先日開かれた加計学園の加計孝太郎理事長の記者会見。加計学園側がメディアに会見の情報を発信したのは2時間前で、場所も岡山県。しかも質問も途中で打ち切るなど、不信感を募らせている人も多い。AbemaTV『橋下徹の即リプ!』にも、視聴者から「タイミングがずるくないですか?大阪地震の後、W杯日本戦の直前にするのが逃げてるような感じがしました」という感想が寄せられた。
ゲストの元経産官僚での岸博幸・慶應義塾大学大学院教授は「加計学園の側からすれば当然の対応で、僕が担当者でもこういう対応をしたと思う。なるべく話題にならないタイミングで静かに終わらせて、"説明責任を果たしたよね"、と。加計理事長のあの緩い会見で分かる通り、リスクが増えると周りも考えたんだと思う」と、学園側の狙いを説明。
一連の問題について「総理に累が及ばないように周りの人たちが最初の国会答弁の段階で忖度をしたんだろうが、それを覆す材料が出てきて、さらに無理を重ねることになって信憑性が低くなった。本当は色々な真実をはっきり言ってしまって、"でもいかがわしいことはない"と言うべきだった。安倍さんは理事長から獣医学部の計画を聞いたのは去年の1月と言っているが、その前から知っていたとしても問題はないし、総理秘書官が関係者と会っていたとしても問題ない。それを受けた内閣府が優遇しろという支持をしたり、お礼としてお金が動いていたら問題だけれど、それはなかった。ただ、総理が利害関係者であることは事実。国家戦略特区諮問会議も、安倍総理抜きで議論すべきだったし、最初は総理が知っている人の案件はやりませんとすべきだった」と解説した。
一方、橋下氏は「長期的に考えた時に、加計理事長もまだまだ人生も長いのに、人間としてどうなのと思ってしまう」とコメント。「もし僕が安倍さんだったら、"コラ!なんちゅう会見やってるんだ。弁護士つけるでもなんでもして、8時間でも9時間でも10時間でも、質問なくなるまでちゃんと説明しろ!"と言ったと思うし、それが友達だと思う」と加計理事長と、その"友人"である安倍総理を厳しく批判。
ただ、加計学園問題そのものについては「批判する人の多くは行政の公平性、中立性を言うが、所詮は人間のすることで、いろんな人から頼まれて動いているのが政治の現実。もちろん賄賂をもらったり、違法・不正なことをやったらアウトだが、獣医学部の新設を求める人、反対する人たちの働きかけがぶつかり合う中、最後にバンっと決まるのが政治。だから"加計学園の働きかけが影響した"というのは当たり前」と説明。
その上で「裁判で言えば、裁判長の息子が被告人だった場合、いくら"判決に不正はありません"と言っても国民はそれを認めない。だから裁判長は『忌避』といって、その裁判から退かないといけない。戦略特区の場合も、自治体提案だったとしても事業者とワンセットで提案するわけだから、指定を受けた後は、安倍さんと加計学園の理事長が飯食ったりゴルフしたりしちゃだめ。大阪でも、申請した業者と役所の人間が入札手続きのときに会ったら、違法・不正、賄賂の授受がなくても中止になる。安倍さんの飲食やゴルフも大阪だったら手続き中止になる。それなのに"一点の曇もない"と言うから問題だ。国家戦略特区は制度を変える話と事業者を選定する制度が形式上は分かれているが実質上は一緒。ごっちゃになっている」と指摘した。
岸氏は「安倍総理は優しすぎる方なので、会見についても加計理事長にそこまで言い切れなかったんだろう。あえて言えば、誰が悪かったかと言えばそれは安倍さん本人ではない。答弁を考えるのは安倍さんの周りだから。逆に安倍さんはかわいそう」と擁護した。(AbemaTV/『橋下徹の即リプ!』より)