映画『止められるか、俺たちを』(10月13日よりテアトル新宿ほか全国順次公開)の予告編映像が解禁となった。同作のメガホンを取ったのは白石和彌監督。門脇麦、井浦新はじめ豪華キャストが織り成す青春群像劇に、曽我部恵一が書き下ろした主題歌「なんだっけ?」のどこか懐かしいメロディーが見事にマッチ。映画の公開に先駆け、曽我部、そしてリリー・フランキー、崔洋一監督からコメントが到着した。
2012年10月17日の若松孝二監督逝去から6年。若松プロダクション出身、『凶悪』『彼女が名前を知らない鳥たち』『孤狼の血』などで日本映画界を牽引する俊英・白石和彌が、師匠・若松孝二が時代と共に駆け抜けた時代を描きだす。白石監督自ら「映画を武器に戦ってきた若松さんの声をもう一度聞きたい」と企画した本作は、記念すべき若松プロダクション映画製作再始動第一弾となる。
1969年、“若松プロダクション”の門を叩いた少女の目を通して、若松孝二と共に映画、政治、青春が駆け抜けていった一瞬の時を描かれている同作。主人公の助監督・吉積めぐみ役を門脇麦が、若松孝二役を井浦新が演じる。今回解禁となった予告編では、「客にヤイバをつきつけるようなもん作りたい!」と豪語し「緊張して仕事しろ!」と檄を飛ばす若松の姿や、その元で映画作りに奔走するめぐみの姿が切り取られている。
音楽は若松孝二とも交流があり、若松孝二の映画をこよなく愛する曽我部恵一が担当。主題歌「なんだっけ?」を書き下ろした。曽我部はコメントにて、今回の曲作りについて「ぼくが影響を受けてきたのは若松映画そのものだけではなく、若松監督の物作りの姿勢だったんだと今回再確認した」「当初はあえて客観的に音楽をつけようと思っていたけれど、いつのまにか若松宇宙の中に取り込まれて、夢中で作曲していたんだ」と振り返っている。
以下、曽我部らコメント全文
■曽我部恵一
思いがけない形で若松孝二と再会した。ぼくが影響を受けてきたのは若松映画そのものだけではなく、若松監督の物作りの姿勢だったんだと今回再確認した。当初はあえて客観的に音楽をつけようと思っていたけれど、いつのまにか若松宇宙の中に取り込まれて、夢中で作曲していたんだ。
■リリー・フランキー/イラストレーター
僕にとっての、最高の青春映画の答え合わせ。
■崔洋一監督
なんと、滑稽で、バカで、クズで、最低の奴ら……そして、世界で一番哀しい者たちよ、俺は君たちを誇りに思う。
ストーリー

吉積めぐみ、21歳。1969年春、新宿のフーテン仲間のオバケに誘われて、“若松プロダクション”の扉をたたいた。当時、若者を熱狂させる映画を作りだしていた“若松プロダクション“。そこはピンク映画の旗手・若松孝二を中心とした新進気鋭の若者たちの巣窟であった。小難しい理屈を並べ立てる映画監督の足立正生、冗談ばかり言いつつも全てをこなす助監督のガイラ、飄々とした助監督で脚本家の沖島勲、カメラマン志望の高間賢治、インテリ評論家気取りの助監督・荒井晴彦など、映画に魅せられた何者かの卵たちが次々と集まってきた。撮影がある時もない時も事務所に集い、タバコを吸い、酒を飲み、ネタを探し、レコードを万引きし、街で女優をスカウトする。撮影がはじまれば、助監督はなんでもやる。
「映画を観るのと撮るのは、180度違う…」めぐみは、若松孝二という存在、なによりも映画作りに魅了されていく。
しかし万引きの天才で、めぐみに助監督の全てを教えてくれたオバケも「エネルギーの貯金を使い果たした」と、若松プロを去っていった。めぐみ自身も何を表現したいのか、何者になりたいのか、何も見つけられない自分への焦りと、全てから取り残されてしまうような言いようのない不安に駆られていく。
「やがては、監督……若松孝二にヤイバを突き付けないと…」
(C)2018若松プロダクション

