5月14日、明治大学 駿河台キャンパスにて文学部文学科文芸メディア専攻・伊藤氏貴准教授の特別授業が行われ、映画『友罪』より俳優の生田斗真、瑛太、瀬々敬久監督がサプライズゲストとして登壇した。

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 『友罪』の原作は薬丸岳氏のベストセラー小説。元ジャーナリストの益田(生田斗真)と、他人との交流を避ける無口な男・鈴木(瑛太)は町工場で出会い、同じ寮で暮らし始める。仲を深めていく2人だが、ある事件をきっかけに益田は鈴木が連続児童殺害事件の犯人“少年A”ではないかと疑い始め……といったストーリーだ。

 伊藤准教授の挨拶の後、生田、瑛太、瀬々監督の3人が登場。生田は水色のガウン、瑛太は水色のジャケットとペアルックのような衣装を着ており、瑛太は挨拶の際に「生田斗真と衣装が色がかぶっちゃったんですけど、これは特に狙いはないです(笑)」とコメント。会場の笑いを誘った。

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 授業では、学生からゲストたちへの質問コーナーも。映画にかけて「誰かを傷つけて後悔したことはありますか?」との質問が上がると、生田は「自分が幼い頃、幼稚園生だとか小学生の時代に、クラスの中にいじめとまでは言わないけれど、何かみんなの輪に入れないような友達とかいたんです。今振り返ると、その子に『一緒においでよ』『遊ぼうよ』と手を差し伸べることを、自分は果たしてしてきただろうかと思います。知らず知らずのうちに誰かを傷つけてしまったということはあると思います」と回答。

 瑛太は「小学生か中学生の頃、僕はサッカーやってたんですけど、同じチームのにある友達がいて、彼は僕よりもサッカーが上手くて。その子は白髪が生えていたので、『頭に石灰がついてるよ!』って頭触って嫌がらせをしていました」と告白。しかし、その天罰はすぐにくだったそうで「その一週間後くらいから僕にも白髪が生え始めました。今でも白髪を染めてます」と語り、会場は笑いに包まれた。

 就職活動中だという女子学生から俳優になろうと決めた時期や理由について聞かれると、生田は「僕はジャニーズ事務所というところに所属しているんですけど、この仕事を始めたのは小学5年生のときでした。自分の母親がSMAPが大好きで、なんとなく履歴書を事務所に送って。僕は全く芸能やお芝居に興味はなかったんですけど、なんとなくずっと部活の延長のような感覚で、毎日楽しいなという思いで続けていました。でも高校生のときに、大学に行くのか、この仕事を続けていくのか、それとも今の仕事を辞めて別の会社に就職するのか、という帰路に立ったときに、本当に自分のやりたいことってなんなんだろうなと考えさせられたときに、自分の中で模索したところ、演劇・舞台というものに出会いました。そこで周りにいる演劇人の大人たちが本当に楽しそうに作品を作っていて、その作品をみたお客さんたちが本当に感動して劇場を後にしていくという姿に感銘を受けて、自分は演劇の場所で生きていこうと決意しました」と転機となった高校時代を振り返った。

 瑛太も俳優への道を意識したのは高校生の頃。「僕は小学生の頃からずっとサッカーをやっていました。高校もサッカー推薦で入ることができたんですけど、高校1年で挫折して普通科のクラスに入りました。僕は勉強が大嫌いなので、どうすることもできなくてバイトでもやってみようと、スーパーの品だしや、お肉屋さんの皿洗いなどを始めました。でも1か月やって給料もらうと達成感があってやめてしまうんですね。すべてのバイトが1か月しか続かない(笑)。それで、趣味で映画を見ていたんですけど、一番現実逃避できるのが映画のスクリーンの中だったんです。そこから俳優になろうと思ってなんとなく進んでいきました」と回答。さらに、俳優という仕事には中毒性があるといい、「休みの日になって、趣味だったり体を動かしたり家族とのんびりしたり時間を過ごすんですけど、現場でお芝居していないと心が落ち着かない、ざわつく思いがあって。一番自分が好きな場所、楽しいのは演じているときなんじゃないかなと思います」と語った。

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写真:野原誠治

テキスト:堤茜子

映画『友罪』公式サイト - 5月25日 全国ロードショー
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