門の藤井靖・明星大学准教授は「アルコールへの依存があったと考えるのが自然だと思う。ご本人がそうではないと思うと言っても、もうちょっと色んな角度から見る必要があると思う」と指摘。「一般論として、なかなか一人で解決するのは難しいので、メンバーはじめ他の人の力も借りて問題に向き合っていくのも責任の取り方だと思う」とした。
■「連帯責任」が妥当なのか？
「私のこういう身勝手な件で彼らがどれくらいつらい思いをしているのか、どういう思いで今彼らが過ごしているのか考えると、どうしていいか分からないが、彼らがいて私がいるので、もう怒ってくれるのも彼らぐらいしかいない年にもなったので、彼らを信じて、もし待ってくれる場所が、私の席がそこにあるのであれば、まだTOKIOとしてやっていけたらなあと。本当にすみません」と、仲間に対して涙ながらに語った山口メンバー。
６本のレギュラー番組とCM4本に出演しており、違約金や損害賠償などが発生すれば、経済的な損失は個人としても会社としても計り知れない。所属先のジャニーズ事務所は山口メンバーを芸能活動無期限謹慎処分とし、出演番組を抱えていたテレビ局も対応に追われている。
影響は各方面へと広がっている。TOKIOは2020年東京オリンピック・パラリンピックへ向けたスペシャルアンバサダーを担当している。小池都知事は「とても精悍な感じでファンも多かったと思うが、こういうことになってとても残念に思う」と話した。また、福島の果物や野菜の風評被害を防ぐためのPR活動にも励んでいたが、福島県庁内に掲示されたポスターやのぼりも撤去されてしまった。
メンバーの国分太一さんはテレビ番組で「グループは連帯責任。自分たちも反省しないといけない」、城島茂さんは「リーダーとして男として情けない限り。山口達也には誠心誠意償うことを望む」、松岡昌宏さんは「被害者の方にはTOKIO一同申し訳ない気持ちでいっぱい」、長瀬智也さんは「今後本人とメンバーで話し合い、僕たちに何ができるのかを考えていきたい」とコメントしている。
この"連帯責任"について、リディラバ代表・安部敏樹氏は「TOKIOの活動の中で起きた話ではないので、極端な話、連帯責任はなくてもいいのではないか。また日本には、公人と準公人という概念があるが、その線引きについては必ずしも明確ではないことも問題だ」と指摘した。
柳瀬氏は「広告主、番組はTOKIOというブランドを購入している。そのブランドに欠損が起きたときに、商品を買った方はどう考えるんだということがある。また、その向こうにいるお客さんやファンの方たちがどう思うのかということ。重要なのメンバーが欠損することで著しく価値が落ちるのであれば、それはクライアントに対しては非常に不誠実なことになるし、お客さん、消費者、ファンにとっても不誠実なことになる。それを踏まえた上で、連帯責任と呼ぶのはやめた方がいいなと思う。残りのメンバーでどこまで活動できるか考えるのが正当だと思う」とした。
なお、今回の不祥事をめぐる報道では、"山口達也メンバー"という呼称も話題を呼んでいる。テレビ朝日の報道の定義では書類送検の場合は罪が軽微なことが多いため、一般の人であれば匿名とすることを基本としており、「公的な色彩が強い人物は、事件の重大性と合わせて判断する」としている。後者の場合、肩書きがあればその呼称で報道されるため、今回はTOKIOの"メンバー"が肩書きとして代用され、仮に起訴されれば"被告"と呼ばれることになる。AbemaTIMESでの表現も、この基準に準じた。（AbemaTV／『AbemaPrime』より）
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