15日、大阪拘置所に勾留されている森友学園の籠池泰典・前理事長夫妻の弁護士が、大阪地裁に保釈請求を行った。弁護士は去年11月にも保釈請求を行ったが、大阪地裁に却下されている。今回の請求で、身柄は保釈されるのだろうか。
籠池夫妻は補助金約1億7600万円を騙し取った詐欺などの罪で去年7月、大阪地検特捜部に逮捕された。詐欺事件での勾留は原則10日間といわれているが、夫妻の勾留すでに10か月に及び、接見も弁護士以外は禁止されている状態だ。
今年3月に野党議員らが特別に接見した際、夫妻は国有地の取引について「何かにまとめて、逐一昭恵夫人に報告していた」と説明。「早く出たい。国策留置のようだ」とも語っていたという。
夫妻の勾留について、大阪拘置所前での"FREE KAGOIKE"運動にも参加してきた著述家の菅野完氏は、19日放送のAbemaTV『みのもんたのよるバズ』で「無茶苦茶な話だ。10か月はちょっと長過ぎる」と指摘する。
元財務官僚で弁護士としての経験もある山口真由氏は「"国策"というだけではなく、"人質司法"の影響もあるのではないか。例えば村木厚子さんの場合でも"自白と引き換えに"というのがあった。家族にも会えないようにして囲っておくという手法は、司法が抱えている問題。しかも籠池さんの場合、村木さんに比しても長いし、拘置所の中でお正月を越すと精神的にくるところがある」と話す。
その上で「実刑の場合は判決前の勾留期間を刑期に含めることができるので、裁判所が実刑を見込んでいる場合、不利にはならないということで長く勾留することがある。弁護士の間でも、裁判所が籠池夫妻の実刑を見込んでいるのではないかという見方がある。ただ個人的には額が大きいとはいえ、初犯での実刑はやや重いと考える。特別法ではなく、詐欺罪で起訴した意味も重い」とした。
菅野氏も「補助金詐欺に関しては、詐取したとされているのと同じ額を去年3月の証人喚問の前に国庫に返納している。また、詐欺罪ではなく、補助金適正化法違反でやるべき案件だ。検察の恣意性を感じる。こういう不自然なことをするから、"国策捜査だ"、"口封じのための逮捕だ"、"長期勾留だ"と言う見方が出てくるし、籠池氏が出てきて安倍政権や松井府政に不利益なことをしゃべったら困るからと検察が忖度しているんだろうという批判も出てくる」と検察を批判。
そして「僕が取材した範囲や、籠池さんが逮捕されるまでに聞いていた話と人となりを考えると、"あそこにゴミがある"と言うことがお国のためだと思っている。"天下の財務省が、僕にあそこにゴミがあると言え"と言ったから」と推察していた。(AbemaTV/『みのもんたのよるバズ!』より)