![女は「バカっぽいのがいい」「勉強はできないフリ」 無知が武器の“世渡り女子”に警告](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/9/a/724w/img_9a8617898ddc99e2f47c63fb5faf9d50134666.jpg)
(「女たちの21世紀」を編集した濱田すみれさん)
日本ではまだ広まっていない「フェミニズム」の思想。フェミニズムを主張する人のことを「フェミニスト」と呼び、起源は18世紀のフランスに遡る。なぜ、日本では「フェミニズム」が広まっていないのだろうか。
『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース~』(AbemaTV/アベマTV※毎週土曜23時から放送中)では、産休中の番組MC・SHELLY(次週放送より復帰)に代わり、タレントでエッセイストの小島慶子が“お留守番MC”として登場。「なぜフェミニストは嫌われるのか」をテーマにフェミニストたちが語った。
■ 女子は空間図形ができるとダメ? 勉強は「できていないように見えるフリ」
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(社会学者の千田有紀さん)
武蔵大学教授であり、社会学者の千田有紀さんは「フェミニストには絶対になりたくないと思って生きてきた」と振り返る。千田さんは、幼い頃から勉強ができたという。しかし、勉強ができる女子は周りから「煙たがれていた」と告白。教師が「女子は空間図形ができない」と言えば、千田さんは「女子は空間図形ができるとダメだ」と危機感を覚え、小さい頃から「勉強ができていないように見える風に手を加えていた」と話す。
千田さんは「ただでさえ生きづらいのに、フェミニストに目覚めたらめちゃくちゃ生きにくくなるのが予想できた」と、高校時代は“フェミニズム”と聞くと逃げていたという。
そんな千田さんだったが、自身の生きづらさに向き合ったところ、自分が女性であるということからは逃れられないと思うようになった。千田さんは「このままでは男性は男性、女性は女性っていう性役割を押し付けられているのと変わらない」と感じ、社会学の勉強を始め、仕事にしたと話した。
■フェミニズムの歴史
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(「ウートピ」編集長の鈴木円香さん)
働くアラサー女性のための情報サイト「ウートピ」編集長の鈴木円香さんは「最近は男性らしさがしんどい男性も出てきている」と指摘。鈴木さん自身は、学生時代に習ったフェミニズムには共感できない部分があったという。
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フェミニズムには歴史がある。フェミニズムの第一波(18世紀末から20世紀半ばにかけて)では、女性が参政権などを得るための権利拡大運動を行った。第二波(1970年代頃)では、男性中心の考え方や制度を告発し、家父長制的な社会の根本的な改善を要求する、いわゆるウーマンリブ運動を起こした。
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そして第三波(1990年代ごろ)では、女性の生き方の多様性を見つめ、性別や人種など関係なく誰もが自分らしく生きられる社会の実現を目指した。第四波の現在は、女優のエマ・ワトソンが国連で行ったスピーチを始め、ビヨンセ、マドンナなども作品を通じて発信。ネットの発達、SNSの普及によって、世界中にフェミニズムの思想が広がっている。
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「女たちの21世紀」を編集した濱田すみれさんは、以前“バカっぽい女”になるために、雑誌を読んで勉強をしたことがあるという。「ネガティブな表現で他人にバカという言葉を使うのに、女の子の評価ではバカっぽいのがいいと言われて矛盾している」「恋愛や男の子との関係のなかでずっとモヤモヤしていた」と告白する。
濱田さんは、仕事を通してフェミニズムを知り「日常生活のことから世界的な政治のことも知っていて、マスメディアに出ていないような意見をしっかり持っているフェミニストってかっこいい」と感じるようになったという。濱田さんによると「ラディカルフェミニズム(性別によって生まれる支配関係をなくそうとする考え)の第三波フェミニズムの人が多い」と自身の周りを分析した。
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(作家の雨宮処凛さん)
濱田さんの話を聞いた作家の雨宮処凛さんは「無知で未熟でバカっぽい女の子が可愛くてモテるというのも抑圧だ」と指摘。雨宮さん自身はバカなふりをできなかったといい「なんでこいつのためにバカなふりをしないといけないのか」と憤っていたという。
雨宮さんは「バカっぽい女を求めるのはその男がバカだから」「自分に自信があったらバカっぽい女じゃなくて経験値や知性のある女性を求めるはず」と持論を展開。MCの小島から「それはバカな女を差別していると言われてしまったら?」と聞かれると、雨宮さんは「バカなふりをしないと生きられないってバカキャラを演じている人がいるだけ。本当にバカな女はいないと思う」とコメント。
雨宮さんは、今は“バカなふり”をして世渡りをうまくやっている女性がいたとしても「今後、なんらかの性被害や差別にぶつかると思う」「ある年齢まではそのキャラでいけても、40代でそれをやっていたらかなり不気味な人になるので“キャラ変”も必要」と警告し、「壁にぶつかったときはぜひこちら(フェミニズムの世界に)どうぞ」と勧めた。
(C)AbemaTV
(ライター/小林リズム)