日本語では「女性解放論者」と呼ばれるフェミニスト。『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース~』(AbemaTV/アベマTV※毎週土曜23時から放送中)では、産休中の番組MC・SHELLY(次週放送より復帰)に代わり、タレントでエッセイストの小島慶子が“お留守番MC”として登場。「なぜフェミニストは嫌われるのか」をテーマにフェミニストたちが語った。
(タレントでエッセイストの小島慶子)
MCの小島は自身が女子アナをやっていた時代を振り返り「収入や社会的な地位は並の男性よりはるかに高い。でも画面の中で求められる女性アナウンサーの役割は、若くて可愛くて従順ないい子ちゃんの女子だった」と振り返る。小島は、空気を読んで上手にリアクションをすることで自分の評価が高まることに違和感を覚え、評価されればされるほど自分を誇れなくなったという。
小島は「でもそれは女性アナウンサーだけじゃなくて、職場で働いている女性の多くが同じような葛藤を抱えているのでは」と推測。男性が多く働く職場では、お利口な可愛い女子を演じると話が早かったり、評価されたりするのではと話した。小島が「誰のための女性性なの?」と疑問を口にすると、ゲストたちからは「オヤジたち」との声が挙がった。おやじとは誰のことを差すのだろうか。
(社会学者の千田有紀さん)
武蔵大学教授であり、社会学者の千田有紀さんは「おやじはバーチャル。現代のおやじ優遇システムのこと」と説明。また、具体例としてほかの番組でセクハラ特集をやったときに「セクハラがダメだと言われると仕事ができないじゃないですか」と話す女性タレントがいたという。
その女性タレントは「おじさんとうまく付き合っていくことが仕事なのに、セクハラは駄目だと言うと女は仕事をまっとうできない」と話したという。千田さんは「なるほどなと思った。仕事の相手が男性しかいないからバカなふりをしないといけない」としたうえで、「女性の上司がいて“よくわかんない”なんて言ったら“何言ってるの?”と叱られる」と話し、「組織の中で男性のほうが管理職が多い優位な社会で、労働の場では女性がサブに回っているのが大きいのでは」と分析した。
(日本版・スチューデントエディターの浅田奈穂さん)
ハフポスト日本版・スチューデントエディターの浅田奈穂さんは「私の大学ではまったくフェミニズムは浸透していない」と説明。浅田さんがある先生の授業にLサイズのTシャツで行った翌週、タイトなニットを着て行ったところ、教授から「大きくなったんじゃない?」と胸を見て聞かれたという。
浅田さんは「頭が真っ白になった」と振り返り、別の授業で同じになった先輩に話したところ「よかったじゃん。おっぱいと顔で認識されて単位がとれるよ」と言われたという。浅田さんは「私は大学の単位のためにどれだけのことを犠牲にしなきゃいけないんだろう」と疑問を述べた。
さらに浅田さんは「みんな生まれた瞬間から”おやじ”なわけではない」と指摘。現に21歳で在学中の浅田さんは「同じ学年の同じ年の男性が『3女(3年生)、4女(4年生)はババアだ』って言う」と説明。また「(そう言われると)女の子のほうもババアはここで黙ってます、みたいなことをやるんです」と、大学生の中にも”おやじ”はいると話した。
ゲストの話を聞いた小島は「女の人はいくつものバイアス(偏見)のなかで語られることが多い」と千田に共感。さらに「歳をとったら価値がないとか、美人じゃなければ価値がないとか。自分ではどうにもできないことを価値基準にされて人生の選択を左右されたり、理不尽だよなって思ったりすることはフェミニストでない人も感じることがあると思う」と話した。
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(ライター/小林リズム)