民間軍事企業に所属する傭兵として世界各地の戦場を経験してきた、スーパーマンのように強靭な肉体を持つ主人公と、大統領を目指す政治家の隠し子である美しいヒロインとの出会いを描く『THE K2～キミだけを守りたい～』。孤独に生きてきた若者たちの愛が、政治・経済界の大物たちの思惑と交錯しながら育まれていくという、スリリングな展開が魅力のドラマだ。
(C)STUDIO DRAGON CORPORATION
海外の戦場で傭兵として生きてきたものの、ある事情から追われる身となったキム・ジェハが韓国へと帰国。その後、看板設置の仕事であるビルに出向いたジェハは、大統領候補チャン・セジュンの密会現場に居合わせ、彼の警護要員たちと対決する。財閥一族出身で、セジュンを支える妻チェ・ユジンは夫のスキャンダルを恐れてジェハの口封じをしようとするが、結局、彼の実力を認め、自身と関係の深い警備会社JSSに入社させる。K2というコードネームを与えられたジェハが担当することになったのは、セジュンの隠し子であるアンナの監視と警護だった。
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デビュー当時の少年のようなイメージを脱ぎ去り、作品ごとに男性的な魅力を増している俳優チ・チャンウク。時代劇『奇皇后』（13）や『ヒーラー～最高の恋人～』（15）といったドラマでおなじみの彼が、訳ありの敏腕ボディガードに扮し、鍛え上げた肉体を生かしたダイナミックなアクションを見せている。
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心身ともに傷ついて帰国し、他人を寄せ付けようとしなかったジェハが、自分と同じように、人生に絶望しているアンナを見守っているうちに、いつしか彼女に惹かれていく。監視カメラ越しに彼女の行動を見つめ、独り言のように思わず声をかけてしまう姿が微笑ましい。一方、母親を失って以来、人目を避けて外国で暮らしていたアンナは、パニック障害と対人恐怖症のため使用人たちともほとんど口をきくことがなかったが、細やかな気遣いを見せるジェハに少しずつ心を開く。チャン・グンソクと共演した『ラブレイン』（12）など、俳優としても活躍している少女時代のユナが、童話の中に登場するような、美しくミステリアスな“お嬢様”に扮している。口数の少ないキャラクターだが、大好きなラーメンを目の前にした時などに見せる輝くような笑顔には、ジェハならずとも心がとろけてしまうことだろう。
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そんな瑞々しい関係のふたりと対照的なのが、それぞれの野心のため、冷え切った心のまま結婚生活を続けているセジュンとユジン夫婦だ。表向きは財産をすべて放棄し、内助に徹しているように見えるユジンは、弟が会長を務めるJBグループを自分のものとするために夫を大統領にしようと目論んでいる。娘のアンナを監視下に置いているのも、“人質”である彼女を利用してセジュンを思うままに動かすためだった。もちろん、セジュンの方も、大統領となって、ユジンの“管理”から逃れようという思惑を隠している。このふたりに、セジュンのライバル候補である政治家パク・グァンスが加わった、“大人たちの”バトルにも引き込まれる。ユジン役は『ママ～最後の贈りもの～』（14）で演技力を絶賛されたソン・ユナ。すべてを思いのままに動かそうとする女帝のようなキャラクターをクールに見せる。セジュンとグァンスという、ふたりの大物政治家を、『華政』（15）のチョ・ソンハ、『イニョプの道』（14）のキム・ガプスというベテラン俳優が貫禄たっぷりに演じている。
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「アンナの実母を殺したのは誰なのか？」「アンナとジェハの恋の行方は？」など、いくつもの謎が絡み合いながら進んでいくストーリーから目が離せない。『THE K2～キミだけを守りたい～』はAbemaTV【韓流・華流チャンネル】にて5月23日（水）21時40分より放送される。
テキスト：佐藤結
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