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 小学2年生の大珠生(たまき)さんの遺体を線路上に遺棄したなどの疑いで、会社員の小林遼(はるか)容疑者(23)が14日に逮捕された。

 小林容疑者の逮捕を受けて、捜査本部が置かれている新潟西警察署は深夜に緊急会見を開き「被疑者は死体遺棄、死体損壊の事実を認めている」「殺害については今後の捜査で明らかにしてまいりたい」と説明。また、小林容疑者は珠生さん殺害への関与もほのめかしているという。

 珠生さんの自宅と小林容疑者の自宅の距離は100mあまり。遺体を遺棄した場所は小林容疑者の自宅からわずか60mしか離れておらず、狭い範囲の中で犯行が行われたことになる。

 小林容疑者の人柄について近所の住民からは、「疑いをかけられるような子じゃない。優しくていい子」「高校生の時に回覧板を持って来てくれたりしたが、感じのいい子だった」との声があがる。

 一方、小林容疑者と幼稚園から中学校まで一緒だった幼馴染の男性によると、中学校に入ってから小林容疑者の様子が変化したといい、「小学校の時は結構周りとも仲良くしていたけど、中学校に入ってから今の言葉で言うと『陰キャラ』っていうのか」と説明。また、中学時代の小林容疑者は近所の小学校低学年の子どもたちとよく遊んでいたそうで、「近所の子とかと一緒にボール蹴ったり。(性別は)女の子もいるし男の子もいるし、生き生きとしているというか楽しそうにしているというか。(学校では)全然そういう感じじゃない。どちらかというとしゃべらない」と語った。

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 逮捕された小林容疑者は、警察署に入る瞬間に笑みを浮かべたようにも見える。この時、小林容疑者はどのような心理状態だったのか。『けやきヒルズ』(AbemaTV)では、臨床心理士で明星大学准教授の藤井靖氏に見解を聞いた。

Q.警察署に入る際、笑みを浮かべたようにみえる小林容疑者の心理状況は?

 「(彼が犯人だとすると)1週間でだいぶ追い詰められていたのではないか。自分がしてしまったことの大きさを認識したり、報道を見たりして警察の追っ手が迫っていたことを感じて追い詰められすぎたがゆえに、自分の置かれている状況を正確に把握できていないショック状態の可能性が考えられる」

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Q.近所の評判と事件のギャップについて

 「ひとつは、あくまで一般論だが、心理学の『反動形成』という言葉で、心の中に残虐性とか猟奇性とか犯罪に結びつきやすい特徴を持っていても、外面に出てくるのは全く逆に振れたものの場合がある。もうひとつ、近所の方の『優しい』『良い子』という評判は、実はあまりよくわからない時に使う言葉でもある。大人しい様から人柄を推測している場合があるので、どういう心理傾向を持っている人か近所の人がわかっていなかった可能性もある」

Q.なぜ自宅と被害者宅から近い場所に遺体を遺棄したのか?

 「一般的に子どもや未成年に対する連れ去りや犯罪の事例というのは、連れ去るところまでは計画的なことが多いが、その後に手にかけてしまう、殺してしまうというのは無計画なことが非常に多い。今回も何かしらのアクシデントが起きて、結果的に殺してしまったとすれば、その後の状況は考えていないものになるので、とにかく自分の手から早く遺体を離したかったのでは」

Q.線路に遺棄した意図は?

 「線路に遺棄することによって、事故に見せかけることができるという短絡的な発想だと思う。未成年を対象にした犯罪で、これも一般傾向だが大それたことはあまりできない容疑者が多い。車に乗せて数百キロ移動して山の中に遺棄するようなことはできない容疑者も多い。なので、遺体をどうしようと耐えられなくなって、その気持ちを解消するために『近くに遺棄しよう』『事故に見せかけよう』という発想に突き動かされたのではないか」

Q.23歳という年齢について

 「心理学的には、『アイデンティティ=自分が何者なのか』が確立するのは22歳ぐらいと言われている。23歳はアイデンティティがひととおり確立して、自分のことを客観的に見たりこれからの自分を考えたりする時期でもある。その中で、容疑者に何かしらの不信感やうまくいっていないといった思いがあると、それが不安定な感情や行動につながることがある。もしかすると人生の悩みなどがあった可能性はある」

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

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