10月13日(土)より映画『止められるか、俺たちを』がテアトル新宿ほか全国順次公開する。このたび、青春の全てを映画に注いでいた若松プロのメンバーの情熱があふれるメインビジュアルと、出演者からのコメントが解禁となった。

これは映画監督 白石和彌が、師匠 若松孝二と、“何者かになろうと夢みた”全ての人へ送る、終わらない青春の1ページの記憶だ―――

2012年10月17日の若松孝二監督逝去から6年。若松プロダクション出身で、『凶悪』で第37回日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞、『彼女が名前を知らない鳥たち』(17)、『孤狼の血』(18)など、いまや日本映画界を牽引する俊英・白石和彌が、師匠・若松孝二が時代と共に駆け抜けた時代を描きだす。白石監督自ら「映画を武器に戦ってきた若松さんの声をもう一度聞きたい」と企画した本作は、記念すべき若松プロダクション映画製作再始動第一弾となる。
1969年、“若松プロダクション”の門を叩いた少女の目を通して、若松孝二と共に映画、政治、青春が駆け抜けていった一瞬の時を描く。主演は門脇麦、若松プロダクション助監督・吉積めぐみ役を熱演。そして若松孝二役は若松組常連・井浦新。こんな若松プロ、こんな青春、誰も観たことない———
【ミキサー助手福ちゃん役・満島真之介コメント】
この作品が、私を映画の世界へと招き入れてくれた我が師、若松孝二監督とのかけがえのないあの時を思い出させてくれました。初心を大切に、再出発です。ありがとう。
【松田政男役・渋川清彦コメント】
若松監督と時間を共に出来た事は、俺の財産です。学んだ事を胸に自分なりにやって行きます。新宿二丁目の蕎麦屋で、若松監督とクマさんに偶然お会いした夜の事は、一生忘れられません。
【赤塚不二夫役・音尾琢真コメント】
私自身は若松孝二監督とはお会いできないままでしたが、その意思を受け継いでいる仏のように優しい鬼才、白石監督を通してお会いできているような気持ちでおります。この映画は、心の奥にこんな感情がまだ残っていたのか、と思えるほど、熱いものをこみ上げさせました。私も若松プロにいたかった、心からそう思います。
【吉澤健役・高良健吾コメント】
この映画の登場人物達のように燃えるように生きたい。ここではないどこかへ行く夢を一緒に見た気がする。
【前田のママ役・寺島しのぶコメント】
万歳!若松組!
ストーリー

吉積めぐみ、21歳。1969年春、新宿のフーテン仲間のオバケに誘われて、“若松プロダクション”の扉をたたいた。当時、若者を熱狂させる映画を作りだしていた“若松プロダクション“。そこはピンク映画の旗手・若松孝二を中心とした新進気鋭の若者たちの巣窟であった。小難しい理屈を並べ立てる映画監督の足立正生、冗談ばかり言いつつも全てをこなす助監督のガイラ、飄々とした助監督で脚本家の沖島勲、カメラマン志望の高間賢治、インテリ評論家気取りの助監督・荒井晴彦など、映画に魅せられた何者かの卵たちが次々と集まってきた。撮影がある時もない時も事務所に集い、タバコを吸い、酒を飲み、ネタを探し、レコードを万引きし、街で女優をスカウトする。撮影がはじまれば、助監督はなんでもやる。
「映画を観るのと撮るのは、180度違う…」めぐみは、若松孝二という存在、なによりも映画作りに魅了されていく。
しかし万引きの天才で、めぐみに助監督の全てを教えてくれたオバケも「エネルギーの貯金を使い果たした」と、若松プロを去っていった。めぐみ自身も何を表現したいのか、何者になりたいのか、何も見つけられない自分への焦りと、全てから取り残されてしまうような言いようのない不安に駆られていく。
「やがては、監督……若松孝二にヤイバを突き付けないと…」













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