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 非核化実現と引き換えに北朝鮮への経済協力を打ち出しているトランプ大統領。26日に行われた南北首脳会談の際、韓国の文在寅大統領が北朝鮮の金正恩委員長に「北朝鮮が完全な非核化を実現した場合、トランプ大統領には経済協力する意思がある」と伝え、トランプ大統領も27日に「北朝鮮には輝かしい潜在力があるし、いつか経済的に偉大な国になれると信じている」とツイートしている。

 その先には、北朝鮮でのカジノリゾート建設が視野にあるという。朝鮮労働党の機関紙『労働新聞』は、金委員長肝入りの東部・元山(ウォンサン)でのリゾート開発を14日と26日に相次いで報じた。

 この元山地区は、もともと北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返していた場所だ。ここで朝鮮人民軍を総動員し、来年4月15日の「太陽節」を目指して数百万平方メートル、数百棟の建物を建設。「この世にまたとない海岸リゾート都市にする」のだという。

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 この計画について、『週刊現代』の近藤大介編集次長は「労働新聞の1面トップに、はしゃぐ金正恩委員長の写真が掲載された。ここでトランプ大統領と一緒にカジノ建設をやっていきたいというのが本音だと思う。トランプ大統領の大口の支援者に、アデルソンというカジノ王がいる。この人が作ったシンガポールのホテルが、会談の場所だと報じられているマリーナベイ・サンズ。トランプ大統領は、ここのカジノで金委員長と遊ぶ映像を撮らせたいと思う」との見方を示した。

 一方、北朝鮮国境に近い中国・吉林省で先月、数百人の労働者が工場から隊列を組み、移動している様子が撮影された。

 街の人は「外を見たらものすごくたくさんの人がいた。200人か300人いると周りで話していた」「(集団は)4月に入って見かけるようになった。胸に金日成主席のバッジをつけているので北朝鮮の人と分かった。とにかくすごい人数だった」と証言する。

 北朝鮮の労働者と思われる人々が目撃されたタイミングは中朝首脳会談と時期が重なっているが、国連安全保障理事会が去年決議した制裁内容には、北朝鮮労働者への新たなビザの発給停止なども含まれる。トランプ大統領も21日、「中国は北朝鮮との国境について厳しくあり続けなくてはならない。最近、中朝国境に抜け穴があるとの噂がある」とTweetしている。これは中国による"経済制裁破り"なのだろうか。

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 近藤氏は「中国が国連の制裁決議を破るとは思えない。トランプ大統領も中国を非難しているし、習近平政権は原理原則を守る政権。だからグレーゾーンな事象だということだと思う。昨年9月の制裁は、"これ以上新たな労働者は入れない"というもので、12月の制裁は"これまでに入れている労働者も2年以内に返さないといけない"というものだった。9月の制裁の後、労働者を一旦北朝鮮に返すという現象が起きていた。それをもう一度入れ直しているのだと思う。つまり新たな労働者ではなくて、本来中国にいたはずの労働者を戻している、という解釈だ」と説明した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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