映画『友罪』の公開記念舞台挨拶が5月26日、TOHOシネマズ日比谷にて開催され、生田斗真、瑛太、夏帆、山本美月、富田靖子、佐藤浩市、瀬々敬久監督が登壇。アクションシーンの撮影を巡り、瑛太が同名の俳優にクレームを入れる一幕があった。
同作は薬丸岳氏による同名ベストセラー小説を、生田斗真と瑛太のW主演で映画化。町工場で働く元週刊誌ジャーナリスト・益田(生田斗真)と、自らの経歴を一切語らない同僚の鈴木(瑛太)は、同じ寮で暮らすうちに友情を育んでいく。しかし、ある児童殺害事件が発生したことをきっかけに、益田は鈴木が17年前に日本中を震撼させた児童殺害事件の犯人“少年A”なのではないかと、疑いを抱くようになる。
舞台挨拶の冒頭で公開された感想を聞かれると、生田は「賛否両論ある映画だと思いますので、皆さんがどう思ったかというのを、早く聞きたいなと今は思います」とコメント。続いて瑛太は、実際に“少年A”の手記を読んで撮影に臨んだことを明かし、「人間に生まれてきた以上、動物である以上、そういった衝動が生まれてきてしまうということに対して、僕はどこかで共感めいたものを感じたんですね」と、複雑な心境を吐露。
「この映画の題材に対して、皆さんがどう感じられるかというのは本当に人それぞれ違うと思う」と前置きした上で、「どんな作品でもそうですけど、(役を)愛して大好きでいないと僕は演じることができないので、自分自身でも鈴木を守ってあげたいという気持ちで演じました」と役への向き合い方を語った。
また、佐藤は生田、瑛太の芝居について問われると「役者に対して頑張っていましたと言うのは失礼なことだと思うので、そういう言い方はできないんですけど、役を自分の中に1回入れて、吐ききる、というものを、2人とも重々わかって吐き出しているんじゃないかなと思いました」と評価した。
佐藤のコメントを受け、瑛太は「達成感のようなものはないですけど、吐き出すことはできました」と納得の表情。さらに、奥野瑛太演じる、寮の先輩・清水から暴力を受けるシーンを振り返り、「本当にパンチが当たったりとか。あの人本当にアクションが下手クソで。急に首絞めてビンタしてきたり。二度と共演したくない。同じ瑛太という人なんですけどね」と苦笑い。「そういう意味での吐き気はありました」と付け加え、会場を笑いに包んでいた。
テキスト・写真:水野梨香